昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

言葉(20)生きることとは(2)

2014-11-30 03:59:24 | 言葉
 車谷長吉<赤目四十八瀧心中未遂>について、田辺聖子氏がまさに的確な評をしているので紹介する。

 
 この世のどん底で生きている人間とサシで向き合ったとき、インテリの体裁は失われ、裸の自分をさらす、しかない。人々の膏血の沁みた切実なコトバに対し、インテリの飾りコトバはこてんぱんにやられる。
 

 文弱の徒である主人公の青年のたたずまいがユーモラスである。
 
 その間もおどろおどろしい緊張感が低音部にひびいており、物語は一挙に終局に向かう。小説を読む楽しさを満喫させてくれる佳作である。
 暗いようでいて、仄明るく、読後、さわやかな余韻を与えられ、生への活力を感じ取れる。 文章に気骨と品位があった。どうしようもない生まれのよさ、といいたくなるような文章の品だった。


 このところ高視聴率を誇っていた朝ドラ<マッサン>が低迷しているらしい。
 なるほど!と思う日々(314)でボクも述べているが、煮え切らないマッサンに視聴者がイライラしているのだ。
 

 作家で五感生活研究所代表の山下氏が分析している。
 ウヰスキーづくりを目指しているはずのマッサンがろくに働かない。
 昼まで家でぐだぐだ。
 
 家賃は払わず滞納、ご都合主義で突然、小説家になるとか、パン屋になるとか言い出す。煮え切らない主人公に幻滅。
 ストーリーの展開の遅さにもイライラする。

 う~ん。まるっきしボクじゃないか。

言葉(19)生きることとは(1)

2014-11-29 04:05:21 | 言葉
 直木賞受賞作、車谷長吉<赤目四十八瀧心中未遂>
 
 まず、その一節から。

 手書き地図を見て、東難波町の伊賀屋へ行った。どこにでもある焼き鳥屋である。
 
 店内の片側に大きな鏡がはり付けてあって、人気のない奥からは、肉汁の腐ったような臭いが漂ってくる。二月の連休二日目の午後だった。足もとから冷気が立ち上がって来るに従って、全身の血が下へ流失して行くような不安が、私を緊張させていた。出てきたのは、髪の薄い、六十前の女だった。私が来意を告げると、苦い目で、「あんたかいな。」と言うて、私の人品骨柄を見た。そして自分は腰を降ろしたが、私には座れとも言わない。こういう店一軒を営んで行くにも、それが銭に関わる限り、仏心だけではやって行けないのは、他の商いと何変わることはない筈だ。女はマッチの軸木で卓子の上の灰皿を引き寄せたあと、たばこに火をつけた。

 働いて生きて来た皺だらけの手である。
 
 
「蟹田はんの話では、あんた、大学出なんやとな。」
「・・・」
「ほれも、ええ大学出とうという話やないか。」
「はあ。」
「はあやないやろッ。バチ当たりが。」

 どこへ行っても、まず大概はこの話からはじまるのだ。が、面と向かって、私のことをこうまではっきり「バチ当たり。」と言ったのはこの女が初めてである。
「ま、ま、ええ、チンケに負ける豚もある。」

 私にはこの女の怒りが何であるかよくわかっていた。さぞや魂の抜けた腑抜けに見えるのだろう。「世間の人はみな、銭がつかみとうて血まなこになっとんのに、あんた、可哀そうに。」と言いたいのだ。

 ─続く─ 


 今年、ウチのベランダで採れた唯一のレモン。
 
 いつもは3個ぐらい採れるのに。
 

言葉(18)未熟な男と成熟した女

2014-11-28 03:45:58 | 言葉
 今年29歳になる息子が東京で一人暮らししている。
 久しぶりに電話してみると、「夕食にラーメン作っているところだ」との返事。
 
 少し可哀想になって「一人でラーメン作ってないで早く結婚したら」と言うと「結婚したらラーメン二つ作らんといかんがな」

 あのきんさん、ぎんさんがコマーシャル出演料金の大半を福祉に寄付して残ったのが百万円。
 
 で、それをどう使うか。
「それはね・・・老後のため」と106歳のきんさん。

 あれ? かぐや姫か?
 
 よく見ると猫ちゃんでした。
 
 (ツイッターから)

 

なるほど!と思う日々(314)人生は冒険

2014-11-27 04:07:18 | なるほどと思う日々
 好評の朝ドラ<マッサン>は、ニッカウヰスキーの創業者夫妻をモデルにしている。
 
 北海道、余市には当時彼らが住んでいた建物に竹鶴政孝氏がスコットランドから来た妻リタさんに宛てた愛の手紙も残っている。
 
 

 しかし、このところドラマがつまらない。
 主人公のマッサンが優柔不断でなかなかウヰスキーづくりに着手しない。
 イライラしちゃう。
 そこを補っているのが今回奥さん役エリーに抜擢したシャーロットさんの頑張りだ。

 日本国内外500名から選ばれたのは、アメリカで10年ほど女優経験があるとはいえ、日本語もしゃべれない外国人だった。
 
 監督はそのキュートな表情と演技力に賭けたのだ。
 
 
 週40時間もの日本語の特訓を受けて番組はスタート。
 
 

 エリーは頑張りました!
 
 
 

 それでも大変だよね。
 
 彼女の頑張りに周りのみんなも絶賛!
 

 
 まさに「人生は冒険!」だよね。
 優柔不断ののんきな父さんであるボクもガンバリマス! 
 

三鷹通信(102)三鷹三田会ニュース(囲碁)

2014-11-25 05:36:35 | 三鷹通信
 <三鷹三田会メンバーに関する特別ニュース>
 横塚克明さん(S55経)から。
「息子の横塚力がこの度囲碁のプロ試験に合格しました」

 お父さんから3歳の時囲碁の手ほどきをうけた力くんは、めきめき上達し、高校3年生の一昨年には<朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会>で準優勝しています。
 
 
 (写真右側が力くんです)
 これからはプロとして名人戦やNHK杯など、新聞やテレビで活躍することになるかもしれません。
 応援しましょう。

 成島真さん(S36商)から。
「11/22、いい夫婦の日、日本棋院にて90周年記念メインイベントととして、夫婦棋士トーナメント戦が行われ、林 漢傑7段、鈴木歩6段ご夫妻が優勝しました」
 

 成島さんは日本棋院のサポーターとして活躍されていて、今回この大会開催に中心的な役割を果たされました。
 
 
 
「来年は三鷹中心に囲碁イベントを企画し、棋院からの棋士の派遣依頼等、努力したいと思っています」とおっしゃっています。
 期待しましょう。 

エッセイ(231)奥さま映画デビュー

2014-11-23 04:00:55 | エッセイ
 同窓会の新入会員歓迎会で、たまたまボクの隣に座った方が映画デビューをするというので、新宿の武蔵野館へ出かけた。
 

 監督は高良健吾、吉高由里子主演の青春ドラマ「横道与之介」が絶賛された沖田修一。
 オリジナル脚本を手がけた待望の新作である。
「40歳以上の女性・経験を問わず」という条件でオーデションし、7人の女性たちをキャスティングした<スター>のいない映画だ。

 7人のオバサンたちは間抜けでドジな中年男のガイドで、滝を見に行くバスツアーに出かける。
 冒頭、早速お目当ての<クワマン>役、桐原三枝さんが画面に。

 
 バスガイドの説明なんか無視して、お隣のオバサンと病気の話で盛り上がっている。
 さて山道を先導していた間抜けガイドが道を間違えたらしい。
「すぐ戻る」と言い残して立ち去り、なかなか戻ってこない。
「あのバカが! 戻ってきたら蹴飛ばしてやる」とクワマン。

 一行は<ガイド捜索組>と<居残り組>に分かれて行動。
 そこで自然と繰り広げられるオバサンたちのお互いの身の上話や行動が面白い。
 <クワマン>は腰を痛めてみんなに迷惑をかける。
 結局、取り残されたオバサンたちは山の中で夜を明かすことになる。
 期待したヘリコプターの捜索隊も現れない。
 
 でもオバサンたちはたくましい。
 山を下りる前に、水音を頼りに「滝を見に行こう!」と登りだす。
 <クワマン>の腰痛も直ったようだ。
 そして幻の滝に遭遇!
 すばらしい!

 そして何とそこにみんなのお弁当を持ってあたふたと近づいてくる間抜けガイド。
 <クワマン>は男を蹴飛ばした。

 男同志では考えられないオバサンたちの会話や行動がこの映画の魅力だね。
 <政治>も<宗教>も<理念>もない。
 地に足が着いた日常の会話であり行動だ。
 先日の三鷹通信(101)で書いたが、I名誉教授の<生物の進化について>を思い出した。
 男が狩りに出た後、洞窟で過ごした女性たちのことを。
 こういう地に足の着いた女性たちのおかげで文化が栄えるのだと・・・。
 
 映画が観客の拍手で終わった後、出演者の舞台挨拶があった。

 
 これがまたよかったね。
 個々の出演者のこぼれ話だとか。
 観客との掛け合いもあって。
 出演者の一人が「歯が抜けちゃって、監督に話すべきかどうか悩んだりして・・・」
 というエピソードが語られた時、「いいハナシしだね・・」て思わず客席から声をとばしちゃった。
 マスコミ陣を前に記念撮影。
 
 ロビーではファンに囲まれて
 
 桐原三枝さんは十分スターでした。

 なお、作品の詳細は左欄<最新のコメント>の何日か前の桐原三枝さんのコメントを見ていただいて、桐原三枝をクリックして見てください。

 桐原三枝さんから改めてコメントをいただきました。
 さらに、沖田修一監督と糸井重里さんとの対談をご紹介いただきました。
 
 「おばさんと少女は同じ」 いつもながら糸井さんのひと言は魅力的です。
  左欄の<ブックマーク>でご覧ください。

 そうだ、画面で見る妙高の紅葉のすばらしさも伝えなければ!

 
 

三鷹通信(101)生物の進化について

2014-11-21 05:42:06 | 三鷹通信
 昨日のFサロンは医学部のI名誉教授をお迎えして、大変興味深い、深遠なテーマについて講演して頂いた。
 

 題して<生物の進化について>
 1926年にL.ボルグが「人類ネオテニー説」を提唱した。
 われわれ人間が、他の霊長類や哺乳類の幼体と共有している形態的特徴(幼形成熟)から着想し、進化の途中でヒトは幼児のような形態のまま性的に成熟するようになったという考え方である。
  
 
 ヒトはあらゆる動物の中で最も長い乳児期、幼年期、少年期を過ごす。
 つまり、幼形成熟的な長時間をかけて成長する。
 

 
 生まれたばかりの人間の脳はチンパンジーとほぼ同じの350立方センチだが、チンパンジーが成体で28%しか成長しないのに、人間の脳はほぼ4倍になる。
 この成長期間、人間の脳は環境のインプットによって豊かになる。
 生まれてから脳に学習する期間があり、可能性があるということが、人間と他の動物の脳の違いになる。

 しかし、学習期間には限度がある。その後に学習しようとしても不可能ではないまでも、非常に難しくなる。
 この生涯の一定期間にだけ可能な学習期間を<機会の窓>という。
 
 
 人類は学習によって蓄積されたものを文化として次世代に伝える方法・技能を見出した。
 <言葉>そして<文字>、さらに<ITC技術>である。
 では、どうして言葉が発達したのだろう?
 神経学者・内科医であるH.クローアンズによれば、それは洞窟でくらしていた原始人の女性たちの功に帰せられるという。
 狩りで外に出てばかりいる男のおかげではない。
 両手に抱いて微笑みかけ話しかける母親と祖母こそが、言葉、ひいては文化の伝達、人類の繁栄の原動力であるという。
 
 

 I名誉教授はそれが故にフェミニストを自称されるが、ボクも近く発売される小説<レロレロ姫の警告>で、これかの人類社会は<女性の時代>であるべきであることをちらっと示唆している。




三鷹通信(100)第11回多摩碁慶会

2014-11-18 04:20:37 | 三鷹通信
 「ますます熱心に碁を打つべし」
「継続参加が囲碁の力を伸ばす良い機会」
「同門の皆様方と気分よく盤を囲む至福の時を」
 藤森三男多摩碁慶会会長のお言葉に誘われて、久しぶりに参加した。

 今回はいつもの会場駅前コミセンが改修中なので、西国分寺駅前の「囲碁サロンムサシ」で11月16日(日)に行われた。
 30人も参加、なかなかの盛況だった。
 

 

 会員の奥さまやお孫さんも参加されている。
 
 ひとりとびぬけて若い少年は中学1年生で、今や我々は石をたくさん置いても勝てないほどに急成長している。

 ボクは二勝一敗、Bクラスの第4位だった。
 すばらしい有田焼の小皿をいただいた。
 
 

エッセイ(230)安倍さん、解散するんですか?

2014-11-17 07:09:01 | エッセイ
 巷では解散風が吹いていますが、安倍さん本当に解散するんですか?
 
「消費増税には国民の理解が必要」なんておっしゃってますが、<消費増税先延ばし>を旗印に選挙を行うんですか?
 インパクトないですね。
 そもそも増税先延ばしは法的にも決まっていることだし・・・。
 解散するからには選挙を盛り上げる<フレーズ>が必要ですが、政権党を盛り上げるフレーズは浮かんでこない。

 公明党や共産党など組織力のあるところは<フレーズ>の如何に関わらず票を伸ばすことが可能ですが、浮動票の一般大衆は冷めていて「この忙しい時に選挙なんか・・・」と投票に行かないかもしれない。
 沖縄県知事戦と必ずしも同じとは言わないけれど、大衆は<フレーズ>に影響されやすいんです。
 

 結果的に自民党などは現有勢力を減らす可能性が大きい。
 投票率が減るかもしれないことでも政権へのイメージが悪くなる。

 逆に弱いとはいえ、野党が<アベノミクス失敗!>のフレーズでまとまるようなことがあったらどうするんですか?
 
 大衆は簡単、明瞭な<フレーズ>で簡単に心変わりしますよ。
 アベノミクスにも影がさします。
 消費増税先送りは仕方がないけど、解散はしないほうがいいんじゃないですか。
 アベノミクスを立ち上げた時の安倍さんの格好よさが損なわれるし・・・。
 
 
  

三鷹通信(99)第10回読書ミーティング

2014-11-16 03:16:06 | なるほどと思う日々
 冒頭、現役編集者である講師から今月のベストセラーが紹介された。
 岸見一郎・古賀史健「嫌われる勇気」
 
 昨年12月発行で、すでに46万部。
 フロイト、ユングと並ぶ心理学の三大巨頭と称されるアルフレッド・アドラー心理学を「青年と哲人の対話集」という物語形式でまとめた一冊。

 女性を中心にコンスタントに売れ続けているそうだ。
 人間関係に悩みを持っている日本人は多いらしい。
 内容を整理すれば、
 *不幸をトラウマのせいにする人が多いが、トラウマは存在しない。
 *すべての悩みは人間関係の悩みである。
 *人はいま、この瞬間から幸せになることができる。

「人は目の前の現在を生きる。目前のことをどう捉えるかというだけ。人生は<線>ではなく<点>の連続」
「すべての悩みは、他人と比べて劣っている、わりを喰っている<劣等感>、一般の人々より肩書や財産がある権威があるなどの<偽りの優越性>等、他人の目に映る自分他人と比較している自分、に原因がある」
「悩みと同時に幸せも人間関係の中にはある。敵でなく仲間に囲まれた自分の居場所<共同体>で、誰かの役に立ててるということだけが人間を幸せにする。

 ・・・今ボクはブログで「運が悪いことから全てが始まった」という小説を書いている。
 戦後事情で医療の不備から右足が棒になってしまった男の話だ。しかし彼はそれを恨みとはぜず、与えられた運命と悟り、逆にそのことが有利に働いて行く物語だ・・・

 昨年のベストセラーのキーワードは<猫>と<長生き>だったが、今年は<伝え方>や<コミュニケーション>といった<人間関係>のようだ。
 アドラー心理学はマンガにまでなっている。
 
 他にも例を挙げれば片田珠美「他人を攻撃せずにはいられない人」
 
 そういう人は<自己愛>と<自分の思い>を押しつけてくる。
 ・・・斉藤ひとり氏などに言わせば、そういう人からは逃げるに如かず・・・

 さらに夏まゆみ「エースと呼ばれる人は何をしているか」
 
 著者はモーニング娘、AKB48、ジャニーズ、宝塚歌劇団などの振付師をやっている。
 数多くの芸能人を見てきて、スタートラインではほとんど差のない人たちが、いつの間にか大きな差となって<エース>と呼ばれるまでに成長する人がいる。
 そういう人は<正しい習慣>が身についている人。<自己を確立し、自信を持って、前に進む>人。
 *他人と群れない
 *新しいものを考えるとき、他人の評価を気にしない
 *他者に<謙虚>になるのはいいが<遠慮しない>
 *ムカついている相手にこそ<ありがとう>と言える
 *人生にムダなことはなく、人は輝く場所を持っている(エースとセンターは違う)
 (読者は20代、30代と若くビジネス書では特筆すべき)

 次に推薦者から
 丸谷才一「快楽としての読書・日本編」
 
 純文学の巨匠による書評集。
 石川淳、大岡昇平から池澤夏樹、村上春樹まで、王朝和歌から谷川俊太郎、広辞苑から絵本まで。

 しっかりとした文章、芸のある話術、該博な知識、バランスのとれた論理、才気煥発の冗談を駆使する書評を読めば、間違いなく本屋さんに走りたくなる。
 推薦者によれば、禁断の覗き見趣味にも満ちている。
 <劉邦から毛沢東まで>、<中国の大盗賊>、<危険な日記>、<摘録鸚鵡籠中記>等々。

 次の推薦者から
 斉藤薫「こころを凛とする196の言葉」
 
 著者は美容のジャーナリスとの大家。
 現代を生き抜く女性のこころに響く言葉集。
 女性の求めるしあわせや美しさは、自分が気づいた分だけ手に入る。

 「人生の楽しみは<高望み>から」
 「40歳を境に、人生を前半と後半に分ける」
  人生の折り返し点でリセットする。
  *前半 自分自身(人格・性格・友人・家族)を作る。
  *後半 使命を果たす(家族のため、他人のため、地球のため)自分の役割に気づくこと。


 推薦者は求めて読んだ本ではなく、あったからパラパラとめくったら、読みやすく、なるほど!と思える箇所があったから推薦本としたそうだ。
 <推薦者が共鳴する箇所>
 *他人があなたを大人にする。人に会うのを拒むと、人生はそこで止まってしまう。
 *「おはよう」・・・人はまず、「おはよう」が澄んだ声で言えないと、話にならない。
 *20代を楽しむコツ・・・身の丈にあった暮らしと、身の丈にあった恋。けれど夢だけは大きく。
 *ありきたりの毎日に魂を・・・「五感」をフルに使って生きること。
 *お金に現れる自分・・・お金の価値観は、そのまま人格とつながっている。
 *ブス・・・安心が女をブスにする。

 共鳴できないものもあったという。
 *美の真骨頂は7対3・・・街で振り返ってしまうのは、清潔感と色気がきっちり7対3の女たち。
 *ブランドはプライド
 *女の義務・・・人にはそれぞれ宿命的な<スカート丈>がある。そこからいちばん脚がきれいに見える靴との組み合わせを見て出すのは女の義務である。

 次の推薦者(実はボク)
 アル・ゴア「未来を語る」
 
 著者は元アメリカ副大統領。ノーベル平和賞受賞者。
 *高度に発達したネット社会
 *国家予算を超える資産を持つ企業
 *地球資源を消費し尽くす人口増加
 *デジタル化される生命の倫理的課題
 *温暖化現象などの気候変動

 「私たちはどこに向かっているのか」と警告する文明批評

 <アースインク>
 インターネットや人工知能の加速的な発展で、今や人間の認識をはるかに超えたスピードで変化が続く。リスクヘッジもコンピューター任せで、技術の進歩や進化の先が読めない。
 アル・ゴアは人間の叡知に期待しているが・・・。

 実は、ボクは数年前からブログで<人類は文明の進化路線に逆らえるか>というテーマ!で同様の危惧を書き綴っている。
 その思いを<レロレロ姫の警告>という作品にして出版することにもなった。
 (正式には来年1月の始めになる)
 そんな時この本に出会ったのが、この本である。
 よくぞ詳細緻密なデータを駆使して、今や岐路にある人類文明の問題点を浮かび上がらせ、世に問うてくれたという思いだ。
 *地球の未来は絶望的なのか、それとも希望に満ちているのか。

 最後の締めは講師から<ロングセラー>について、今回は武者小路実篤の「友情」
 
 新潮文庫累計407万部で歴代5位タイ。

 親しい友人に頼まれて愛の仲立ちをしたのに、逆に仲立ちをした男が女性から愛されることになる。頼んだ男は大打撃だが、相手は友人だという気持ちは不変で切磋琢磨しようとする。
 みずみずしい青春の物語としていつの時代にも人の心を打つ作品である。

 今回は<人間関係>、そして<自然と人間>とテーマはかなり重いものだった。