桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

当たり前

2012-03-07 | Weblog
これが裁判では難しい。異常なことが日常的に行われて、それが正義とされてきたのが、今までの裁判だ。どれだけ多くの冤罪仲間が、この裁判の異常に悩まされて来たか知れない。
今日の東住吉事件決定を読むと、ごく当たり前の判断がなされている。
ガソリン7リットルを床に撒いて、そこにライターで火を点けて、どこの世界に火傷をしないで済む人間がいるか!俺が東住吉事件を語るとき、何時も話すことだ。有罪にした検察官も裁判官も、そうしてみろ!必ず大火傷か焼け死ぬかだ。火を点けた朴さんが無傷なのは放火していないから。こんなことは当たり前なのだ。しかし、その当たり前が通じないで有罪にされて来た。
今日の決定を読んで、やっと当たり前が認められたと思ったが、事実と想像の違いが判る部分があった。
朴さんは車のガソリンタンクから給油ポンプで抜き取り、車の下に投げ入れたと自白した。車の下から給油ポンプの残骸らしき物が発見されたと有罪認定は書いたが、実験すると、これが違うのだ。炎は物の近くでは燃えない性質があるらしくて、この給油ポンプはハッキリと燃え残るのだ。
確かに想像すれば、石油製品の給油ポンプは燃え尽きて残骸になるように思うが、事実は違う。ここに科学捜査、科学裁判があると判る決定で、このような思考を裁判官は最低の資質として持つ必要があると感じた。
この東住吉事件は、たった6年前に最高裁が有罪を認定している。深刻に反省しなければなるまい。
写真は検察庁に抗告するなの要請に行く支援者だが、この組織には反省を求めても無理。自分が最高だと思う頭の良い馬鹿ばかりが揃っている。今日の再審開始決定に対するコメントは「思い掛けない決定で驚いている」と来た。こいつら、みんなでガソリン7リットルを撒いてライターで火を点けさせたいねぇ。きっと何人かは死んで、少しはマトモな検察庁になるだろうから。

法曹会

2012-03-07 | Weblog
多分、国民には知られていないだろうが、裁判村に、法曹会と言う組織がある。法律の書籍などを出版しているところだが、この法曹会が布川事件の最高裁決定を「自白の信用性」を測る例として書籍に書いている。
布川事件は無罪になったのだから、その書籍に変化があるだろうと思ったが、全く変わらずに「有罪の例」として書かれたままに売られているのだ。
昨日は、その書籍の絶版を求めて法曹会を訪ねた。
これで書籍の問題は解決出来ると信じるが、どうなるかを見守りたい。

万歳〓

2012-03-07 | Weblog


東住吉事件に再審開始決定が出た。
当たり前のことだが嬉しい〓
自分のときは、こんな気持ちだったか、もう忘れているが、10時の交付時間が迫るに連れてドキドキし始めた。開始ならば赤字、棄却ならば黒字出た旗が出されると聞いたので、その文字に注目したが、大阪地裁の庭は広くて玄関を出て来た弁護士さんの表情を見てて「これは勝った!」と感じるくらいに明るかった。でも、赤字の開始旗を見て、本当に嬉しかった。
写真は、裁判所に入る弁護団と、外に待つ支援者に報道陣。開始決定後、弁護士を囲んだ支援者と報道陣。