スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

秋山準&内在的原因

2024-03-29 19:25:28 | NOAH
 三沢光晴小川良成をパートナーに指名し,アンタッチャブルというチームを組んだのは,それまでのパートナーであった秋山準が小橋建太と組むことになったからという理由でした。
 秋山は専修大学のレスリング部に在籍していました。当時の専修大学出身者は新日本プロレスに入団することが多かったのですが,秋山は全日本プロレスに入っています。この経緯はふたつ伝えられていて,秋山自身が馬場から直接のスカウトを受け,全日本に行ってもよいものかと悩んで当時のヘッドコーチであった松浪健四郎に相談したというものと,秋山の知らないうちに馬場から大学にスカウトがあり,松浪に連れられて馬場と面会したというものです。いずれにしても馬場からのスカウトがあったのは確かで,馬場は秋山のことを評価していたということでしょう。
 秋山はジャンボ・鶴田のファンだったので,そのスカウトにより全日本プロレスに入団しました。入団の発表があったのは1992年2月。3月に専修大学を卒業し,同年の9月にはもうデビューしています。入門からデビューの期間が短かったのは三沢も同様ですが,秋山はデビュー戦の対戦相手が小橋でしたから,デビュー当初から大きな期待が掛けられていたことになります。その直後に鶴田が肝機能障害により欠場。鶴田のパートナーであった田上明と組んで年末の世界最強タッグ決定リーグに出場しました。
 トップクラスで戦っていましたが,全日本プロレス時代はシングルのタイトルは獲得することができませんでした。2007年7月にNOAHの旗揚げがあって移籍。この旗揚げ興行で鮮烈な印象を残し,翌年の7月にGHCヘビー級の王者になりました。その後も何度か獲得しています。小川がGHCヘビー級王者になったときの相手は秋山でした。
 2012年でNOAHを退団。翌月からは全日本プロレスに参戦しました。古巣に戻ったともいえますが,この頃の全日本プロレスは秋山の退団時の全日本プロレスとは体制が大きく異なっていましたから,復帰したという感じは僕にはあまりありませんでした。

 真理veritasのしるしsignumに関する論考はここまでです。
                                        
 『スピノザー読む人の肖像』の第三章で,内在的原因causa immanensについて触れられている箇所があります。この箇所について気になった点がありましたので,僕の考えを表明しておきます。
 『エチカ』で内在的原因が最初に出てくるのは第一部定理一八です。そこではDeusが,超越的原因causa transiensではなく内在的原因であるといわれています。このとき,内在的原因といわれるのは,結果effectusを自己のうちに生ずる原因のことで,超越的原因というのは結果を自己の外に生じる原因のことです。岩波文庫版の訳者である畠中によればこれは,17世紀初めにライデン大学で教授を務めていたブルヘルスダイクおよびその後継者であるヘーレボールドAdrianus Heereboordによる分節であるとのことです。『デカルトの哲学原理Renati des Cartes principiorum philosophiae pars Ⅰ,et Ⅱ, more geometrico demonstratae』の付録である「形而上学的思想Cogitata Metaphysica」の中ではスピノザはヘーレボールドに言及しています。これは意志voluntasに関連する箇所で,しかもスピノザはヘーレボールドの見解opinioを否定しているのですが,そのように触れているということは,ヘーレボールドのことを知っていたということは間違いありません。なので畠中はここでこの分節をヘーレボールドによるもので,スピノザはそれに従っているとみています。このことはたぶんその通りであって,スピノザは神は結果をそのうちに産出する原因であって,外に結果を産出する原因ではないということをここでいいたかったのでしょう。
 このこと自体は國分も否定していません。國分は当該部分で,一般的に原因と結果といわれる関係は,超越的原因であるけれども,神が万物の原因であるといわれる場合には,神は超越的原因ではなく,内在的原因であるということをスピノザはいいたかったのだと解釈できることをいっていますから,内在的原因が何を意味し,超越的原因が何を意味しているのかということに関しては,畠中と國分との間で,また僕との間で,何か相違があるというわけではありません。定理Propositioにおけるスピノザのいい回し自体が,神が超越的原因であると思っている人もいるだろうけれども,実際には内在的原因であると受け取れるようなものになっていますので,これは正しい解釈だと思います。

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