「遅くとも2022年までに現在電力供給の23%を担っている原発から脱却する」
メルケル首相は「ドイツにとって大きな挑戦だが、未来への巨大なチャンスでもある」と述べ、効率的で環境にも優しい新エネルギー分野での先駆者を目指し、脱原発へ取り込む決意を改めて表明した。
はたして確たる裏付けはあるのだろうか?
「原子力から可能な限り早く脱却するのはドイツではすでに国民的合意だ。だから私たちも政治の決定を受け入れる」
産業連盟エネルギー・気候政策委員長、グリューネバルト氏は「ただ、産業界にとっては、安定的な電力供給と国際的な競争力を維持できるエネルギー価格は守らなければならない」と続ける。
「代替手段を17年までに作り上げるのは現実的に困難だ。脱原発と地球温暖化対策、そして再生可能エネルギーの促進、この3点を同時に追い求めることは、電気料金の上昇などにつながる恐れがあることを指摘。
新エネルギーを生産するための素材、鉄鋼やアルミニュームの製造には大量のエネルギーが必要となる。
もし高いエネルギー料金のためにこれらの産業がドイツ国内で成り立たなければ優位性も失われてしまう」 と懸念している。
ドイツのお隣り、美しき観光国オーストリアでは憲法に原発建設禁止が明記された。1200億円費やしたツベンテンドルヅ原発は国民投票で1%未満の差で「お蔵入り」となってる。
同国では約60%を水力、30%を火力、約6%は近隣諸国の原発による電力を輸入している。福島原発事故以来世論の高まりを受けて、自然エネルギーの開発を目指し、2015年までに原発による電力の輸入に全く頼らなくするとの目標を掲げた。また、原発を持たない他の欧州諸国に呼びかけて「反原子力会議」を発足させ、ポルトガル、ギリシャ、アイルランドなど11か国が5月25日ウイーンに集まり、欧州全体の脱原発をめざす<反原子力宣言>を採択した。
ウクライナを含む中・東欧7か国で稼働する原発は34基、多くが70~80年代に建設された旧ソ連型だ。こうした老朽原発が国境を挟んで数百キロに点在していることも、オーストリアを神経質にさせている。
この地域の原発の多くが活断層の近くに位置し、耐震の安全性が疑わしいとみられ、ほとんどが川沿いにあるところから、地震で上流のダムや堤防が決壊すれば、福島と同じ事態に陥る可能性があるとも言われている。
こうした旧共産圏の国の多くは今も、ロシアから冷戦時代のパイプライン網で天然ガスなどの供給をうぇている。一方でたびたび供給停止の憂き目にあっており、エネルギーの<脱ロシア化>に原発は欠かせないという事情がある。
チェルノブイリ事故を体験しながら、現在も15基が稼働するウクライナのアザロフ首相は「金持ちの国だけが、原発閉鎖の可能性を議論できる」と語った。
しかし、ドイツが原発からの脱却を目指すことを決意したのは、おそらく金持ちだからということではなく、<文明をリードする>国民という自負から発したことだろうと思っている。
このことについてはこれから触れていきたいと思っている。
メルケル首相は「ドイツにとって大きな挑戦だが、未来への巨大なチャンスでもある」と述べ、効率的で環境にも優しい新エネルギー分野での先駆者を目指し、脱原発へ取り込む決意を改めて表明した。
はたして確たる裏付けはあるのだろうか?
「原子力から可能な限り早く脱却するのはドイツではすでに国民的合意だ。だから私たちも政治の決定を受け入れる」
産業連盟エネルギー・気候政策委員長、グリューネバルト氏は「ただ、産業界にとっては、安定的な電力供給と国際的な競争力を維持できるエネルギー価格は守らなければならない」と続ける。
「代替手段を17年までに作り上げるのは現実的に困難だ。脱原発と地球温暖化対策、そして再生可能エネルギーの促進、この3点を同時に追い求めることは、電気料金の上昇などにつながる恐れがあることを指摘。
新エネルギーを生産するための素材、鉄鋼やアルミニュームの製造には大量のエネルギーが必要となる。
もし高いエネルギー料金のためにこれらの産業がドイツ国内で成り立たなければ優位性も失われてしまう」 と懸念している。
ドイツのお隣り、美しき観光国オーストリアでは憲法に原発建設禁止が明記された。1200億円費やしたツベンテンドルヅ原発は国民投票で1%未満の差で「お蔵入り」となってる。
同国では約60%を水力、30%を火力、約6%は近隣諸国の原発による電力を輸入している。福島原発事故以来世論の高まりを受けて、自然エネルギーの開発を目指し、2015年までに原発による電力の輸入に全く頼らなくするとの目標を掲げた。また、原発を持たない他の欧州諸国に呼びかけて「反原子力会議」を発足させ、ポルトガル、ギリシャ、アイルランドなど11か国が5月25日ウイーンに集まり、欧州全体の脱原発をめざす<反原子力宣言>を採択した。
ウクライナを含む中・東欧7か国で稼働する原発は34基、多くが70~80年代に建設された旧ソ連型だ。こうした老朽原発が国境を挟んで数百キロに点在していることも、オーストリアを神経質にさせている。
この地域の原発の多くが活断層の近くに位置し、耐震の安全性が疑わしいとみられ、ほとんどが川沿いにあるところから、地震で上流のダムや堤防が決壊すれば、福島と同じ事態に陥る可能性があるとも言われている。
こうした旧共産圏の国の多くは今も、ロシアから冷戦時代のパイプライン網で天然ガスなどの供給をうぇている。一方でたびたび供給停止の憂き目にあっており、エネルギーの<脱ロシア化>に原発は欠かせないという事情がある。
チェルノブイリ事故を体験しながら、現在も15基が稼働するウクライナのアザロフ首相は「金持ちの国だけが、原発閉鎖の可能性を議論できる」と語った。
しかし、ドイツが原発からの脱却を目指すことを決意したのは、おそらく金持ちだからということではなく、<文明をリードする>国民という自負から発したことだろうと思っている。
このことについてはこれから触れていきたいと思っている。