木曜日の夕方は所用で表参道へ。
寒い。
即座に能登を思う。
26年前、金沢で過ごした冬に車で能登演劇堂にご案内いただいた。
一応、「視察」ということで劇場の設備などを詳しく説明して頂いた素敵な思い出。
その往路、沖合には真っ黒な雲と竜巻が見えていて、
「この能登の雪景色が凄まじくて美しい」と言った自分に運転していた金沢の演劇人が不機嫌に。
即座に理解した。
つまり「東京育ちのあんたに、この冬の厳しさがわかってたまるか」ということで。
自分は「凄まじい」と言ったのだけど、浮ついてはしゃいでいるように見えたのかもしれない。
その時の能登の寒さは、金沢市内ともまた違って。
東京=江戸は、ここに比べたらとても暖かいのだ、と得心した。
そして、東北同様に、今回の地震で能登は見捨てられるのだと切ない気持ちになっている。
表参道の用事はあっという間に終了。原宿まで歩く。
気がつけばこの道を45年歩いている。
表参道にこれほどご縁があるとは、18歳の時には思いもよらなかった。
そして、ふらりと寄りたい店は、この45年でみんな消えてしまった。
スーパーの鰤の刺身で充分に幸せになれるのは、45年前の四畳半のアパート時代に戻ったような気持ち。