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そんな時、映画<終戦のエンペラー>を観た。
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戦争犯罪人を摘発する中で、天皇を最高責任者として裁けるか否かについて、彼は部下であるフェラーズに調査を命ずる。
史実に基づいて簡明にまとめられている一方、国と国をつなぐ力となるのは個人の<心>であることを浮き彫りにしている作品だ。
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そして最終的にはマッカーサー自身が直接天皇と会見して決断する。
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史実の中に、この調査にあたったフェラーズと聡明で凛とした日本人女性アヤとの恋物語というフィクションを挿入することで、この作品はドラマとしての深みを増している。
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一人は<菊と刀>を書いたアメリカの女性文化人類学者ベネディクトさん。
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「天皇が自らラジオの前に立ち、国民に詔勅を告げられると聞き、両目に涙があふれました。・・・敗戦にあたり、あのような気品と高潔さを示した国はなかった」
(敗戦の日、助手の日系人ロバート・ハシマさんに送ったベネディクトの手紙)
もう一人は韓国女性の日本評論家、呉善花さん。
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「韓国の伝統文化に最も欠けているのが無形文化である。・・・李氏朝鮮以来、文化を担うものは、存在感のはっきりとした、目に見える物質・肉体・権力、それ以外にはなかった。物質としての形があってこその文化であり、精神性はあくまでそれに付随する二次的なものでしかなかった。日本では、物質や肉体はあくまで精神を宿らせる、仮の存在とみなされているようだ。たとえば、あの弱々しい天皇がなぜ日本の象徴なのだろうかと、韓国にいる間はずっと疑問に思っていた。それが、目に見える存在としての天皇ではなく、日本人の精神文化に深く根ざしたところに由来をもつ、ある精神性の象徴としての天皇だと知ったのは驚きだった」
(呉善花<スカートの風>より)