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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

黒潮盃&特殊性と一般性

2006-08-16 22:54:25 | 地方競馬
 第40回黒潮盃今野忠成騎手騎乗のアスターバジルが道中は中団につけ,絶好の手応えで馬群の中を進むと直線では外に出し,一気に伸びて後続に大きな差をつけて快勝,重賞初挑戦で初優勝を達成するとともに,連勝を6に伸ばしました。
 勝ち馬の前目のインを進んだステップクローザーは4コーナー手前で手応えが怪しくなり,早くも鞭を入れられていましたが,直線はしぶとく伸びて2着を確保。
 さらにその前の外を進んだケイアイプラネットは,直線では先頭に立つシーンもありましたが,後方から内を一気に伸びた3着のグリーンベイにもゴール寸前で僅かに交わされ4着でした。

 明日は3つあります。まず竜王戦の挑戦者決定トーナメントの準決勝。まだ準決勝ですが,森内名人と佐藤棋聖という好取組なので紹介します。勝った方が丸山九段との挑戦者決定三番勝負に進出します。

 次に旭川でブリーダーズゴールドカップ(記事は18日)。上位拮抗で難しいですが,パーソナルラッシュ◎を1番手に推します。能力的にはトップと思いますが,常に能力を全開できない部分が不安です。そしてタイムパラドックス○。こちらはここ2走,レースで引っ掛かっている点が気掛かり。明日もそれが出るようだと苦戦しそうです。そしてイングランディーレ▲。ローテーションもよいですし,大負けだけは絶対にないでしょう。上位2頭の不安が的中すればハードクリスタル△にもチャンスがありそうです。

 最後に函館記念の決勝(記事は19日)。並びは,武田ー神山ー手島の関東,金子ー山口の中部,村上ー藤井の近畿は初手は中部追走でしょう。残った渡部ー佐藤の混成ラインです。中心は神山選手◎。このラインが強力で,武田選手▲と手島選手△。あとは金子選手○です。

 存在するのは個々の関係だけであって,これを原因が与えられれば必然的に結果が与えられると一般化することはできないのではないかという疑問は,スピノザ自身の考え方からしても妥当ではないかと僕は思います。というのはスピノザは『知性改善論』において,ものは一般的に概念されるほど混乱していて,多くのものに帰せられ,特殊的に概念されるほど明瞭であるという意味のことを述べていて(五五),これは『エチカ』にも受け継がれているからです。
 普通は僕たちはものは一般的に概念されるほどより真理に近いと考えがちですが,これは逆でむしろ誤りですし,僕もこの考えには賛同します。しかしそうであるならば,同じことがこの原因と結果の間の必然的な関係にも当てはまるのではないでしょうか。
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サマーチャンピオン&様ざまな因果関係

2006-08-15 20:44:54 | 地方競馬
 サマーチャンピオン(映像)はビッグフリートが先手を取る展開。これを2番手で追走していたメイショウボーラーが直線の入口で並びかけて先頭を奪うと,メイショウボーラーをマークする形で進んでいたメイショウバトラーがさらに並びかけて,直線はこの2頭のマッチレース。結局ゴール前では外のメイショウバトラーが僅かに出て,阪神のプロキオンステークスに続いてダートGⅢ2連勝となりました。ビッグフリートは2頭に交わされてからもよく粘ったのですが,大外からワンダーハヤブサが伸びて3着になりました。
 勝ったメイショウバトラーは血統的には明らかにダート向きなのですが,芝でもGⅢを勝つほどの活躍を見せたため,ようやくダート重賞に転戦したのが前走。今回は斤量差もありましたが,メイショウボーラーを負かしたわけで,実質的には牝馬ではトップに踊り出たといえると思います。僕の考えではもう少し長い距離の方が向く筈で,今後も活躍が期待できると思います。

 明日は大井黒潮盃です。予想(展望)しますがさらに難しい。ここは上がり馬の競馬になると思われ,船橋のステップクローザー◎に期待ですが,川崎のアスターバジル○とどちらが上かは難しいところ。地元の大井からはケイアイプラネット▲。実績馬からはサワライチバン△と牝馬でもグリーンベイ△。ほかにも有力と思える馬がいますが,きりがないのでここまで。

 木は燃えることで炭になります。このことのうちには確かにある因果関係が含まれています。そこで,この因果関係は必然的であるということを認めることにします。一方,静止している物体Aに,物体Bが衝突することによって,物体Aがある運動を開始すると考えれば(実際にこうしたことは生じるでしょう),ここにもある因果関係が含まれているといえます。そこで,これも必然的であると認めておきます。
 しかし,木が炭になる必然性と,ある物体が運動を開始する必然性が,同じ意味で必然的であるとどうしていえるでしょうか。ここには各々の関係においてある必然的な関係があるだけであると,さらにもっといえば,ここにあるのは単にそうした必然的な関係だけであって,そのうちの一方を原因と規定し,他方を結果と規定すること自体,ある幻想に基づいていると考えることすらできるのではないでしょうか。少なくともスピノザが,一般に原因が与えられれば必然的に結果が与えられるということの根拠が,この中に含まれているとは思えないのです。
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クラスターカップ&同一の必然性

2006-08-14 20:16:40 | 地方競馬
 第11回クラスターカップ(映像)は道中2番手を追走していたディバインシルバーが,4コーナー手前で先頭に立つと,後続を離して逃げ込みを図りました。しかし道中は3番手を走っていたアグネスジェダイが,追い出して少しもたついた感こそあったものの,ゴール前で僅かでしたがきっちりと捕え,さきたま杯北海道スプリントカップに続き,GⅢ3連勝を達成し,通算でも重賞5勝目(GⅡ1勝,GⅢ4勝)となりました。
 ディバインシルバーはさすがに得意コースだけあって,最近の成績からは健闘といえる2着。
 1番人気に推された(意外でした)トウショウギアが3着でした。
 勝ったアグネスジェダイは典型的なスプリンターで,たぶん体質的に太りやすいため,暑い時期がいいタイプ。JBCは11月の上,今年はマイルということで,GⅠ制覇は難しそうな気がします。

 明日は佐賀競馬場でサマーチャンピオン(昨年はアグネスジェダイはこちらに出走し,重賞初制覇を達成しました)です。これは難しい。一応はメイショウボーラー◎に期待します。相手はニホンピロサート○。ただ,両方とも休み明けで,不安はあります。順調なのはメイショウバトラー▲。ただこの馬は地方コースが初出走で,小回りの1400メートルへの適性が問われます。あとワンダーハヤブサ△で,穴なら高知のビッグフリート△。

 すべての因果関係にある必然性があることを認めても,だから一般に原因が与えられれば必然的に結果が与えられるといっていいとは僕には思えません。
 なぜなら,そのことが一般的にいえるためには,無限に多くある各々の原因と結果の間にある必然性が,何らかの意味において,同じ意味で必然的であるといえることが必要ではないかと思うからです。つまり,AからBが必然的に生じ,CからDが必然的に生じ,またXからYが必然的に生じ,という具合に,すべての因果関係の間にある必然性を認めたとしても,このこと自体のうちにはこれらの必然性が同一の意味で必然的であるということは,少しも含まれてはいないと思われるのです。ならばこのことだけをもって,原因が与えられれば必然的に結果が与えられるということを,一般的にいうことはできないのではないでしょうか。
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小田原記念&すべての因果関係

2006-08-13 19:55:10 | 競輪
 小田原記念の決勝は4分戦だけにやや出入りの激しい展開になりましたが,最終的に主導権を取ったのは吉川選手。これを山田選手が叩こうとしたのですが,出口選手の牽制もあって出きれず,このラインの3番手を追走していた堀選手が3番手を確保していた荒井ラインの3番手に切替えました。最終バック手前から後方の市田選手が発進。しかし合わせるように出た荒井選手と小野選手ともつれるような感じになり落車。結局,前段の2車を楽に捲りきった荒井選手が完全優勝(4日間とも1着)。切替えていた堀選手が直線は内から伸びて2着。外にいった小野選手は3着でした。
 優勝した佐賀の荒井崇博選手は,ヤンググランプリGⅡは優勝していますが,今回の調子を維持できるようなら,GⅠの優勝にもそろそろ手が届きそうです。記念競輪は5月の大垣記念以来です。

 この時期は公営競技は稼ぎ時。明日からは函館記念です。

 そして明日は盛岡競馬場でクラスターカップがあるので予想します。このメンバーであれば中心はアグネスジェダイ◎です。負かすとすればトウショウギア○でしょう。力は衰えた感じですが,盛岡は得意としているディバインシルバー△,格下ですがオフィサー△,あとコアレスデジタル△まで。

 AからBが生じるのが必然的であるからといって,一般に一定の原因から必然的に結果が生じることには必ずしもなりません。自然(思惟の属性も含めて)のうちには,AからBが生じるだけではなく,CからDが生じ,XからはYが生じというように,それこそ無限に多くの原因と結果の関係があるのであって,それらすべての因果関係の間に必然性があるのでなければ,一般に原因と結果の間に必然性があるということにはならないからです。
 したがって,これを否定するためには,たったひとつだけ,原因と結果の間に何の必然性もないということを証明するだけで十分なのですが,実際には,偶然とは必然性に関するある認識の不足であるというスピノザの主張の前では,それすらも困難なわけです。したがって,とりあえずは,無限に多くあるそうした因果関係のすべての間に,何らかの必然性があるということを認めておくことにします。
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鞭の使用&偶然の証明

2006-08-12 22:37:13 | 海外競馬
 キングジョージの記事の補足として,なぜ僕が騎手の鞭の使用を制限することをばかげたことだと考えるのかを説明します。まず基本的にサラブレッドは競馬のために(乗馬にも用いられますが,メーンは競馬です)生産されるわけです。つまり,人間にとって,生きるためには必ずしも必要ではない娯楽のために生産されています。そしてサラブレッドにとって競馬とは,それ自体で苦しいものなのではないかと思うのです。したがって,動物愛護という観点からは,サラブレッドの生産自体がその精神から逸脱しているだろうと思います。しかし,野生のサラブレッドというのは存在しない(野生の馬はいます)わけですから,競馬がなくなればサラブレッドというのはほぼ絶滅状態になるでしょう。すると少し逆説的ですが,個々の馬(サラブレッド)という観点からすれば,馬は競馬によって淘汰されていくわけですから,レースで勝つということが,生き延びていき,また子孫を残していくために最善であるということになります。なので,もしも鞭で叩かれることによってレースで勝てるのであれば,叩かれないで負けるよりその馬にとってはよいでしょう。したがって,勝負に関係のないところで鞭を入れることを規制することは意味があるでしょうが,この場合のようにまさに勝負がかかった(しかも大レースで)場面の鞭の使用を制限するのは本末転倒だと思うのです。競馬というのが人間のエゴそのものを基本にしているのは事実ですが,それを認めた上で,騎手の鞭の使用を一律に制限することを,僕は疑問に思うのです。
 明日は小田原記念の決勝です。ラインは吉川ー出口の地元,山田ー斎藤の北日本,荒井ー小野の九州,市田ー山内の近畿中部で4分戦,関東単騎の堀は地元か北日本の後ろでしょう。ここは荒井選手◎と小野選手▲からいくか,市田選手○からいくかです。怖いのは斎藤選手△です。

 スピノザの考え方を一通りみたところで,必然性の問題に戻ります。原因から結果が必然的に生じるということが,それ自体で正しいかどうかを,偶然という観点から問題視してみても,スピノザにいわせれば,偶然というのは人間の知性が有限であるがゆえの認識の不足にのみ依存するのですから,ただそう考えることも可能であるというだけでは,有効な反論にはなり得ません。もしこの方法でこれ自体を否定しようとするならば,AからBが生じるのは偶然である(必然的ではない)ということを証明する必要があるのです。しかしそれを証明するのは困難です。したがって,この点に関しては,スピノザの主張をとりあえずは受け入れることとします。仮にこれを受け入れたとしても,まだこの強い意味の因果論には問題が残っているように思うからです。
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銅門賞&偶然と可能

2006-08-11 23:09:44 | 競輪
 小田原記念の2日目優秀として行われた銅門賞
 神奈川勢は吉川選手が先頭での競走でしたが,どこかちぐはぐな駆け方になってしまい,一旦,連結が切れてしまいました,これは高木選手が追い上げてまたドッキングしたのですが,五十嵐選手の番手発進にまた離れてしまいました。結局,五十嵐選手は単騎の捲りのような形となり,中団を確保していた荒井選手が五十嵐選手のさらに上を捲って1着。このライン3番手の市田選手が2着に食い込み,荒井選手マークの小野選手が3着ということで,荒井ラインの上位独占でした。

 ではスピノザが偶然というのをどう考えるかというと,これは必然性に関するある認識の不足なのです。つまり,たとえば僕たちがあるものについて,それが不可能ではないということは理解していても,いかにしてそれが必然的であるかを認識できないとき,そのものについてそれを偶然というのです。
 そして逆に,僕たちがあるものについて,それが必然的ではないということは理解していても,それが不可能であるとは認識できない場合には,それを可能(可能性がある)といいます。つまり,必然と不可能がひとつのセットであるように,スピノザ哲学では偶然と可能がひとつのセットなのです。
 ただし,いかにすべてのものが必然的であるか,そうでなければ不可能であるのだとしても,人間の知性というのは有限ですから,理解できることには限界があって,すべての必然性を十全に認識できるわけではありません。したがって,単にある人間の知性(精神)だけに注目する場合には,そこには偶然とか可能といった事柄があるということはスピノザも認めると考えていいでしょう。しかし,すべてが神のうちにあると考える限りでは,すべては必然であるか不可能であるというのがスピノザの考え方なのです。
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佐藤隆騎手&必然と不可能

2006-08-10 22:19:32 | 地方競馬
 4月25日の浦和競馬で落馬事故に見舞われ,頭蓋骨骨折,脳内出血で意識不明の重体となっていた船橋の佐藤隆騎手が,一昨日の深夜に亡くなりました。
 あってはならないことですが,騎手の殉死はなくなりません。南関東では,6年前に浦和の松井達也騎手が殉死して以来ですが,そのときも今回と同じ浦和の3コーナー過ぎでの落馬事故でした。浦和の3コーナーは下に川が流れていて,馬が集団で通過するときに馬場が揺れるといいます。そのことと事故との因果関係は不明ですが,何らかの改善の余地があるかもしれません。
 船橋では長く石崎隆之騎手がトップとして君臨し続け,その後は大井の内田博幸騎手の台頭で,佐藤隆騎手はスーパーサブ的存在の比較的地味な騎手であったため,大レース(統一GⅠ)こそネームヴァリューの帝王賞での1勝のみですが,南関東の重賞は毎年コンスタントに勝っていて,腕は確かでした。現在,マイルグランプリかしわ記念帝王賞と3連勝中のアジュディミツオーも,東京ダービーは佐藤隆騎手の手綱で勝っています。まったくことばもありませんが,ご冥福をお祈りします。

 明日の小田原記念の2日目優秀を予想します。並びの予想から。地元4名はさすがに結束するでしょう。五十嵐と吉川の前後は分かりませんが,動けるふたりが前で,高木と新藤が続くと思います。ほかに東がふたりなので,斎藤に十文字だと思います。荒井には小野の九州。市田選手は単独ですが,たぶんこのラインから。中心は高木選手◎になります。相手○は五十嵐選手か吉川選手のどちらか(番手を回る方)。あとは荒井選手▲で,好調の市田選手△まで。

 スピノザによれば,自然のうちには必然的なことだけが生じ,偶然はないのですから,スピノザの哲学では必然の対義語は偶然ではありません。では何が必然に相対するのかといえば,それは不可能です。つまり,たとえば,現実的に存在するものは必然的に存在するのであって,現実的に存在しないものは,それが現実的に存在することが不可能であるから存在しないのです。この点について詳しく知りたい方は,第一部定理三三の備考一をお読みください。
 僕がここでいっておきたいのは,第一部公理三において,前半(強い意味)で、原因が与えられれば必然的に結果が与えられるといわれ,後半(弱い意味)では原因が与えられなければ結果が生じるのは不可能であるといわれているのには,こうした意味合いが含まれているということです。つまり,第一部公理三は,必然と不可能がふたつでセットになっているのです。
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ディープインパクト&第一部定理二九

2006-08-09 22:13:40 | 海外競馬
 キングジョージを走ったハーツクライはすでに帰国していますが,今度はディープインパクトがレースに出走するために今日,出国しました。関東地方は台風7号に見舞われたために,ちょっとしたトラブルはあったようですが,飛行機は問題なく飛んだようです。目指しているのは凱旋門賞GⅠというレースですが,行われるのは10月1日です。ハーツクライは日本である程度まで仕上げてから渡欧したわけですが,ディープインパクトは現地で仕上げていくということですね。あるいはその前にひとつ,慣れるというためにレースを使うのかもしれません。凱旋門賞は,位置付けとしてはその年のヨーロッパの中・長距離チャンピオン決定戦のようなもので,やはりキングジョージ同様に,ヨーロッパの競馬関係者からすれば,日本の馬には勝たせたくないレースのひとつでしょう。しかしもちろん,ディープインパクトの実力をもってすれば,チャンスが大きいことはいうまでもありません。主戦の武豊騎手は先週からフランスに遠征していて,到着したディープインパクトと顔合わせをした後,来週から日本で騎乗を再開する予定です。
 競輪は明日から小田原記念が始まります。

 必然性に関するスピノザの考え方をみておくために,第一部定理二九を紹介します。「自然のうちには一として偶然なものがなく,すべては一定の仕方で存在し・作用するように神の本性の必然性から決定されている」。ここはあくまでも考え方を紹介するだけなので,証明は省略します。つまりスピノザにいわせれば,すべてが必然的であって,偶然であるものはないのだから,強い意味の因果論に対して,AからBが生じるのは偶然であるという反論は成立しないということになるのでしょう。しかし,それが定理として証明されるのと,公理として自明であるというのでは意味合いが違う筈で,この部分はスピノザの弱点でしょう。一方,AからBが生じるのは偶然であるというのは,そう考えることができるという意味であって,そうであると証明するのは難しく,これが反論する立場の弱点であるということになります。

 
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ふるさとダービー富山&必然性の問題

2006-08-08 22:49:29 | 競輪
 ふるさとダービー富山の決勝は,まず道中7番手の渡部ラインが上昇,これを4番手だった武田ラインが抑えると,一旦引いた平原と渡辺晴智で打鐘(残り1周半)からかまして先行。ここで2車が後続を離しました。3番手を確保した武田がバックから捲ると渡辺晴智が大きく牽制。ここで武田に続いていた選手が次々に内にもぐり込み,大きくもつれて4人が落車。結局,平原選手が逃げ切って優勝,内には行かずに外を踏んだ渡部哲男選手が2着で,渡辺晴智選手が3着でした。
 優勝した埼玉の平原康多(こうた)選手は,ビッグはおろかグレードレース自体これが初優勝。競輪学校87期,まだ24歳の新鋭で,先週の福井記念の山崎選手に続いて若手選手の優勝。今回の平原選手は展開に恵まれた感も否めませんが,競輪界は今年が世代交代の1年になるのかもしれません。

 強い意味の因果論で,まず問題にしたいのは,原因が与えられれば必然的に結果が生じるといわれるときの,必然性の問題です。というのは,AからBが生じるという事実があったとしても,この事実の中に,それが必然的であるということは,必ずしも含まれてはいないように思われるからです。
 つまり,考え方としては,AからBが生じたが,AからはBではなく,CやDも生じる可能性があり,それが今は偶然に(必然的にというのとは反対の意味で)Bが生じたとすることも可能でないとはいえないと思うからです。つまり,スピノザは,何を根拠にAとBの間には必然性があるといえるのか,それが疑問なのです。
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王座戦&弱い意味

2006-08-07 22:40:24 | 将棋
 王座戦の挑戦者決定戦は後手になった深浦八段のごきげん中飛車。深浦八段は居飛車の本格派という感じでしたが,近年は振飛車もやります。佐藤棋聖は得意の角交換から▲9六歩。後手が向飛車にして持久戦になるのかと思いきや,後手が銀冠に組むために△8三銀と上がって6一の金が浮いたところで先手から仕掛けて銀交換。どうもこれで早くも先手が一本取ったようです。その後,先手が銀のただ捨てからと金を作る展開には驚きましたが,先手優勢は動かなかったようで,深浦八段の端からの反撃をきっちり凌いで佐藤棋聖が勝ちました。これでまた羽生対佐藤のタイトル戦が実現することになりました。第一局は9月7日。この顔合わせは2年連続3度目ですが,王座戦では佐藤棋聖は羽生王座にまだ1勝もしたことがありません。
 明日はふるさとダービー富山の決勝です。並びは関東は別れて武田,大薗の茨城に九州単騎の大塚。平原には静岡の渡辺晴智。渡部哲男,梶応,小川巧の四国中国。中部単騎の加藤が自在戦。難しいです。一応は先行か捲りで武田選手◎が決めるとみますが,相手には番手を奪いにきそうな加藤選手○を抜擢。うまく捲りに回った場合の平原選手▲と渡部哲男選手△で。

 ふたつの意味のうち,弱い意味の方には僕は問題がないと思いますし,ニーチェもこれは否定し難いのではないかと思います。というのは,スピノザは定理一七の備考で,神の本性には知性も意志も属さないことを説明する過程で,結果というのは本性においても存在においても原因とは異なるという意味のことをいっていますが,これを覆すのは難しいです。つまり,A(原因)からB(結果)が生じるとき,B(結果)はA(原因)とはその本性も存在も異なるからB(結果)といわれるわけです。すなわち,原因が与えられなければ結果が存在することは不可能であるというのは,そもそもそれが原因あるいは結果といわれることの意味の中に含まれているのです。ですから僕はこの弱い意味の因果論については何も問題とはしません。
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峻峰剱賞&ふたつの意味

2006-08-06 21:37:09 | 競輪
 峻峰剱賞は道中7番手の平原ラインが前を取った小嶋ラインを抑えると,渡部ラインがこれを叩いて先行。中団を取った平原選手が1コーナーを過ぎた辺りから早くも発進,大塚選手のブロックをものともせずに捲りきり,結局,平原選手の番手の佐藤選手が交わして1着,平原選手が2着に粘りました。このライン3番手の坂本選手が離れ気味になり,渡部ラインの3番手から佐藤選手にスイッチした感じになった紫原選手が直線も外,外と踏んで3着に食い込んでいます。
 7番手に置かれた小嶋選手は見せ場も作れませんでした。

 明日は王座戦の挑戦者決定戦があります。勝ち上がったのは佐藤棋聖と深浦八段で,これは昨年と同じ組み合わせ。昨年は後手になった佐藤棋聖が一手損角換りで制しましたが,羽生王座に3連敗してタイトル奪取はなりませんでした。対戦成績は佐藤棋聖からみて11勝8敗。直近は佐藤棋聖が4連勝しています。

 第一部公理三には実はふたつの意味があります。
 ひとつは前半部分の,原因が与えられれば必然的に結果が生じるという意味で,もうひとつは後半部分の原因が与えられなければ結果は生じないという意味です。
 実際,このふたつは違う意味なのです。というのは,もし,原因が与えられれば必然的に結果が生じるなら,原因が与えられなければ結果は生じないということがそこから出てきますが,原因が与えられなければ結果が生じないからといって,原因が与えられれば必然的に結果が生じるということにはならないからです。
 そこで,僕はこの公理の前半部分についてそれを強い意味の因果論といい,後半部分については弱い意味の因果論ということにします。
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敬称&ニーチェの反論

2006-08-05 22:15:24 | NOAH
 僕がNOAH現在形と評した4人のうち,丸藤選手と森嶋選手はキャリア8年,力皇選手とKENTA選手がキャリア6年になります。プロレスの世界では一般的には年齢に関係なくこの世界に先に入門した方が先輩ということになり,先輩は後輩を呼び捨てにし,後輩は先輩をさん付けで呼ぶのですが,NOAHでは少し事情が異なります。この4人のうち,大相撲からプロレス入りした力皇選手だけは30代で,あとの3人はまだ20代ですが,先輩である丸藤選手は力皇選手のことを「力さん」と“さん”をつけて呼びます。それどころか自衛隊出身で昨年暮れにデビューしたばかりの谷口選手のことさえ,丸藤選手は「お谷さん」と呼んでいます。おそらくこれは,NOAHの前身である全日本プロレスを設立したジャイアント馬場さんの教えを踏襲したもの。馬場さんは,プロレス界では先輩でも,年上の人間には「○○さん」と呼ぶように指導していたようです。たぶん馬場さんが,プロレスに入門する前に,プロ野球界に身を置いていたことが影響しているものと思われます。
 ふるさとダービー富山,明日は2日目で峻峰剱賞(何と読むのでしょう?)が行われます。並びは,関東単騎の平原選手に佐藤選手と坂本選手の北日本,小嶋選手と加藤選手の中部に佐々木選手,渡辺選手ー大塚選手ー紫原選手の西国勢で3分戦。勝ち上がりにまったく無関係なので難しいのですが,平原選手○の先行が予想され,佐藤選手◎が中心。もちろん小嶋選手▲と加藤選手△であっさり捲ってしまう可能性もあるでしょう。

 ニーチェとスピノザの対立点として,ニーチェはスピノザの因果論を,目的論の変種とみなしているといいました。なので,たぶんニーチェは公理三を認めないと思います。ただ,ニーチェの論述というのはあまり体系立ってなく,スピノザ,なかんずくエチカと比較した場合には断章といってもいいくらいです。ここでこれから考えていくことに関しては,ニーチェに負っている部分がかなり大きいのですが,こういった事情ですから,ニーチェの哲学そのものではなく,僕が部分的に解釈した限りでのニーチェの哲学という形でこれを利用していきます。したがって,僕はその都度ニーチェの名前を出すことはしないということを初めにお断りしておきます。
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王位戦&第一部公理三

2006-08-04 22:40:09 | 将棋
 王位戦の第三局は先手の佐藤棋聖が勝って対戦成績を1勝2敗とひとつ戻しました。ここまで,昨年とまったく逆の展開です。
 相矢倉というのは難しくて,この将棋だと,後手の羽生王位が自分の守りの桂馬を先手の攻めの桂馬と自ら交換しにいくように指したのは僕には不思議に感じられますし,また,封じ手後の何手かの指し手の意味とかは,まったく真意を推し量ることすら僕のレベルではできないです。ただ,将棋そのものの展開としては,後手の飛車と角が終始働かずに終りましたので,おそらくその分だけ,先手がずっとリードしていて,最後まで押し切ったものと考えていいように思います。
 第四局は少し間を置いて,22日と23日に指されます。

 明日からGⅡの,ふるさとダービー富山が始まります。8日まで,4日間の開催です。

 またどうしようか迷ったのですが,せっかく第一部公理五について考え終えたところですし,同じ第一部の公理の中から,第一部公理三について考えていくことにしました。
 「与えられた一定の原因から必然的にある結果が生ずる。これに反してなんら一定の原因が与えられなければ結果の生ずることは不可能である」。
 この文章は第一部公理五とは違って,理解する上で難解な部分はないと思いますし,また,この文章の通りに理解して構いません。
 これはスピノザが物事を論理的に考えていく上で,基本的な原理として採用する因果論に関係する公理ですから,ある意味では,『エチカ』の全体の中でも最も重要な公理といえるかもしれません。
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名人戦&第一部公理五まとめ③

2006-08-03 22:56:48 | 将棋トピック
 名人戦第一局の記事に少し書きましたが,名人戦の主催社を替えようという動きがありました。その後,紆余曲折あって,1日に臨時の総会が開かれ棋士(引退棋士を含み,女流棋士は含まれません)による投票の結果,11票差で毎日新聞の提案が否決され,毎日が単独で主催する名人戦はとりあえずは来年が最後となりました。ただ,今回の議決は5月の総会の決議と毎日の要望で,毎日新聞と朝日新聞の二者択一ではなく,単純に毎日の提案の賛否を問うたので,朝日と毎日が共同で主催する可能性も残されているようです。個人的には,僕は部外者の1ファンですし,何より,どこが主催しようとそれで将棋内容が変わるわけではないですから,もともとどちらでもいいと考えていたので,これを棋士たちの総意とみなし,この結果を尊重しまた支持します。ただ,前に朝日から毎日に移行したときは2票差で,それよりは差がついているとはいえ,棋士を二分したことは間違いないですし,投票の結果自体は僕には意外なものでした。というのも,渡辺竜王森内名人羽生三冠といった有力棋士が,事前に毎日を支持することを表明していたからです。もちろんその是非はともかく強い棋士も弱い棋士も同様に1票を投じるわけですが,歴史的には強い棋士の意向が尊重されてきたものだからです。逆にいえば,こうした態度表明がなければ,もっと差がついたのかもしれませんが。ただいずれにしても,日本将棋連盟というのは内部に大きな矛盾や問題を抱えていて,本当の正念場はむしろこれからです。
 一昨日にこういう投票があって,今日から王位戦が指されているわけです。羽生王位も佐藤棋聖も気持ちの切替えが大変でしょう。佐藤棋聖の先手で相矢倉。比較的進んでいる感じです。

 平行論の帰結として,すべてのものは精神を有するわけです。もちろんそれですべてのものが現実的に何らかの認識をし得るということにはならないわけですが,思惟の様態のうち,第一のものは観念ですから,少なくとも論理的にはそう考えたとしても支障はないことになります。おそらくこの公理の背景には,スピノザのそうした考えが反映されていて,そのゆえにAとBに共通する属性が思惟の属性のみである場合には,AはBを,BはAを認識することができないというように言明されているのだと思います。そしてこの言明は,論理的には妥当であると僕は考えます。
 第一部公理五はこれで終りです。明日からまたテーマを変えます。
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サンタアニタトロフィー&第一部公理五まとめ②

2006-08-02 23:01:27 | 地方競馬
 今晩の大井第27回サンタアニタトロフィーは,道中は最後方に控えていた的場文男騎手騎乗のボンネビルレコードの末脚が直線で爆発,前を行く馬を並ぶ間もなく差し切って優勝しました。快勝といえる内容でしょう。ペースを緩めずに1番枠から逃げたベルモントソレイユが2着に粘り,3着争いは僅差となりましたが,3年前にこのレースを制しているコアレスハンターが,僕が期待したエイシンチャンプを抑えています。
 勝ったボンネビルレコードはまだ4歳。南関東の馬の中ではトップクラスの仲間入りを完全に果たしたという感じで,今後は全国レベルでどこまで戦えるかがこの馬の真価を問う場になりそうです。

 明日から王位戦の第三局が始まります。挑戦者の佐藤棋聖は2連敗していますから,ここも落としてしまうようだとタイトル奪取はほぼ絶望的となり,負けられない一戦です。

 後の定理を証明するために,第一部公理五に訴えるケースはそれほど多くありません。『エチカ』全体においては,第一部公理五はそれほど重要な公理ではないのです。なので,『エチカ』を読むにあたって,ここで躓いてしまうのはつまらないことです。そのわりに,この公理のスピノザの文章は難解ですから,次のように暫定的に理解することを僕は推奨します。
 もしもAとBに,思惟の属性以外に共通する属性がない場合には,Aを認識することによってBを認識することはできないし,逆にBを認識することによってAを認識することはできません。仮にこのように考えたとしても,これは公理として成立するでしょうし,後にこの公理に訴える例(たとえば第一部定理三)に照らし合わせても,この解釈の方が分かりやすいと思います。
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