<落語談義15>
熊さん:アルゼンチン・ペソが下落して世界の金融市場がショックであたふたしましたね。
ご隠居:トルコ・リラとか新興国経済への警戒感が一気に噴出したようだね。
熊さん:円は逆に102円まで高騰したらしいじゃないですか。
ご隠居:弱い通貨を売って、強い通貨を買うという市場メカニズムが働いたんだね。
熊さん:実際の経済じゃなくて金融市場のバクチ的な行動で実質経済が左右されるんじゃたまりませんね。何でこうなるんですか?
ご隠居:財政難で崖っぷちのアメリカがじゃぶじゃぶ発行していた紙幣を縮小するという憶測だけで世界経済は右往左往するんだ。
熊さん:大国アメリカも金融市場を健全にコントロールすることは不可能なんだ・・・。
ご隠居:フランスの経済学者ジャック・アタリが予測しているんだが、市場のグローバル化によってアメリカ帝国は打ち負かされ、金融面、政治面で疲弊し、世界統治を断念せざるを得ない状況にあり、世界は一時的に<多極化>するだろうと。そして国境を持たない市場は民主主義に打ち勝ち、民主主義は制度的に地域に封じ込められ国家は衰退すると・・・。
熊さん:国家が衰退して・・・
ご隠居:世界唯一の絶対権力と化した市場が<超帝国>を形成する。
熊さん:<超帝国>?
ご隠居:具体的には保険会社が<監視規制>を課し、国家・企業・個人が従う規範を世界に制定して行く。
熊さん:・・・
ご隠居:そして<超帝国の>支配者とは、ノマドとして資産を保有する者、金融業や企業の戦略家、保険会社や娯楽産業の経営者、ソフトウエアの設計者、発明者など。彼らをアタリは<超ノマド>と呼ぶ。
熊さん:<超ノマド>?
ご隠居:彼らは良くも悪くも、脆弱で、のんきな、そしてわがままな、かつ不安定な地球規模の社会を作り上げていく。エレガンスの決定者であり、富とメディアの支配者である彼らは、自分の国民性の欠如や政治的・文化的軽薄さを一切認めようとしない。
熊さん:なんか恐ろしい世界になりそうですね?
ご隠居:エネルギーや水資源が極端に不足し、気象変動が激しくなりいろいろな形で紛争が激化するかもしれん。
(砂漠の中のイエメン)
アタリはこれを<超紛争>と呼んでいる。
熊さん:そんな紛争にならないようにできないもんですかね?
ご隠居:反対に地球規模の問題に対して鋭い意識を発展させる者たちも現れる。
彼らは自らの財産を人道的活動に投じる。つまり利他主義者となる。彼らは調和重視企業のリーダー格であり、地球規模の民主主義の支持者となる。
熊さん:なるほど! オバマがアメリカの大統領として<チェンジ!><力から調和へ!>と唱えて登場したときはそれが期待できたのに!
ご隠居:そうなんだ。残念ながら、彼はグローバル市場の圧力に今や挫折してしまっているように見えるが・・・。
熊さん:じゃあ、安倍首相の<積極的平和主義>にその思いが込められているといいですね!
ご隠居:もともと<和>の精神を尊重する気風が日本にはあるからね。
<もったいない>、<おかげさま>、<おもてなし>などの心が根づいているから。
いつまでも戦後の自虐史観に囚われていないで、これからは自然と共生し、みんなに気配りするソフトパワーの威力を日本が世界に発信していかなければ。
熊さん:アルゼンチン・ペソが下落して世界の金融市場がショックであたふたしましたね。
ご隠居:トルコ・リラとか新興国経済への警戒感が一気に噴出したようだね。
熊さん:円は逆に102円まで高騰したらしいじゃないですか。
ご隠居:弱い通貨を売って、強い通貨を買うという市場メカニズムが働いたんだね。
熊さん:実際の経済じゃなくて金融市場のバクチ的な行動で実質経済が左右されるんじゃたまりませんね。何でこうなるんですか?
ご隠居:財政難で崖っぷちのアメリカがじゃぶじゃぶ発行していた紙幣を縮小するという憶測だけで世界経済は右往左往するんだ。
熊さん:大国アメリカも金融市場を健全にコントロールすることは不可能なんだ・・・。
ご隠居:フランスの経済学者ジャック・アタリが予測しているんだが、市場のグローバル化によってアメリカ帝国は打ち負かされ、金融面、政治面で疲弊し、世界統治を断念せざるを得ない状況にあり、世界は一時的に<多極化>するだろうと。そして国境を持たない市場は民主主義に打ち勝ち、民主主義は制度的に地域に封じ込められ国家は衰退すると・・・。
熊さん:国家が衰退して・・・
ご隠居:世界唯一の絶対権力と化した市場が<超帝国>を形成する。
熊さん:<超帝国>?
ご隠居:具体的には保険会社が<監視規制>を課し、国家・企業・個人が従う規範を世界に制定して行く。
熊さん:・・・
ご隠居:そして<超帝国の>支配者とは、ノマドとして資産を保有する者、金融業や企業の戦略家、保険会社や娯楽産業の経営者、ソフトウエアの設計者、発明者など。彼らをアタリは<超ノマド>と呼ぶ。
熊さん:<超ノマド>?
ご隠居:彼らは良くも悪くも、脆弱で、のんきな、そしてわがままな、かつ不安定な地球規模の社会を作り上げていく。エレガンスの決定者であり、富とメディアの支配者である彼らは、自分の国民性の欠如や政治的・文化的軽薄さを一切認めようとしない。
熊さん:なんか恐ろしい世界になりそうですね?
ご隠居:エネルギーや水資源が極端に不足し、気象変動が激しくなりいろいろな形で紛争が激化するかもしれん。
(砂漠の中のイエメン)
アタリはこれを<超紛争>と呼んでいる。
熊さん:そんな紛争にならないようにできないもんですかね?
ご隠居:反対に地球規模の問題に対して鋭い意識を発展させる者たちも現れる。
彼らは自らの財産を人道的活動に投じる。つまり利他主義者となる。彼らは調和重視企業のリーダー格であり、地球規模の民主主義の支持者となる。
熊さん:なるほど! オバマがアメリカの大統領として<チェンジ!><力から調和へ!>と唱えて登場したときはそれが期待できたのに!
ご隠居:そうなんだ。残念ながら、彼はグローバル市場の圧力に今や挫折してしまっているように見えるが・・・。
熊さん:じゃあ、安倍首相の<積極的平和主義>にその思いが込められているといいですね!
ご隠居:もともと<和>の精神を尊重する気風が日本にはあるからね。
<もったいない>、<おかげさま>、<おもてなし>などの心が根づいているから。
いつまでも戦後の自虐史観に囚われていないで、これからは自然と共生し、みんなに気配りするソフトパワーの威力を日本が世界に発信していかなければ。