高校演劇大会用台本、ともかく仕上がった。と言っても、今、共作者の顧問Nに最後のチェックをお願いしたとろだけど。まずは、部員との約束が果たせて良かった。
台本書きのために用意した盆休み、これが思いがけず涼しかったのが効いた。数日前はあまりの暑さに家に帰ることもならず、喫茶店とかモスなんかでたむろして書き進めていたからね、この三日間の炎暑一段落には本当に助かった。
さて、台本の出来は?自分では面白く書けたと思っている。テンポがよくてストーリーが多彩、1時間飽きずに見てもらえるものになったと思う。エピソードもたっぷり盛り込んでいるし、魅力的なシーンも幾つか準備できた。キャラクターのかき分けもまあまあじゃないかな。当て書きなので、役者もこれまでの持ち味を生かして演じることができるだろう。と、よく言えばこういうこと。
でも、長所は短所なんでね、いつも言われることだけど、盛り込み過ぎ、書き込み過ぎって印象は間違いなくある。エピソードに引きずられずじっくりと登場人物のやりとりを楽しみたい向きには、なんだかやたら忙しいとか、振り回されてる感じとか見えることだろう。薄っぺらって感じる人もいるかも知れない。
それと、今回は高校部活もの、もうべたな青春もので、このあたりどうなのかねぇ。当世はやりのいじめだとか、引きこもりだとか、リスカなんて重いテーマとは縁がない。ごくごくありきたりの高校生があちこちでぶち当たっているような日常的な話題だけだ。圧倒的感動作ってわけにはいかない。まっ、部活に燃えた高校生が、ああ、そんなことあるよな!とか、辛くても部活やって良かった、って共感してもらえれば成功ってことだろう。それを審査員がどう評価するかは、審査員しだいってことだよね。
売りは何と言ってもボート部でしょ。ボート部描く以上、ボートを漕ぐシーンが出ないわけにはいかない。当然、出ます。ある意味クライマックスになるはずだ。でも、狭い舞台でどう出すか、どう見せるか、ここが勝負どころだろ。本物使ったら、ボート置いただけで舞台埋まってしまうものね。この工夫、あっと驚く仕掛け、ってほどでもないが、演劇の持っている融通無碍さを存分に生かしてみたいと思っている。
今日見てきたこまつ座公演『父と暮らせば』のアフタートークで、演出の鵜山仁さんが言っていた。「演劇では役者が一言王様だって言えば王様になるんです。」この言葉を信じたい。素直に共犯関係に入ってくれる暖かいお客さんであることを願おう。
って、そんなお客さん頼りでいいのか?