桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

強かな男

2012-03-02 | Weblog
橋下徹は、なかなかの男だ。司法試験に合格する優秀な頭脳、白を黒とも丸め込む巧みな口、利と損を絡めて相手を見抜く眼力、誤りを指摘されても自説を押し通す胆力、自らを売り出すために世論情勢を読む認識力、そして人を安心させる愛嬌ある顔、どこを取っても、今までにない政治家だ。
もし今までの政治家ならば、今大阪で行っている強制の思想調査だけで、もう政治家としての道を失っていただろう。ところが、何をしても「だから何が悪い!独裁政治が良い!」と公言しても支持を失わないのだから、大変なタマだ。
俺が感心した1番は、あの公明党の立候補区には対立候補を立てないと言ったことだ。巧いねぇ、橋下は。橋下の独裁に通じるのが創価学会、公明党だ。教主池田大作の語るままに信じ、日蓮宗を破門されて宗教としての基盤を失ってもなお、人間としての「利と幸」を信じてお題目を唱え、布施金を捧げる人々こそ、法と道理を無視して改革だけを唱える橋下の利用して力となる存在だと見抜いたのだろう。何よりもの橋下の賢さは、維新の会の最大の欠陥とされる資金問題を切り抜ける相手として公明党に擦り寄ろうとする点だ。維新の会が国会を乗っ取るには、それだけの数の立候補者を立てなければならないが、数十億と言われる立候補供託金は、今の維新の会には無い。そこで頼りは金のある組織!
創価のには善良な信者が納める巨大な金がある。
やるねぇ橋下。
橋下は、金を儲けるために弁護士になり、ひたすらに金を求めて生きて来た。その弁護士活動の中で法律の危うさも知り、一般の人では行わないような脱法行為も平然と行う。その行為が、何も行わないように見える現状の政治に落胆した国民には頼もしく見えるのだが、しょせんは拝金主義者で権力主義者だ。圧倒的多数の国民である貧乏人の希望を叶える政治家になど、絶対に成り得るはずがないのだ。
今はマスコミが売れ筋として持て囃すし、実態を見抜けない人たちの支持によって幻想を振り撒いていられようが、その賞味期限の切れる日も遠くないだろう。

大丈夫かねぇ

2012-03-02 | Weblog
今朝は、袴田事件の本人からDNAを採取して鑑定するニュースがあった。
それに飯塚事件でも、久間さんのDNAと鑑定するニュースがあって、いよいよ再審の本格的な流れが始まったと思った。
ただ、両事件ともに危うさも感じている。
何しろ、相手は白を黒と強弁する検察、白を黒とするためには証拠も改ざんするし、捜査報告書もでっち上げることが明らかになった検察だ。どのような工作をするか判らない。
更に、科学警察研究所が絡んでいるとあっては、もはら正しいモノが示されると考える方がおかしい。既に改ざんされた鑑定物が提出されるならば、何をしても真実は明らかにされないだろう。
袴田さん本人のDNAを採取するのに、何故か判らないが、裁判官はもとより検察官も弁護人も立ち会わずに、ただ鑑定人に任せるらしいのだ。それは拘置所は検察の配下だ。検察官が立ち会わずとも検察官の意のままになせるだろうから良いが、それで公正さを担保出来るのだろうか。
既に死刑を執行してしまった飯塚事件は、科学警察研究所から取り寄せる鑑定資料が正しくあるはずもなく、でっち上げ資料で有罪判断を後押しして再審の流れを阻止しようといているのかも知れないと感じるが、より公正な調査が行われないものかと考える朝だった。