ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

作ってよかった!『夢芝居』!:置農東京公演三日目午前

2010-08-03 19:13:26 | 地域文化

 まさかの雨だ。あり得ない。不滅の晴天伝説を誇る置農演劇部なのに、東京で雨に遭うなんて!でもまあ午前中は演歌ショー『夢芝居』だから、荷物ったってたかが知れてる。前日のように離れた所から人海戦術で運んだって、そうは濡れたりしないさ。と、まあ、びくびくしながらもたどり着いてみたら、なんと玄関の軒先までトラックが横付けできてしまった。ラッキー!

 ここもまた、都営住宅の一階がお年寄りの福祉施設になっていた。デイサービスとか介護とかではなく、まだまだ元気な老人たちが、この施設で音楽やったり、囲碁将棋を楽しんだり、講演会なんか聞いたりと生き生き元気に過ごすための施設だった。つまり、カルチャーセンターお年寄りバージョンってことか。

 山形なら地区公民館や地区コミセンがやっているようなサービスを、東京ではNPOが指定管理者となって請け負っている。今回置農演劇部の東京公演を支えてくれたのも、実はこのNPO「ワーカーズ コレクティブ」だった。働きたい人が自分たちの好きな仕事を立ち上げてやっていく、そんな組織で、日本語直訳だと「労働者コープ(生協)」ってことなんだそうだ。下部組織ってわけではないだろうが、上の方には連合が控えている。

 この墨田区「いきいきプラザ」の責任者は元地元中学の先生。学校の生ぬるい体質に嫌気がさして、もっと生き甲斐のある仕事を求めてこの施設の運営を引き受けたのだという。なかなか盛況のようで、開館時間直後からお年寄りが引きも切らない。

 どうして?まだ公演まで間があるんだけど。普通山形じゃ1日1行事でしょ。他のグループが借りて活動したりなんてことはあっても、主催行事は一つだよね。ところが、ここじゃ同時進行で、音楽グループとか、なんやかんやと集まって来ているのだった。お茶飲みだったりサークル活動だったり、文化行事だったり。

 つまり、置農演歌ショーもそんな行事の一こまだったんだ。だから、入館者はたくさん居ても、公演を見てくれたのは40人ほどだった。どうやら事前に宣伝をして希望者を募っていたようなんだね。せっかく会場に来てくれているのに、別室に直行というのはちょっと寂しい気持ちだったけど、ここいらのお年寄りは、お仕着せのお楽しみなどいらないよ、ってくらいに元気だってことだ。仕方ない。置農演歌ショーを楽しみにして来てくれた人に精一杯やるだけだ。

 演歌舞踊の方は、受けるのわかっていた。でも、コントの方はどうだろう?まず言葉が置賜方言だもの。しかも出てくるじっちゃばっちゃもここいらの爺婆だ。都会のどこかおしゃれな老人たちに受け入れてもらえるだろうか?話題もかなりすっと呆けだ内容だし、馬鹿にするな!って気を悪くするんじゃないか?

 心配はやっぱり杞憂だったね。言葉なんて方言丸出し、なまってたって伝わるものなんだ。だいたい、都会の老人たって、都市生活第一世代か二世だもの、田舎の記憶が色濃く残っている人たちなんだよ。

 大爆笑の連続。さかんに携帯で写める人もいたりして、うーん、やっぱり都会!コントが終わって、「最上川舟歌」さらに「お祭りマンボ」なんかになるとしきりに手拍子しきり。部員たちも予期せぬ拍手喝采に大満足の様子だった。

 この演歌ショー『夢芝居』、こういう元気なお年寄りには絶対受ける。田舎も都会もないってことがよくわかった。逆に都会の方が、身近に高校生なんていない場合が多いはずだし、高校生なんて、別世界の住人って思っていただろうから、この公演には感激したんじゃないだろうか。

 改めて、作ってよかった!『夢芝居』!やってよかった演歌ショー!!ってことだ。

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