第２２回読書ミーティング（３）

　２０１６年ベストセラー第８位は、村田紗耶香「コンビニ人間」
　５２万部
　３６歳未婚女性。コンビニバイト１８年、彼氏なし。日々食べるものはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ！」の掛け声が毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。　　　　　　

　ある日、婚活目的の新入り男性がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが・・・。
　第１５５回芥川賞受賞。売れる純文学！
　作家の村田紗耶香さんご自身、３７歳未婚でコンビニでバイトしている。
　作家仲間からはクレイジー紗耶香と言われているが、ご本人は人見知りで無口だがクレイジーではないと言っている。
　「恋愛しなきゃ、結婚しなきゃ、正社員じゃなきゃ」普通じゃないと言われるが、「普通」とは何か？
　現代の実存を軽やかに問う衝撃作！
　コンビニ人間なんて「大した将来設計もないフリーター、旦那の収入だけじゃやっていけない主婦、出稼ぎの外人！」の底辺人間じゃん！という見方がある。
　しかし、そんな見方をする自意識過剰な奴らに限って、世間から疎外される責任を他者に押し付けることしかできなくてイライラしているんじゃないの？　自意識を薄めることで、世間から疎外されている辛さを自己防衛できているコンビニ人間の方が今的な正しい生き方をしているのかも・・・。
　日本国民の消費生活を支えるインフラ、コンビニに貢献している意味でも。

第２２回読書ミーティング（２）

　２０１６年ベストセラー第２位は「おやすみ、ロジャー　魔法のぐっすり絵本」
　（カール＝ヨハン・エリーン　三橋美穂監訳）８０万部　　　　　　　

　「読んでいるママも一緒に眠くなっちゃうくらい引き込まれる、寝かしつけ絵本です！」
　米英仏スペインなどでアマゾン総合ランキング１位の世界的ベストセラーが日本上陸！
　＜心理的効果＞実証済みのまったく新しいタイプの絵本。
　「ここを強調して読み、ここであくびをするように」などの細かな指示が入っている。
　子どもの寝かしつけに苦労しているママは、すぐ買っちゃいそう！
　第３位は「ハリー・ポッターと呪いの子」７０万部「ハリーポッターと死の秘宝」から１９年経ち、父親となったハリーが２人目の子どもをホグワーツ魔法学校へと送り出したその後の物語。
　おなじみの＜ハリーポッター＞が父親になった？　それでもまだハリーポッターの名で売れるんだ！　ボクは読みたくもないけど。　
　第４位住野よる「君の膵臓をたべたい」６７万部。新人作家のデビュー作。無名作家でありながら、売れると信じた双葉社が初版１００００部を市場に投入！（最近は芥川賞作品でも５０００部が普通）
　双葉社営業部が様々なしかけをして、結果２０１６年本屋大賞ノミネート、２０１５年年間ベストセラー６位！
　出版社の賭けでも、営業努力で売れるんだ！　病気で死にゆくヒロインと内向的な男。ベストセラーの方程式だけど、タイトルがユニークだね！
　第５位「嫌われる勇気」岸見一郎、古賀史健　６２万部フロイト、ユングと並び＜心理学の３大巨頭＞と称せられるアルフレッド・アドラーの教え。ここ３年で一番売れた自己啓発書。韓国でもベストセラー１位。
　すべての悩みは対人関係にある。他人の承認に囚われすぎないこと。人間の真の幸せとは人の役に立っていることが至高の価値。
　読まなくても内容は分かる。今さら。という感じ！
　第６位「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」Eiko　６０万部
　美しく、ベターッと開脚している人を見ると、うらやましいな、と思うものです。＜体がかたい＞ことがコンプレックスの人たちのための一冊。
　ヨガの先生に言わすと、この方法はだれにでもいい、というわけではないし健康的でもないとのこと。
　第７位は宮下奈都「羊と鋼の森」５５万部ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人の成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った長編小説。草食系の青年と、優しい人たちが、調律の道をめぐって様々な話をし、助け合い、思いやりを示していく。
　森に生まれた主人公が、ピアノの調律の厳しい道を進みながら、音楽の戦慄に、人生の場面に、様々な場所で森を感じる。森で生まれた自分というアイデンティティを再確認する物語でもある。
　参加者の女性のお父さんが調律師だったそうだ。早くに亡くされて、「いろいろ聞いておけばよかった・・・」と目をキラキラされて語られたのが印象的だった。
　ボクも終戦間近に戦地へ出征したオヤジのことを思い出した。・・・いろいろと訊いておけばよかった・・・と。

　─続く─

第２２回読書ミーティング（１）

　「第２２回現役編集者が主宰する読書ミーティング」
　先ずは、講師が挙げる２０１６年度ベストセラー。
　
　特筆すべきは
　①書籍売り上げが４１年ぶりに雑誌を上回った。
　②テレビで取り上げられたものが多い。（アメトーク、世界一受けたい授業、王様のブランチ、ＮＥＷＳ　ＺＥＲＯ，あさイチ他）
　③ベスト１０に文芸書が５冊も入っている。

　ちなみに２０１５年ベストセラーには、１０冊のうち４冊までが８０～１００歳の女性が書いたもの。
　３位
　５位
　６位
　９位
　
　さて、２０１６年の第１位は石原慎太郎「天才」９２万部石原慎太郎が、田中角栄に乗り移って「俺」の第一人称で描く。
　高等小学校から総理大臣にまで上り詰め「今太閤」と呼ばれ、戦後最高の支持率を得た総理大臣。
　あまりにも金権体質だったので退任させられることになる。
　類まれなる権謀術策と、人心掌握術に注目が集まるが、デリケートな一面もあり、浪花節と映画をこよなく愛する家族思いの人情家だった。
　日本列島改造論、日中外交など、歴史に残る政治実績を残す。
　毛沢東や周恩来にも一目置かれた彼は、家族も愛人をも愛した。
　裏切り者竹下登さえも赦した。反金権、反田中の急先鋒だった石原慎太郎を「いいんだよ、政治家だから」と赦した。
　そんな石原慎太郎が今なぜ田中角栄に惹かれるのか。
　田中角栄ブームの頂点をなす一冊だ。
　・・・脱アメリカを目指したがゆえにロッキード事件という罠に嵌められ失脚したという点でも、興味深い。・・・安倍首相のトランプ新大統領との付き合い方が注目される。
　─続く─
　

エッセイ（３５２）大人の対応

　＜落語談義＞
　熊さん：ご隠居！　アパホテルの例の問題書籍を撤去することになったそうですぜ。
　ご隠居：何？　あの「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定した書籍を？
　熊さん：そうです。中国が断固たる反対を表明したやつ。
　ご隠居：まったく大人げない！　たかが民間業者の行為に国家が口をはさむなんて。
　熊さん：それを大韓体育会によると、札幌冬季アジア大会の選手団の公式宿舎になってるから撤去してくれと大会書式委員会に要求したら撤去することになったと・・・。
　ご隠居：何？　今度は韓国から？
　熊さん：そうなんですよ。ＪＯＣ（日本オリンピック委員会）もＯＫしたらしいですよ。
　ご隠居：へえ・・・。韓国の要求にねえ・・・。
　熊さん：あの釜山の総領事館前に＜慰安婦像＞を両国政府の合意を無視して設置した韓国ですよ！
　　　　　　
　ご隠居：日本としてはずいぶん大人の対応じゃないか。
　熊さん：えっ？　そんな弱腰でいいんですかい？
　ご隠居：だいたい、政治、外交問題をスポーツの大会に持ち込むべきじゃないんだ。政治、外交ってのは＜国民感情＞のねじくりあいという側面があるんだが、スポーツってのはそんな＜国民感情のはけ口＞という役割を持っているんだ。
　熊さん：国民感情のはけ口？　なるほど・・・。
　ご隠居：だいたい、半世紀以上昔のことをいつまでもグチグチ言い合うのはやめにしたいね。
　熊さん：ですよね！　未来志向でってわけですね。
　ご隠居：真実は、アパホテル側のＰＲ戦略に中韓政府が巻き込まれたってわけだ。
　熊さん：アパの戦略？
　ご隠居；アパホテルは今度の問題でずいぶん宣伝になったってうそぶいてるぜ。

　＜好奇心コーナー＞
　
　いざとなれば山羊も木に登る！
　生きるためには！
　崖にだって登る！すごい！
　トランプ大統領が初めての外国首脳、イギリスのメイ首相と会談した。
　注目すべきは、ＮＡＴＯの重要性を認識したこと！
　ただ貿易に関しては、現在輸出超過の関係にあるイギリスが優位を保てるかはこれからの交渉にかかっている。
　断絶したかに見えたメキシコの大統領とトランプが電話会談。
　トランプって大人の対応もできるんだ！
　

エッセイ（３５１）トランプ政権の行方（３）

　トランプ政権は人類にとって危うい、という見解を述べましたが、期待できるという見解もあるんですね。
　ボクが敬意を抱いているオリバー・ストーンさんの見解です。
　あの「もうひとつのアメリカ史」の監督です。
　
　彼によれば、ヒラリー・クリントン氏よりよほどいい、と言うのです。
　彼女はロシアを敵視し、非常に攻撃的。
　米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じている＜介入主義者＞だというのです。
「彼女が大統領になっていたら、世界中で戦争や爆撃が増え、軍事費の浪費に陥っていたでしょう。第三次大戦の可能性さえあったと考えます」と朝日新聞のインタビューに答えています。
　その点、トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げ、他国をやっつけに行こうなどとは言いません。
　米軍を撤退させて＜介入主義＞が弱まり、自国経済を機能させてインフラを改善させるならすばらしいことですとまで言っている。
　なるほど！そういう見方もあるか・・・。
　それもこれからのトランプ氏の実際の政権運営を見てみないと何ともいえませんが。

　＜好奇心コーナー＞
　
　パリではビルの屋上を活用する運動が流行っているそうです。
　パーティを開く。見晴らしが最高！
　屋上で「ヨガ」気分は最高！
　　　再設定！　　　　

エッセイ（３５０）トランプ政権の行方（２）

　トランプ政権が始動した。
　就任早々、中国は「為替操作国」と発言。
　現状では中国を刺激しても暴発はないと踏んで、対中強硬策に踏み切った。
　プーチンロシア大統領から勲章を受けた、対中強硬派ティラーソン氏を国務長官に。
　ＩＳ掃討でロシアとの協力を主張するフリン氏を安全保障政策担当の大統領補佐官に。
　プーチンと手を結び、習近平中国包囲戦略に出たということだ。
　日本もその一端を担うことになりそうだ。
　　　　　　　　　
　＜好奇心コーナー＞
　
　中国、新たなネット規制で国内の引き締め強化！
　ＶＰＮ（仮想プライベートネットワーク）の提供を禁じる通知をだした！

三鷹通信（１７４）三鷹三田会麻雀会

　三鷹三田会麻雀分科会の新年会が５２名を集めて行われた。
　今回は１９年に及ぶ旧幹事が退任し、新幹事団の下盛大に行われた。
　パーティでは同時に昨年度の年間表彰が行われた。
　なんと、６２名の参加者の中でトップ、年間優勝に輝いたのは森岡節子さん（ゲスト）だ。
　１９年の歴史の中で初めての女性年間優勝者だ。
　そのほか１８名の順位賞、３名の特別賞、２２名の皆勤賞、２０名の精勤賞、９名の幹事に慰労金と大量の表彰があった。
　その他、新年会の順位賞など、多数の人が表彰に与った。
　この会の特徴である。
　
　

エッセイ（３４９）トランプ政権の行方

　お久しぶりです。パソコン上の不手際があって、この二日間ご無沙汰でした。
　さて、アメリカの第４５代大統領にドナルド・トランプが就任しましたが・・・。
　スピーチは予想通り、新鮮味に欠け感動を呼ぶようなものではありませんでした。
「国益最優先・米国第一主義」で一部の期待を煽る一方、排外主義的な発言で「分断と憎悪が広まる」と不安視される代物だった。
　
　
　「不動産王」の実績でいかに政治の舵取りをするか不透明であるが、世界の向かう方向は「パワーポリテクスの激突」であることは間違いなさそうだ。
　現在はキリスト教とイスラム教の一神教どうしの対立が先鋭化しており、トランプも徹底的に対応すると宣言している。
　しかし、イスラム教はテロで抵抗する程度のパワーでたいした問題ではない。
　問題なのは一神教のアメリカと、一神教的共産主義の中国が覇権争いをすることである。
　
　トランプのみならず習近平もその気だ。
　かりに両覇権国が戦争状態になった時には、人類は滅亡を覚悟しなければならない。
　その狭間で、多神教的宥和の国日本が存在価値を発揮することを期待したい。

　＜好奇心コーナー＞
　

　稀勢の里、涙の初優勝達成！まだ、今日の大一番があるよ。そこで真価が発揮できるか。キミの真価が問われる！

なるほど！と思う日々（４６５）北朝鮮・金正恩の変身！

　北朝鮮の首領、金正恩が変身した！
　韓国の大統領、朴槿恵が民衆から弾劾されて風前の灯であることを目の当たりにしたせいか？
　あるいは、アメリカの次期大統領、トランプに脅されたせいなのか？
　今まで外に対して、核爆発、ミサイル発射の威嚇策、民衆に対しての強硬、弾圧姿勢がころっと変わって、今までを反省し、民衆のために命を捧げるとまで言い出したのだ！　

　＜好奇心コーナー＞
　　
　アメリカ大統領就任を前にして、トランプの勢いに陰りが見えだした。従来の大統領と比べて好感度、最低！とマスコミから叩かれている。　　　　
　ご本人は反論してるけど。
　就任式には民主党の５０人が参加しないと言ってるし、反対勢力がデモをしかけるみたいだし・・・。
　不穏な幕開けとなるのか？

詩歌（１５）三鷹跨線橋のデート

　　ビル、ビル、ビル　高層ビル
　眼下を列車が走る、走る、走る
　キミと初めてのデート
　どう？　スバラシイだろわが街！

「身勝手な人類は自然界のガンよ！」
　キミの眉間にしわが寄り、口がゆがむ
　ＷＨＹ？　キミは何者？
　
　足はめっぽう速いし、しゃべりでわれわれを虜にする
　札束の竜巻まで起こす魔術師だ！
　
　それは人間の幻想よ！
　自らの行為に疑念を抱きだした証拠よ！
　我欲が自らを滅ぼすことを自覚しなきゃ！
　自滅に向かって走り出していることを・・・　　　　　　　　
　　ほら！　西を眺めてごらん！
　今まさに太陽が沈もうとしている。
　あの黒く見えるのは富士山よね！

　＜好奇心コーナー＞
　
　東京オリパラのイメージキャラクターは？
　既存のものですが、こんな感じで行きましょう！