桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

何故だ!

2011-01-31 | Weblog
あれは何年前になるだろうか、清水誠先生が千葉刑務所に面会に来て下さったことがある。
先生は都立大学の教授をなさっていたが、布川弁護団に加わると言って来て下さった。それまでは手紙のやり取りだけだったが、誠実なお人柄は、そのお手紙だけでも判ったけど、面会後、立会人看守の遠藤さんが「素晴らしい人格者だなぁ」と感服したように言った。
俺も、遠藤さんと同じように言葉、会話から人格を感じたので、全くと思ったが、遠藤さんは「桜井は幸せだなぁ、あんな人に支援されて」と言い、弁護士なんって言ったって、ひどい奴がいると、面会で体験したと弁護士への不満に話を変えたのだった。遠藤さんは、常に批判的に人を見る方だったから、清水先生への賛辞が凄く嬉しかった思い出がある。
清水先生は仮釈放で社会に帰った後も、私たちの私生活の支援までしてくれた守る会の代表世話人として、本当にお名前と同じに誠実にご支援の力を貸して下さっていた。
昨年、ドイツに旅行されて帰国された後、少し体調を崩されたと、会議や集いを欠席されていたが、何年か前のご病気ゆえと軽く考えていたらば、今日、突然にご訃報を知らされた。
言葉を失う思いで、先生との月日を考えていたらば、せめて無罪判決を聞いて欲しかったなぁと、ただただ残念だ、悔しかった。
先生、もう少しでしたのに!

違うんじゃないかなぁ

2011-01-31 | Weblog
郵政不正でっち上げ事件で逮捕された、大坪・佐賀両検事が釈放になった。
二人は自分の名誉のために戦うと言った。それは好きにやればいい。真実を明らかにすることが大事だし、二人の真実を語り、裁判をすれば良いと思う。
だけど、検察庁のコメントは違うと思う。淡々と、とか、粛々と、とか言うが、そうかなぁ。検察庁が組織としては無関係だと思っているから、こんな冷めた言葉しか出ないのだ。この事件は大坪さんと佐賀さんだけの罪でない。
郵政不正事件の村木さんに対する冤罪は、一度有罪と決めたらば、もう後戻りしない、出来ない組織ゆえに作られた冤罪だ。神のごとくに間違いない人は存在しない以上、人の集まりたる検察庁も間違う。その間違いないを認めないところから、数多の冤罪も生まれているのに、そこには目を閉ざして一度も冤罪を作る誤りがなかったかのように振る舞っているところにこそ、検察庁の罪の根があるのだ。
このコメントを見る限り、検察庁改革など、有り得ない、夢のまた夢だろう。

墓参り

2011-01-31 | Weblog
昨日は、俺の住む中田切地区の祭りの一つである「初ばやし」だと思い、参加するつもりでいたが、もう終わっていた。何でも、15日に一番近い日曜日に行われるらしく、今年も16日に行われていたのだ。
祭りの後、水戸に帰るのに連れ合いが迎えに来る予定だったが、祭りがないので早目に来て貰い、墓参りに行った。
例年ならば正月でも、少しは草が伸びたりしているものだが、今年は寒さが厳しいせいか、殆んど草が無かった。
地区の墓は、総てが立派な石造りになった中、我が家だけは木の墓標に土饅頭だ。墓標を守るように育った椿。その前にある沈丁花があるが、墓標の左に根ついた菊も咲くようになった。総てを再審の活動第一に生活して来たゆえだが、もうすぐ墓を造ることが出来るだろう。地下の両親がどう思っているか判らないが、きっと俺の重ねた月日を良しとしているだろうと思っている。