ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

三宅裕司は育てる立場になってたんだ!

2023-10-29 07:52:38 | 演劇
スーパーエキセントリックシアター、あれっ、劇場で見るのは初めてかな。
三宅裕司の劇団だ。

次々に笑いを引き出す技は見事なもんだな。天才ボケ?小倉久寛との掛け合いはもう笑いの教科書だ。オープニングド派手なアクションで緊張感漂わせた後、掛け合い漫談をかなり長くやって会場の空気を十分に温めて、一気にスーパーエキセントリックだ。これができるから凄いよ、羨ましいねぇ。
時折挟む内輪ネタ?二人の出会いの頃の失敗談を互いになじりあったり、昔からのファン層にはたまらない。もちろん、小倉久寛の曰く言い難いおとぼけが三宅以上に笑いを取ってたことは言うまでもない。
これまでもそうだったんだが、三宅は突っ込みつつ笑いのポイントを引き出す役割を担ってる。今回もたくさんの出演者たち、30人はいたなキャスト、に分け隔てなく機会を与えていて、なんか、ここの舞台そのものが、オーディション、あるいは新人のお披露目の意味合いを持ってるような感じだったなぁ。
欽ちゃんのコントの教室?だったかなぁ、シリアスドラマの役者を欽ちゃんがしごく、ほらNHKでやったやつ、あれに似てる、なんてちらっと思ったりして。
若手なんかもばんばん抜擢して笑いのシーンを作ってるんたが、うーん、やはり不発か、湿気って線香花火ってところだな。
彼らもそうだが、俺にとっても、またとないチャンスだ、この際笑いのエッセンスを盗みたいと、ぎりぎり集中して見ていたつもりだったんだが、昨夜の睡眠不足と劇場探しの無駄歩きのせいで、きっちり脳に刻み込むまでは行かなかった、残念。田舎者には池袋はもう魔界です。ハローウィンの異人たちが街を埋め尽くしていたし。
も一つ惹きつけられたのはダンス、なんとやっちまったぜ、袈裟着けた坊さんたちが袈般若心経を踊りまくる、こりゃもううなるしかない、おうおう!だな。照明も音楽もフルサイズのサービス、いいなぁ、こういうの好きだなぁ、やりたいなぁ。女優陣のアクションダンスも、頑張て!って声掛けたくなった。
若手を育て、劇団の若返りを目指しているらしく、今回はアクションが重要なテーマ。オープニングは、二階あり、階段ありと立体的な舞台設定を縦横に使い切って、若手男優総出のはつらつアクションシーン、これでもか!まだやるか?このセット、このわずか5分だけ限定!贅沢。
ラストはタイマンの決闘シーン、さすがに二番煎じはそっぽ向かれると思ったんだろ、次から次の屋台崩し!いやぁ、盛大にやるなぁ、セットはすべて壊したし、二階からの真っ逆さまなんてのもある特別大サービスだった。裏でセットしたり片付けたりのスタッフさん大変だったろうな。
前半はミステリーの伏線張りと笑いの乱発。岸田の霊が取り付いて「経済、経済、経済」とか政治風刺も盛り込んだり、ギャグにつながるキャラクターをこれでもかと登場させたり、そこは全力疾走、緩みなしだった。
が、アクションはやはり、長い!映像作品でもっと迫力満点の戦い見慣れてるからね、舞台上での生身のアクションは敵わないよな。これは素直に映画に譲るべきだろう。
このドタバタ喜劇をどうまとめるか?ここが難しいところで、最新AIと人細胞再生技術の奪い合いがストーリーの大筋、それにさらにテロ犠牲者の残された息子が平和な世界実現のために戦いを挑む、って仕組みにしていたんだが、ここはどうにも、取って付けた感じが強く、ちょい、白けたね。ドタバタはドタバタらしく終わった方がいい。あまり大上段に振りかぶると、見る側じゃ引けてしまうってもんだぜ。まっ、ここで納得する観客もいるんだろうけど。
睡眠不足と疲労のダブルパンチのせいもあって、幕が下りるのを待ちわびたりしちまって、ごめん熱演の役者たち、スタッフの皆さん。

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