たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

強くて弱くて強い

2011-03-07 03:46:38 | Weblog
 頭で考える「思考」と心で思う「感情」、の定義と関係性について、ここのページで沢山書いてきた。

 その関係性は、個人という閉じた空間のなかで完結すること(一体問題)はもちろん、相手との相互作用についても、沢山書いたと思う。相手と自分の思考と感情で、これだけで関数は4つ。これらがすべて相互作用し合うんだから、二体問題でも、かなり難解だ。でも、この二体問題は、一体問題に帰着されて解くことができる、こともある。
 いつだったか、人間関係の系でも、三体問題は解析的に解けない、ということも書いた。そして、N体問題(N>少なくとも6)になれば、平均場近似(Mean Field Approximation)を用いて、近似的には解くことができる、と書いたこともあったと思う(もう2年くらい前かな?)。それは、日常用語では「空気」として扱われている。

 ここで言ってる、「解く」っていうのは「予測できる」ということとは、違う。どちらかというと、その状態を、完全に理解できる、というほうが正しい。
 で、今日は、思考と感情がらみの、パターン問題を解いてみて、さらに新しい法則をみつけてみようと思う。

 例えば、典型問題。お酒が入って、悪ふざけをしてる時を考えてみよう。
 お酒は、思考力を下げて、感情をそのまま表現しやすくなる力を持っている。だけど、決して、思考がゼロになるわけじゃない。思考が下がって、みんなもそれを認知しているから、ここまで感情を放出しちゃっても大丈夫、って思って、悪ふざけをする時は、むしろ考えることができている。
 だから、むしろ、お酒は機械的になる成分を多く含んでいる、としたほうが、正解に近い。人間が人間らしいときは、お酒が入ってるときでは無いのだ。そもそも、アルコールは化学物質(人工的で機械的なモノ)なんだから、まぁ、当たり前か。

 お酒が入ってくる、ってのは、物理的要因だ。こういう物理的要因は、人の思考と感情のバランスを崩す。

 では、もう一つの典型的な系を考えよう。
 ものすごく不幸なことがあって、悲しむべき時、案外、人は冷静だ。外部から非常に強い物理的な作用があると、かなりの確率で思考力が上がって、感情が消える。感情がこみあがって、泣いたりしてるときは、むしろ、大丈夫。泣く余裕があるんだから。超悲しい時、人は泣かない。
 ある程度、感情が健全な時に、不幸だと分かる程度の思考力がある時に、人は泣くのだ。

 どう解釈すれば良いか?感情には、「強さ」と「種類」の指標がある。「強さ+種類」は、いつも、ほとんどコンスタントに設定されていて、時間変動する。
 外部からの物理的要因によって、感情の種類が低下してくると、感情の強さが増す。それしかみえなくなる。どんどん種類が無くなって、ついに感情が1つに定まったとき、想いが行き場を失って思考力に集中し、思考力が極限まで高まることになる。
 方程式「感情がたった一つに収束する≒思考力が極限まで高まる」が求まった。だから、極端に悲しいときは、頭は冷静でいられる。ガチだからこそのセオリー依存、ってのも前に書いたけど、それに近い。

 ≪K君は本当は弱いから、高圧的になるんだよね?先に高圧的になっておくほうが、相手にいろいろと言われずに済むから。≫
 『(笑)。そこまで見抜かれてるのは、なんか、やだなー。』

 っと言いながら、一歩、惜しい。もう一個、論理展開が足りない。思考が強くなってたことは見抜かれていたけど、その奥の感情を見抜かれてはいない。
 強いけど弱い、けど、もう一個、強い。まぁ、今は、また、それとは少し違う自分だけど。

 っていうか、そもそも、どんな感情の強さでも種類でも、考えて分かるもんじゃないよなぁ。
 感情は、直観によって、判断できるからこそ、OnTimeで、感じられるモノだと思う。
コメント
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