桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

小貫芳信

2012-03-17 | Weblog
古田佑紀最高裁判事が定年退官し、後任に天下りしたのが、元東京高検検事長だった小貫だ。
検察庁のポスト順位は、検事総長以下、東京高検、大阪高検、最高検次席となっていると聞くが、小貫芳信は、珍しく検事総長になれずに亜細亜大学の教授になり、この度の最高裁判事への天下りになった。
元々亜細亜大学教授が検察庁の天下りポストの一つなのかも知れなくて、大学教授と言う立場のワンクッションを置いて最高裁に流れて行く仕組みになっているのかも知れない。
何で検察庁から最高裁判事が登用されるのか、その歴史的な背景は知っていないが、今や公正に証拠を判断する能力を育てない検察官職体験者を裁判所に入れるのは、赤ずきんちゃんに狼的な無謀としか思えない。今、テレビ曲各社が出演させている辞め検たちの発言を聞いていても、ありありと検察官体験での歪みを感じる。
一昨日、大阪であった無罪判決に対しても、ある辞め検は「状況証拠の集め方を考える必要がある」とか言った。捜査とは、科学的証拠に基ずくものであって、そもそも間接証拠や状況証拠に頼るものではないはずなのだ。この辞め検の発言は、いかに捜査の基本を理解していないかを示す。
小貫芳信の人間的なモノは知らないが、しょせんは元東京高検検事長。きっと最高裁では検事サイドの偏見を振り撒いて、古田佑紀同様の誤判を重ねることだろう。
検察庁から最高裁に天下りする仕組みも辞めさせなければならない。