昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(149)しけた1年を洗い流す

2012-12-31 06:42:41 | エッセイ
 昨日、家内に命じられて風呂場を洗った。
 
 毎日シャワーする際に洗っているから必要ないだろう、と言ったが、ダメ!目地が黒ずんでいるからとひと言で却下されてしまった。
 省エネが叫ばれたこともあって我が家はこのところシャワーで済ませている。
 クサイ! と臭いにうるさい家内のせいで毎日風呂に入る。
 しかし、しがない年金生活では大量に使用する水がもったいないので、シャワーだけになってしまった。

 もう、10年以上前になるが、働いている頃は家庭のことは子育ても含めてすべて家内にまかせっきりの仕事人間で、自由気ままなところも許されていた。
 ところが退社して稼がないヒトになると攻守所を代えて攻められる一方になった。
 家の中の濡れ落ち葉になることを怖れた家内から外へ放り出された。
 同窓会活動から小学校のボランティア活動など地域活動に参加することになったのだ。
 先日も「奥さんがすばらしい。それがあなたのためによかったのよ!」と地域活動の女性陣から言われてしまった。

 昨日も家内に命じられて、スーパーへ煮物用の鶏肉とレンコンを買いに行った。
 レジの前は年末の買い物客で長蛇の列になっている。
 
 特に、ぼくの前のおばさんがすごい量でなかなか処理が終わらない。
 大量の野菜、魚、肉、それぞれをラップに包んでいるから時間がかかる。でかいタラバガニなどはご丁寧にも紙袋に入れている。
 サポートの係りもやってきた。締めて3万8千円也!
 さすが気にしたおばさんはぼくに「スイマセンネ」とひと言残して行った。
 ぼくのなんか、あっという間に終わって、1千円でおつりがきた。

 目地を洗い終え、久しぶりで浴槽につかりながら、そんな<しけた>1年を思い出していた。 
 

詩歌(8)おじいさんとワンちゃん

2012-12-27 06:21:58 | 詩歌
 <おじいさんとワンちゃん>

 おじいさんのワンちゃん
 優しいんだ
 知らない人に触られても怒らない
 バーベキューに参加して、人が盛り上がっていてもじっと見ているだけ
 楽しいのかな?

 自転車に乗せられて帰って行った
 でも、夜は寂しいんだ
 深夜、ウオーッと野生が吠える
 目覚めたおじいさんが水を飲ます
 落ち着いたワンちゃんは静かに眠る
 

 癒し癒され
 今はやりの老々介護だ

三鷹通信(65)年忘れの会

2012-12-17 06:11:11 | 三鷹通信
 昨日は地域で活躍するグループと大学の同窓会の忘年会が重なった。
 地域の方は今年の最後を締めくくる雑談会の方だけ参加した。
 三鷹を活性化するには、先ず駅前の商店街を何とかしなければ、例えば太宰治や山本有三などゆかりの文化人とか、ジブリのキャラクターを活用しなければという話から、おりからの総選挙がらみで、岐路に立っている日本、そして世界の政治はいかにあるべきかまで話は広がった。 
 結局<力>を奉じる男性社会から<和>を尊ぶ日本的な社会、つまり女性が引っ張る方が望ましいという結論になる。
 
 続いて参加した大学同窓会の<年忘れの会>、同窓会初の女性会長の挨拶から始まった。
 今年の目玉は、慶応義塾大学のライトミュージックソサイエティの演奏だ。
 日本で最も長い、60年の歴史を持つビッグバンドサークルだ。 
 世界に誇るクラリネット奏者、北村英治、元カシオペアの神保彰、ルパン三世のテーマを作曲した大野雄二などを排出している。

 今回は70歳から現役大学生奏者まで幅広くセレクトされたスターライトオーケストラで14人で編成され、ベテラン司会者付きだ。

 そしてなんと、ジャズバンドには珍しい女性が含まれていた。
 ピアノとトロンボーン奏者、2人も!
 迫力ある音量ながら、音色は優しく心に沁みわたる。
 グレンミラーの真珠の首飾りから始まって、A列車で行こう、星条旗よ永遠なれ、煙が目に沁みるなど、ジャズのスタンダードナンバーが繰り広げられた。
 

 演奏を楽しんだ後は、長老の音頭で乾杯、美味しい酒とお料理と歓談を楽しむ。
 そして恒例の空くじなしの福引。
 そして最後は<若き血>や<丘の上>などの応援歌を斉唱して締め括った。
 
 


 
 
 

三鷹通信(64)イヌとヒト

2012-12-14 10:35:20 | 三鷹通信

 昨日は久しぶりにFサロンに参加した。
 テーマは<ヒトと犬>
 作家の江国香織さんでなくても、「どうしてこんなに人間を無警戒に、従順に信じることができるのだろう?」と思ってしまう犬についてのお話だ。
 人間と犬の関係について、柴犬「ハラスのいた日々」で有名な中野孝次氏は書いている。
 
「犬なんてみな同じようなものだと、前は思っていたいたが、あとになってみればその犬以外の犬ではダメだという、かけがえのない犬になっているのだから」
 二葉亭四迷が書いた小説<平凡>に出てくるポチの話は、読む読者だれをもほろっとさせるが、あそこに二葉亭四迷が書いた気持ちこそ、あらゆる愛犬家にとっての犬の姿なのだと、飼ってみてからわかった。
「そのやっぱり犬に違いないポチが、私に対(むか)ふと・・・犬でなくなる。それとも私が人間でなくなるのか?・・・ 何方(どっち)だか其れは分からんが、兎に角互いの熱情熱愛に、人畜の差別を撥無して、渾然として一如となる」
 そういう存在になるのである。

「犬を連れて散歩すると、犬同士でなく飼い主も仲良くなること請け合いである」とF先生もおっしゃっている。
 犬には流行がある。白のスピッツから始まって、テレビ番組やCMの影響から、名犬ラッシーのコリー、名犬リンチンチンのジャーマンシェパード、アイフルのチワワから今はソフトバンクの北海道犬が人気を博している。
 
 
 
 

 今では犬の大部分が屋内で飼われていて、小型犬が人気で手乗りのチワワなんてのも出てきている。
「すぐに貴方の犬を小型化します」なんて商売もあるそうだ。
 
 そもそも犬の祖先・プロトドッグが、狩りを共にしてヒトとの社会で特別の地位を与えられたのは数万年前のことだという。その後は例えば、牧羊、ウサギ狩り、あるいは盲導犬などの目的を果たすように淘汰が行われた。
 昨今は犬は働くことよりは専らペットとして飼われている。
 今や、エリマキで有名な
銀狐がペット化されている。
 尾を振り、ヒトに抱かれ、ついて歩き、なめたりする銀狐を、40年で完全ペット化に成功したという。
 
 しかし、いくつかの問題点もある。
 牧畜を主として来た西洋人は動物の取り扱いが上手でヒトに好ましいイヌを作り上げてきた。
 犬種の規格を勝手に決めて、ドッグショーをやったり、血統書を発行したりして商売にしている。

 許せないのは彼らが力まかせに日本犬までに手を伸ばしていることだ。
 
 柴犬と並んで秋田犬が海外でも人気があるが、秋田犬とマスチーフを掛け合わせて<アキータ>という新種を生み出し、れっきとした登録犬になっている。
 あごが張ってバタくさくて。これが秋田犬?
 正統秋田犬が、偽物扱いされかねない。
 何でも国際化すればいいというものではない。
 

なるほど!と思う日々(233)北朝鮮ミサイル発射強行

2012-12-13 04:54:36 | なるほどと思う日々
 「突然の発射強行、虚を突かれた国際社会! 韓国、アメリカの情報力に”穴”!」
 
 29日まで発射が延期されるという北朝鮮の声明を真に受けて、「少なくとも今週中に発射はない」とか、「米中の説得に応じて中止もあり得る」などという憶測も飛ぶ中、まさに当初からの予定通りという12日、発射は強行された。

 まさに、<敵はさる者ひっかくもの>である。
 時あたかも韓国の次期大統領を決める時、日本の総選挙に照準を当ててきた? なんて訳知り顔に解説する評論家もいたが、そんなタイミングではなかった。
 つまり今年、2012年は彼らにとって<強盛大国の大きな扉を開く>年なのだ。
 
 絶対、今年中に成し遂げなくてはならない事業だったのだ。
 親子三代で支えてきた<積年の思い>を成し遂げることこそすべてだったのだ。

 たまたま次期韓国大統領の有力候補、朴槿惠に関わる金正日とのエピソードがあるので紹介しよう。

 韓国大統領・金大中との史上初の南北首脳会談から二か月後の2000年8月12日、訪朝した韓国マスコミ各社の社長団との昼食会で、金正日は「<映像実録>という番組がありますね。朴正煕大統領の分がないので、見たいんですが」と切り出し、さらに、「朴大統領の評価は後世が行うべきです。あの時代、あの環境では維新であれ何であれ、ああするしかなかった。いわゆる民主化も、無政府的な民主化になってはよくありません」と発言した。
 北朝鮮は朴正煕を公式には常に<民族の裏切り者>と非難し、1968年には青瓦台にゲリラを送り込み暗殺まで企てた。その朴正煕を突然たたえたのだ。・・・
 
 金正日はこの後、朴正煕の長女の国会議員・朴槿惠を北京から平壌までチャーター機を提供するなど、異例の待遇で迎えた。
 
 夕食会でも朴政権時代の経済発展を改めて高く評価。青瓦台襲撃事件を謝罪し、「韓国を訪問することになったら、必ず朴大統領の墓地を訪れます。それが礼儀です」とまで述べた。・・・
 父から引き継いだ独裁体制を維持しながら、壊滅的な経済状態から脱出しようと図る金正日にとって、権威主義的な政治で韓国の経済成長を成し遂げた朴正煕の姿は、魅力的に映るのだろう。
(読売新聞2004.2.18より)


 あまり、子どもたちに語りたくないが、小国リーダーの強かな現実の姿である。

 

エッセイ(148)久々の銀座

2012-12-09 05:26:47 | エッセイ
 久々に銀座に出かけた。
 このところ成績が芳しくなく、遠慮していたのだが、銀座の麻雀会の幹事から「ひとり足りないんです。ご参加願います」と言われたのだ。
 いつも降りる地下鉄の新橋駅に着いたときはまだ時間が一時間以上あったので、銀座まで足を伸ばしてみる気になった。
 快晴で、そんなに寒くもなく、歩行者天国で絶好の銀ブラだ。
 

 外人がけっこう多い。
 
 子ども連れの外人なんている。
 ウイーンのグラーベン通りを思い出した。
 ユルブリンナーのようなツルツル頭の男が自分より背の高い女に従うように歩いている。
 尖閣問題などの影響で途絶えていた中国人も戻ってきているようだ。
 中国語で何かしゃべりながら数人の男たちが、天ぷらの<天國>の看板にカメラを向けている。
 
 松坂屋に入ったら、家電製品売り場があった。
「ここは、家電製品とか、カメラなんかも置いているんですね? 最近のデパートには珍しいですね。やはり中国の観光客向けですか?」
 中国の観光客に人気の電気ガマや髭剃り、カメラが並んでいる。
「・・・? 日本のお客さまも多いですけど・・・」
「ブログに載せたいので写真撮らしてもらっていいですか?」
「それはちょっと・・・」
 うさんくさいオヤジと思われたようで断られてしまった。

 裏通りも歩いてみた。
「おっ! すごい看板の数・・・」
 
 その昔、現役のころ、この中の一つ<亜木>という会員制のクラブに通ったことがある。
 もちろん、社用でだ。
 ママは木下順二の舞台<夕鶴>に出たことがあるという上品な美人だった。
 まだ早い時間にドアを開けると、カウンターに座ってイケメンのKくんと大好きなビールを飲んでいた。
「あら、いらっしゃい。・・・そうなのよ閑古鳥が鳴いているの・・・」
 しばらくすると、若いホステスが次々とやってくる。
 みんな素人っぽい。
 劇団で修業しながら、夜はアルバイトでここで稼いでいるのだ。
「今度渋谷のジャンジャンに出るの。きっと来てよ!」とチケットを買わされたりした。

 そんな思い出に浸りながら久しぶりの麻雀に挑み、32名中3位に入賞した。
 
 帰りの銀座はひところの省エネ云々は忘れたかのように<光の道>で輝いていた。
 
 

 
 

エッセイ(147)海流の旅人

2012-12-07 06:32:12 | エッセイ
 メル友、林 檸檬さんがエッセイ集<海流の旅人>をフーガブックスから出版された。
 
 メル友と言ってもぼくの親友、心臓外科医の奥さまだ。

 このご夫妻からぼくは少なからず影響を受けている。
 この本の言葉を借りれば「退屈な人生は送らせない」というプロポーズを吐いて彼女と結婚した旦那は、じっとしていれば死んでしまう回遊魚だった。
 彼とは大学の近くの川崎の下宿でいっしょになった時からの付き合いだが、金沢というのんびりとした地方から出てきたぼくにとって彼の存在は衝撃的だった。
 ともすれば下宿でじっとしているタイプのぼくは、食べ歩きと称して、渋谷とか新宿、目黒、時には横浜まで引きづり回された。
 社会人になってからも、彼は下宿の仲間を束ね、ゴルフとか食事会を夫婦連れで毎年、何十年と継続して仕切ってきた。

 彼が米国に留学して帰国してから宇都宮に新居を建築、招かれて訪問したとき、ぼくは奥さんからも衝撃を受けた。
 玄関先に大きな稲穂がで~んと活けられていた。
 
 (これは現物ではないが・・・)
 それがなんとビーズで出来ていると知った時はびっくり。
 米国滞在中に奥さんが習得した技術による作品だったのだ。
 
 それと、供された食事がすばらしかった。 味が素晴らしいのはもとより、その手際にぼくは痛く感銘させられた。次々と手作りの珍味、・・・さすが酒好き・・・が出てくる。
 たまには、病院の看護婦さんとかも呼んでカレーパーティを開いていたとか。
 あの宇宙飛行士の向井千秋さんがまだ研修医のころ、ともに食事をさせていただいたこともある。

 その後、彼女のエッセイが連載されていたfoogaという大判の月刊誌が送られてきて、物を書くという共通の趣味を通して彼女とメル友になった。
 「ペンネームの檸檬という難しい漢字は、爽やかなエッセイの内容にそぐわない」といちゃもんをつけると、「文章が構築的で、形と物と色が一つにまとまって立体的に迫ってくる梶井基次郎の<檸檬>に影響されたんです」
 ぼくが好きなレイモンドチャンドラーの<長いお別れ>の一場面を紹介したら「きゃーっと、年甲斐もなく黄色い声を張り上げてしまいました。私の最も好きなフレーズなんです・・・」と返していただいたり、ともかく彼女は未だ女学生なんだ。もう70歳近くになるはずなのに・・・。
 
 彼女のキーワードは、ビーズ、書く、お酒、旅でしょうか。
 そんな彼女の魅力が<海流の旅人>に満載されています。
 (一部、マイブログ、2011年、10月6日のエッセイ(94)にも載せましたのでご覧ください。)
 
 作家、内海隆一郎氏が、<海流の旅人>の巻末に「ともかく書き続けてください」と書いていますが、これからも回流魚の旦那の背中に乗って、あちこちへと泳ぎ回ってください。
 
 
 そしてたまには旦那とギムレットを一杯!


なるほど!と思う日々(232)脚フェチ

2012-12-05 05:35:31 | なるほどと思う日々
 先日NHKのスタジオパークに朝ドラ<純と愛>に出演している吉田洋さんが出演した。
 純の鬼上司で、クールビューティとして注目を浴びている。
 収録現場で気を使ってくれる舘ひろしさんのことを語っていた。
 

「キミ、座れよ」彼は椅子の半分を空けてくれ、一緒に座った。
「なんで、いつもそんな白いタイツ付けているの?」
「冷えるもんですから・・・」
「脱いで、脚見せてよ! ぼく脚フェチなんだ」

 そういえば、周防監督も脚フェチだって、奥さんの草刈民代さんが言っていた。
 <Shall we ダンス>で彼女の脚に惚れて結婚したんだ。
  

 美脚と言えば長澤まさみさんかな?
 
 映画<奇跡>で、是政監督は先生役の彼女の脚のことを生徒に言わせている。
「見ろよ! なま脚だぜ!」

 歌壇随一の辛口歌人、島田修三氏はこんな歌を書いている。

 たまはりし性に居直る娘らの腿 十数本が路上にころがる


 大学の休み時間の風景だろう。
 
 天から授かった女という性に居直る女子学生たちのくつろいだ姿態の描写だ。

 今流行のAKB48だって、SKDのラインダンスだって、もっと昔のフレンチカンカンだって、女の脚が売り物だ。
 
 
 
 こんなことを書いているぼくも<脚フェチ>か?
 
  

三鷹通信(63)親と子の初心者囲碁教室

2012-12-02 04:44:43 | 三鷹通信
 小学校の囲碁教室に一年ぶりでプロ棋士をお迎えして「親と子の初心者囲碁教室」が開かれた。
 
 今年は三鷹にお住まいだったという縁でお迎えしたのは安藤和繁四段。
 なんと、昨年お迎えした中島美絵子二段のご主人だ。
 (参:三鷹通信46)
 
 バスを一台逃して、受付時間を15分過ぎて会場に着いたら、主宰者のAさん、先輩のHさん、それに校長先生が身構えていらっしゃったが、なんとなく盛り上がりに欠けている。
 参加者が続々現れるという雰囲気ではない。
 昨年も、十分前になっても参加者が4~5人しか現れず心配したが、開始時間になって続々と現れたので、今年もそんな感じかなと思っていた。

「まだ先生がお見えになっていないんですよ!」
 Aさんが心配そうに言った。
 そういえば昨年、中島先生は30分前にはお見えになっていた。
 開始5分前になっても現れない。
「あの人かな?」
 Aさんは校門の前の道路を渡ろうとしている男の人に目を付けて出て行った。
「違いました。それにしても参ったな。ぼくのチョンボだ。相手の携帯番号も確認していなかった」
 Aさんは日本棋院に電話してみるが繋がらない。校長先生に頼んでインターネットで調べ出した。
 その間、子どもたちが2人、3人と現れたが、こちらもはかばかしくない。
 さて、先生が現れない場合参加者にどう対応したらいいか、と思い出した時、背の高い若い男性があたふたと現れた。
「スイマセン。道に迷っちゃって・・・」

 ・・・よかった、最悪の事態は免れた・・・
 先生を伴って教室に入ると、すでに参加者がたくさん、30人近いだろうか、入っている。
「ともかくホッとしました」
 出迎えてくれたスマイルクラブ代表のYさんと会話を交わす。
「スイマセン、道に迷っちゃって遅刻しちゃいました」
 安藤先生は頭をかきかき挨拶した。
(三鷹市出身だと思っていたが、武蔵野市なんだそうだ。三鷹の道には詳しくないのだ)

 でも、長身、すらーとしたイケメンだ。
 生徒たちもお母さんたちも、いいのよ! 許しちゃう!って顔をしている。

 安藤先生は、ちょっとあたふたしながらも、爽やかに初心者の多い相手に分かりやすく講義し、個々に指導して回った。
   
 
 予定の二時間はあっという間に過ぎ去った。
 最後は日本棋院の名入りボールペンを、子どもたちもお母さん、お父さんも、先生から手渡され、にこにこと帰って行った。
 少しは囲碁ファンの裾野を広げるお役に立ったかな?
 
 先生を囲んで、昼食を共にしながら、ぼくの後輩の息子さんが日本アマ選手権に準優勝して、期待の院生として活躍していること、4年生で我々に石を置いていた子が、今や我々が石を置いてもかなわない、6年生にして院生として活躍している子の話などで盛り上がる。
 それにしても、前回の中島美絵子先生は美人だったが、こんなイケメンを選ぶんだな? と安藤和繁先生の顔をつくずくと眺めた。
「これから子どもの世話です」と言って帰って行かれたが、すでに3歳の双子のお父さんであり、三人目も予定されているという。
 ご夫婦そろってのさらなるご活躍を期待したい。

  
   
 

エッセイ(146)文明の進化路線に逆らえるか(44)党首討論

2012-12-01 06:20:16 | エッセイ
 <落語談義⑦>

 熊さん:党首討論をやってましたね。でも党首が
     多すぎて討論にならなかったですね。
  
 ご隠居:いや、昨日は傾聴に値する議論もあった
     よ。
 熊さん:でも、原発に関してはみんな脱原発みた
     いだし・・・。
     
 ご隠居:いや、いや、少なくとも自民党、維新の
     会、国民新党は原発に未練があると見た
     な。どこかで自見国民新党代表が言って
     いたが、「日本の技術力をもってすれば
     原発のリスクは防げる」と。
 熊さん:ムリでしょう。日本の危険な自然環境の
     下では。
 ご隠居:ところがアメリカ、フランスを始め、お
     隣の中国や韓国、世界の大半は原発維持
     なんだ。止めると言うのは簡単なんだけ
     ど、途端に原発関連の優秀な技術者が
     国外に流出して、廃炉や核廃棄物処理に
     影響を来すし、何よりエネルギー問題で
     経済が弱体化するのが問題なんだ。
 熊さん:しかし、ドイツが脱原発を決断したとい
     うことは何らかの目途が立っているから
     でしょう。
 ご隠居:ところがそうでもないらしいんだ。
     このところ電気料金が上昇して、国内
     企業が国外への移転を検討しているら
     しいぜ。・・まだ再生可能エネルギー
     の目途が立っていないんだ。
 熊さん:大地の党では、ロシアから安い天然ガ
     スを引っぱってくればエネルギー問題
     は解決するって言ってましたぜ?
 ご隠居:それもおかしいんだよな。アメリカの
     言いなりになるおそれがあるから
     TPPに絶対反対なんて言っていて、
     ロシアに肩入れして首根っこ押さえ
     られたらどうするんだい?
     同じじゃないか。
 熊さん:エネルギー資源のない日本はむずか
     しい立場なんだ。
 ご隠居:石原氏の尖閣責任問題は面白かったね。
 熊さん:中国との関係が悪くなって、経済にも
     悪影響が出たことのきっかけを作った
     責任があるんじゃないかというわけで
     すね?
 
 ご隠居:実効支配している所に波風を立てたと
     批判されたんだが、彼はそこに灯台を
     立てた経緯を説明し、さらに漁業者の
     ために船溜まりを造ろうと意図した
     というわけだ。だから当然のことをし
     ただけなのに中国がいちゃもんをつけ    
     てきて、兵力で奪い返すと言っている
     方が問題だ。と言って返す刀でお前ら
     マスコミにも責任があると言い放った。
 熊さん:でも、このまま日中関係が修復しない
     と経済的にも大変ですよね。
     かと言って、軍備を増強して対抗する
     わけにもいかないし・・・。
 ご隠居:社民党や共産党が自民党の安倍総裁の
     国防軍発言を問題にしていたね。
     平和憲法を改正意図していることもあ
     って・・・。
 熊さん:社民党の福島さんじゃないですけど、
     イラク戦争で自衛隊が死なないですん
     だのも平和憲法のおかげじゃないんで
     すか?
 ご隠居:たしかに今まではそうだった。
     それを可能にしたのはアメリカ軍の
     庇護のもと、経済力の力をつけ、そ
     のおかげで、日本は他国から敬意を
     受けてきたのだ。
     ところが、覇権国家の様相を帯びて
     きた中国の台頭とともに、日本の
     経済力も落ちてきた。
     いつまでも他人のふんどしでのうの
     うとしているわけにいかなくなった。
     いざ、米中激突となったら、わが身
     だけは死なないようにというわけに
     はいかない。
 熊さん:平和主義を捨てていいんですかい?
 ご隠居:平和主義を貫くんだったら、
     「事を解決するにあたって、武力は
     絶対使いません」という二国間協定
     を締結できるかな? 
 熊さん:う~ん。
     日本より強力な武力を持っている国
     はどこも応じないかも・・・。