桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

修習生

2012-03-01 | Weblog
昨夜は水戸で修習中の人たちに布川事件の体験を話しました。
昨年は、丁度、あの大震災当日で中止になったが、今年は無事に行われた。
二つ、書いておきたいことがある。
ある修習生は「自白が有罪の根拠になった判例が生きていることをどう思うか」て言った。
案の定だ。一緒にいた布川弁護団の先生が「無罪になったので判例は生きていない」と言ってくれたが、これも司法研修所が訂正もせずに最高裁判例を教科書に載せ続けているせいだ。
もう1つは、検察の飲み会で、前検事正の乱行を聞いたところ、場が凍りついたという話だ。「明るく話題になるかと思ったが、あぁなるとは思わなくて驚いた」と言っていたが、失敗を失敗と認めない組織は、何事があっても見ざる知らざる語らざるで遣り過ごしているのだと確認する思いになる話であった。
若い法曹家たちの未来が、真に正義の体現される時代になって欲しいし、そのたもに頑張ってと願う気持ちを込めて話し、語り合って来た。

常識

2012-03-01 | Weblog
裁判員を体験した人たちが、「証拠の全面開示」などを求める意見を出した。
多分、裁判の現状を知って「これではダメだ」と判ったのだろう。
今まで、この状態を許して来た法曹は法律が存在すると、それを疑わずに従い、法律の中でのやり取りで生きて行く性質があるのかも知れない。そこに入った素人たる国民は、総てに新しい気持ちで立ち向かうから素直に疑問を疑問と感じ取れるのだろう。
俺の念願である証拠開示法の実現に希望となる裁判員経験者の行動だった。

こんな輩が

2012-03-01 | Weblog
但木敬一の顔を、久しぶりにテレビで見た。
この男、産経新聞1面に社会のアレコレを訳知り顔で書いているが、元検事総長だ。正義面をした悪党たちの親玉立ったのだ。
俺たちの再審に抵抗したときに東京高検検事長、そして検事総長を務めた奴だが、全く反省出来ないタマが、何と民間の原発事故調査員になって政府の行動を検証して批判したのだから恐れ入る。
そんな暇があるならば古巣の検察庁の歴史を検証したら良い。
こんな輩がシタリ顔で大災害の検証だと来ては世も末だねえ。