これまでに述べたように現実の<外交>は<力の論理>が働いているのは疑いのない事実である。
今や軍事的にも経済的にも<力>を蓄えた中国は、その力を背景に尖閣諸島問題で日本に揺さぶりをかけてきている。
軍備を年々増大させ、覇権的な行動が目につく中国に対抗するには、周辺のASEAN諸国と連携していくしかないだろう。
<潮流が変わった>
昨年1月、ぼくはオバマ大統領の就任演説を聴いて思った。
今こそ、日本の出番だと。
オバマ大統領は<力の論理>をふりかざし、イラク戦争の失敗で危機的に陥ったアメリカの現状を訴え、これからは融和、寛容、理性をもって対応しなければと国民に訴えた。
そして「WE CAN CHAGE!」と。
より強固な国際協力が必要であり、古くからの友好国とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化にも対応していこうと語りかけている。
まさに日本の出番ではないか。
今回の中国の姿勢はまさに<力の論理>をふりかざす帝国主義時代の大国そのものだ。
我々は、意を同じくする国々とともに、その覇権的な行動こそ非難さるべきことと咎めていかなければならない。
以下に日本総合研究所理事長の寺島実郎氏の見解を紹介する。
「米国の<力の論理>を見せつけられたイラク戦争後の世界について、我々が抱きがちなイメージは弱肉強食の世界の再来であり、強い者が作り出す既成事実の追認という心理に傾きがちとなる。
結局は<力こそ正義>であり、<国連のような国際機関は機能しなかった><国連を通じた集団的安全保障に期待する時代ではなく、力を持った同盟国との連携こそ現実的選択>という認識が主潮となりがちである。
しかし、それは正しくない。
世界は確実に力の論理が機能しない方向に歩み出しつつある。・・・
日本人に求められるのは、大国に壟断されてきたアジア・中東史への深い洞察と共感であり、間違っても大国主義の驥尾に付するような選択をしてはならない。・・・
アジア・中東の国々は、日本がリーダーにふさわしい理念と行動をなしうる国か、それとも<名誉白人的地位>に満足して列強のゲームに参入するだけの国か、静かに見守っている。・・・
世界はゆっくりではあるが、国際法理と国際協調による全員参加型の秩序形成の時代に向かいつつある。
今や軍事的にも経済的にも<力>を蓄えた中国は、その力を背景に尖閣諸島問題で日本に揺さぶりをかけてきている。
軍備を年々増大させ、覇権的な行動が目につく中国に対抗するには、周辺のASEAN諸国と連携していくしかないだろう。
<潮流が変わった>
昨年1月、ぼくはオバマ大統領の就任演説を聴いて思った。
今こそ、日本の出番だと。
オバマ大統領は<力の論理>をふりかざし、イラク戦争の失敗で危機的に陥ったアメリカの現状を訴え、これからは融和、寛容、理性をもって対応しなければと国民に訴えた。
そして「WE CAN CHAGE!」と。
より強固な国際協力が必要であり、古くからの友好国とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化にも対応していこうと語りかけている。
まさに日本の出番ではないか。
今回の中国の姿勢はまさに<力の論理>をふりかざす帝国主義時代の大国そのものだ。
我々は、意を同じくする国々とともに、その覇権的な行動こそ非難さるべきことと咎めていかなければならない。
以下に日本総合研究所理事長の寺島実郎氏の見解を紹介する。
「米国の<力の論理>を見せつけられたイラク戦争後の世界について、我々が抱きがちなイメージは弱肉強食の世界の再来であり、強い者が作り出す既成事実の追認という心理に傾きがちとなる。
結局は<力こそ正義>であり、<国連のような国際機関は機能しなかった><国連を通じた集団的安全保障に期待する時代ではなく、力を持った同盟国との連携こそ現実的選択>という認識が主潮となりがちである。
しかし、それは正しくない。
世界は確実に力の論理が機能しない方向に歩み出しつつある。・・・
日本人に求められるのは、大国に壟断されてきたアジア・中東史への深い洞察と共感であり、間違っても大国主義の驥尾に付するような選択をしてはならない。・・・
アジア・中東の国々は、日本がリーダーにふさわしい理念と行動をなしうる国か、それとも<名誉白人的地位>に満足して列強のゲームに参入するだけの国か、静かに見守っている。・・・
世界はゆっくりではあるが、国際法理と国際協調による全員参加型の秩序形成の時代に向かいつつある。