10.地中海の旭日
スペインの朝は遅い。
7時でもまだ真っ暗。8時に出発。
今日はグラナダまで511キロをバスで行く。
東京から京都までの距離だ。
・・・さあ、覚悟を決めて出発だ。・・・
左手、地中海から強烈な朝日が昇ってきた。
・・・16世紀後半、コロンブスの新大陸発見をきっかけに、スペインは大航海時代を迎え、南米を蹂躙、さらにポルトガルを併合、その植民地も得て<太陽の沈まぬ帝国>となった。・・・
右手に所々現れる要塞は第二次英仏百年戦争時代のものだという。
・・・1588年、アルマダ海戦で無敵艦隊がイングランド海軍に敗北すると、スペインは徐々に獲得した利権を手放すことになる。
17世紀終盤から19世紀初頭にかけて、ヨーロッパは国境紛争と王位継承にからむ戦争で乱れる。
そしてスペインもその争いに巻き込まれ衰退していった。
要塞はその頃のものだろうか?・・・
写真を撮ろうとしたら、電池表示線が一本欠けている。
「バカね、予備に私のも持ってくればよかった・・・」ウチのに言われる。
・・・しばらくは大丈夫だ。そのうちインスタントカメラでも買おう・・・
途中のサービスエリアでトイレから出てくると、揃いのユニフォームを着た若い男の集団がぞろぞろとバスから降りてきた。
なかなかのイケメンぞろいだ。
「どこから来たの?」と聞くとブルガリアのサッカーチームだと言う。
突然、ウチのバスからキャーッと嬌声が上がる。
グループで一番若いギャル三人組だ。
窓から身を乗り出して手を振っている。
イケメンならどこの国でもいいんだ・・・。
幼年期、国粋主義の昭和時代に育ったわが身の偏狭さを痛感させられた。
─続く─
スペインの朝は遅い。
7時でもまだ真っ暗。8時に出発。
今日はグラナダまで511キロをバスで行く。
東京から京都までの距離だ。
・・・さあ、覚悟を決めて出発だ。・・・
左手、地中海から強烈な朝日が昇ってきた。
・・・16世紀後半、コロンブスの新大陸発見をきっかけに、スペインは大航海時代を迎え、南米を蹂躙、さらにポルトガルを併合、その植民地も得て<太陽の沈まぬ帝国>となった。・・・
右手に所々現れる要塞は第二次英仏百年戦争時代のものだという。
・・・1588年、アルマダ海戦で無敵艦隊がイングランド海軍に敗北すると、スペインは徐々に獲得した利権を手放すことになる。
17世紀終盤から19世紀初頭にかけて、ヨーロッパは国境紛争と王位継承にからむ戦争で乱れる。
そしてスペインもその争いに巻き込まれ衰退していった。
要塞はその頃のものだろうか?・・・
写真を撮ろうとしたら、電池表示線が一本欠けている。
「バカね、予備に私のも持ってくればよかった・・・」ウチのに言われる。
・・・しばらくは大丈夫だ。そのうちインスタントカメラでも買おう・・・
途中のサービスエリアでトイレから出てくると、揃いのユニフォームを着た若い男の集団がぞろぞろとバスから降りてきた。
なかなかのイケメンぞろいだ。
「どこから来たの?」と聞くとブルガリアのサッカーチームだと言う。
突然、ウチのバスからキャーッと嬌声が上がる。
グループで一番若いギャル三人組だ。
窓から身を乗り出して手を振っている。
イケメンならどこの国でもいいんだ・・・。
幼年期、国粋主義の昭和時代に育ったわが身の偏狭さを痛感させられた。
─続く─