たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

丘陵からの素朴な発想

2012-09-29 02:18:45 | Weblog
 人生は情報戦であり、有益な情報をコスパー良く使用することが、勝つためには必須である。

 知っているか、知らないか。ただそれだけで、ゴールに辿りつく時間が、ものすごく変わってしまう。だから、沢山のことを知らなきゃいけないし、知ろうとしなきゃいけない。
 こういうことを言うと、真面目な人ほど反発をしそうだけど、真面目であることそのものに何の意味も無い。そんなことで個性をアピールできるほど世間はCグループだらけじゃないわけで、だとしたら、自分が持っている言葉や順当だとみんなが考えている手順以外にも、目を向けようとするべきだ。

 そして、外に目を向けた時に、順当にみんながやってる方法よりも、ラクして同じ結果が得られる方法があるなら、そちらを迷わず取った方が良いし、自分の素朴な発想も活きてくる。
 素朴な発想や分野をまたいだ考え方は、自分の足によって創造されるし、それを信じることができるかどうかが、個性あるかないかに関わるわけで、勝ち負けにも関わる。

 ここで具体例として、数学で生徒を持った時に必ず教える問題がいくつかあるんだけど、その一つを紹介しよう。
 「6人いて3ペアを作ります。何通りですか?」ちなみに、超コスパーよく解けば、5秒で解けます。

 教科書の方法だと、ペアをまず一組ずつ部屋ABCにそれぞれ入れることを考えて、2人ずつの組み合わせだから、C(6,2)×C(4,2)×C(2,2)。さらに今度は部屋ごと順列で割らなきゃだから、{C(6,2)×C(4,2)×C(2,2)}/3! で、答えは、えーっと、15通り?

 ここで、長いわ!、ってやるわけです。

 答えは、5×3×1、で15通り。部屋なんかに入れず、自分が6人の中に入れば簡単です。誰と組もっかなー、5人選択肢があるなー、組んじゃったー、残り4人、また自分が4人になって、誰と組もっかなー、3人選択肢があるなー、組まれた!、やばい、アイツと以外は選択肢がない!、で、1。よって、5×3×1、で求まる。

 この問題は、かなり多くの事を俺らに教えてくれます。

 {C(6,2)×C(4,2)×C(2,2)}/3!
 5×3×1

 どちらも答えは15なわけですが、計算量がかなり違います。分数で約分が沢山でてくるってことは、何か無駄な計算をしているわけです。こういうことは、これよりも遥かに難しい問題や研究分野でも、よく起こることです。
 無駄な計算の裏に、無駄な考え方と手段があります。わざわざ部屋ABCと用意して、その部屋自体の順列を考えるという、一連の操作が無駄です。こういう無駄も、実験でもマニュアルでも、世の中に沢山あります。

 そして、何より、教科書通りの順当なやり方が、素朴な発想や大きな視点からの方法に、決して勝てない、ってことがよくわかります。
 勘違いしてはいけないんだけど、確実な方法は、きちんとマスターしていないといけません(とか、やたら強くオフェンスしてくるヤツに限って、ダメなんだけどね(笑))。でも、ある程度のレベルを超えたら、少し広い視点を持って、問題に接してみた方が、数多くの問題をラクに確実に解くことができます。

 こういった素朴な発想は、外部の色々な世界を観ることによって、自然に発想できるようになると思います。っま、ホントはそれだけじゃダメで、外部の色々な世界の常識を、自らの系に落とし込もうとする努力が必要なんだけどさ。

 そのためには、情報を収集しとかないといけないわけで、色々な世界を知ろうとしなきゃいけない。なので、人生は情報戦。数々の分野からの有益な情報をいかに上手く使って、コスパー良く結果を出すかが重要なのだ。

 ただね、それこそ、そんな手法にばかり、固執してもいけない。
 誰かへと感情に流されたり、無駄だとわかっていながらも、真面目になりまくって遠回りしてみたり、そういう即物的にでも本質的にでも楽しい方向へ感情的にどうしても行ってしまうがゆえの、少しのコスパーの悪さこそが、心を健康にするし、毎日もホントの意味で楽しくなる。

 だからっ、何事もほどほどに、ってことでしょ?!
 っという、まさにそんな、決めつけ感や、教科書通りの方程式に当てはめてしまう感が習慣化していってしまうなら、あなた自身を苦しめてしまうし、楽しくなくなってっちゃうんだぜ?

 少し丘陵から眺めてみると、素朴な発想によって、なぜ俺がそういうことを言うのかの本当の理由や本心や本論が観えてくるのかもね。
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