たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

あなにおちたライオンくん

2015-03-13 01:42:25 | Weblog
 むかしむかし、あなにおちてしまった、ライオンがいました。
 ただのあなにおちたわけじゃありません。だれか、にんげんが、いたずらでつくった、おとしあなに、ライオンくんは、ついおちてしまったのです。

 あなにおちてしまったライオンにきがついた、ウィルくんは、どうにか、かわいそうなライオンくんをたすけようと、おもいました。

 ウィルくんはまず、あなにてをのばして、ライオンくんをちじょうにもちあげようとしました。ですが、あなにおちてしまって、どうしようもなくなっているライオンくんは、それがたすけだとわからずに、ウィルくんのうでをひっかいてしまいます。
 これではどうにもなりません。しかし、ウィルくんは、このライオンくんをどうしてもたすけてあげたいとおもいました。

 そこで、おちていたロープをつかって、あなにたらし、ライオンくんをひきずりあげようとしました。しかし、ライオンくんのきばとつめは、とてもつよく、ちからいっぱい、らんぼうにロープをひきちぎってしまいました。
 これではどうにもなりません。しかし、ウィルくんは、このライオンくんをたすけるためにどうしたらよいか、あきらめたくありません。

 ひとりでかんがえていても、どうしたらライオンくんをたすけてあげられるかわからないので、ウィルくんはたくさんのともだちをよんできました。あなのちかくにたくさんのともだちがやってきて、ライオンくんをみおろしています。
 ウィルくんのともだちみんなで、おはなしをしているうちに、ライオンくんは、とてもおこってしまいました。たくさんのひとがいるせいか、こうふんしてしまっているようです。おちついていいんだよ?と、ウィルくんが、もういちど、あなにてをのばそうとすると、ライオンくんはウィルくんをあなにひきずりこもうとしました。

 これではどうにもなりません。

 なんとか、ほかのともだちのおかげで、ウィルくんは、あなにおちずにすみましたが、そのようすをみていた、ウィルくんのともだちのリアルちゃんが、つぎのように、いいました。
 「このままでは、ウィルくんも、このあなのなかにひきずりこまれてしまうわ。このライオンにはかわいそうだけど、とりあえずは、そっとしておきましょう。もしかしたら、そのうちあなから、ひとりででてくるかもしれないのだから」

 ウィルくんは、ひとりででてこれるわけがないだろう、とおもいました。そして、ウィルくんは、そんなリアルちゃんのことばに、つめたいところとあたたかいところを、ほとんど、どうじにかんじました。

 そして、リアルちゃんはこうもいいました。
 「このライオンくんをたすけたとして、どうするの?あなたはたべられてしまうかもしれないわ」

 ウィルくんは、じぶんのきもちがわからなくなりました。ライオンくんはあなにおちて、こわいおもいをしているから、じぶんをきずつけてくるのであって、たすけたあとなら、ぼくをたべたりはしないはずだ、とリアルちゃんにいいたいのに、いえません。
 たすけなくちゃいけないというきもちと、じぶんがあなにおちてはいけないというきもちで、ついにはないてしまいました。

 どうすればいいかわからないですが、ひとつのこたえをみつけなくてはいけません。それは…。。

 さぁ、あなたなら、穴に落ちたライオンくんを、いかにして助けるか?それとも見捨てるか?
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