桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

国賠

2012-03-29 | Weblog
この頃、あちらこちらで「国賠はやらないのですか」とか「国賠をやって、もっとやっつけましょう」と言う声を掛けられる。
正直、再審裁判でで勝ったらば、即、国家賠償裁判を提起して闘いたい気持ちはあった。布川事件でなされた捜査の違法行為は、本当に数限りない。全く責任を取らないばかりか「杉山と桜井は犯人。たまたま有罪を立証できなかっただけ」と嘯く検察を、このまま許してなるものか!の怒りが募り、今すぐにも国賠をやりたい。でも、国賠弁護団の主体は布川事件弁護団を除いてなど、ありえない。
その布川弁護団は、今、日弁連に報告する弁護団の活動記録誌の作成に手一杯の状態だ。
先日も、一応は3回目になる国賠弁護団会議が開かれたが、まだ会議の開かれ方も決まらない状態で、これからだ。しかし、布川事件の闘いの中で一定の追及はされているし、判決としても捜査の行った違法行為を認定しているので、方向性さえ決まれば、すぐにも国賠裁判は提訴出来ると思っている。
期待して見守ってくださる皆さん、もう少しお待ちください。

良いことも言ってあげたくなった

2012-03-29 | Weblog
民主党政権になったときの「時めき」、もう褪せてしまったねえ。消費税だなんて、トチ狂ているとしか思えない。国の繁栄を会社の繁栄としか考えていないのだから浅い。日本は社会主義には厳しい批判を浴びせるが、会社主義には無批判だ。会社だけが繁栄し、国民が疲弊する、この日本の実情を政治は改革出来ないと、民主党政権は教えた。会社主義日本の受益人として存在する官僚なども、もう馬鹿にしきって「自民党よりも扱いやすい」と思っているだろう。
俺が期待した可視化など、夢のまた夢だ。
民主党政権にならなかったらば、この政治の絶望は判らなかった。
功績大。
これ、良いことだと思うねえ。
「私は知らなかった」と、大震災、原発事故で思う人も多いだろうが、それらの災害については知る人が知り、多くの警鐘も鳴らしていた。知らないことは知らない人の責任だったのだ。これから起こる政治の被害については、もう知らないということは許されまい。