スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

三沢光晴&月の大きさ

2017-04-07 19:11:17 | NOAH
 『全日本プロレス超人伝説』の第10章は三沢光晴。三沢についてはいろいろと書いていますので,ここではタイガーマスク以前について記しておきましょう。
                                     
 三沢は小学生のときにはすでに将来はプロレスラーになることを志していました。その準備として中学時代に器械体操部に入部。プロレスラーになるために格闘技ではなく器械体操を選択するというところに,すでに三沢にはある種のプロレス的才能があったのではないかと僕には思えます。
 中学卒業と同時に入門したかったようですが,周囲の勧めもあって高校には進学。ここでも将来のためにとレスリング部に入部。1年後輩として入部してきたのが川田利明で,谷津の雑感④にあるように,ふたりは谷津の指導を受けています。
 谷津は指導したときは三沢は2年生だったといっていますが,このときにも三沢は入門しようと全日本プロレスの事務所を訪ねました。その場にはジャンボ・鶴田もいたようですが,高校を卒業しても心変わりしなければそれからでも遅くないと諭され,このときは入門を断念。3年生のときに国体で優勝しています。この実績があったため大学からの勧誘もありましたが,1981年の3月27日に後楽園ホールで馬場の面接を受け,入門を許されました。
 同年8月21日にデビュー。入門してから5ヶ月弱でのデビューは全日本プロレスでは異例の早さで,素質は見込まれていたと考えてよさそうです。国際プロレスの崩壊はこの後,9月のことですので,サムソン・冬木はプロレスのキャリアでは三沢の先輩になりますが,冬木が全日本に移籍した時点で三沢はすでにデビューしていたという時系列になります。
 1982年度にプロレス大賞の新人賞を受賞。1983年の春にルー・テーズ杯争奪リーグ戦が行われ,優勝したのは越中。三沢は決勝で越中に敗れて準優勝でした。このリーグ戦で優勝した選手には海外遠征の切符が与えられることになっていたのですが,これが三沢にも与えられ,1984年3月に越中と共にメキシコへ。7月に三沢だけが呼び戻され,二代目タイガーマスクとなりました。

 ここでは月の大きさを考察の対象とします。
 僕たちは月の大きさを正しく知ることができます。いい換えれば,僕たちの精神mensの現実的有actuale esseを構成する観念ideaのうちに,月の大きさに関する真の観念idea veraが存在可能です。これに異論はないでしょう。
 しかし,僕たちの精神のうちに月の大きさの真の観念が存在している場合でも,僕たちは月を知覚するpercipere,表象の種類の場合でいう知覚するとき,月を真の大きさより小さいものと知覚します。このことは目が不自由である場合には妥当しないかもしれませんが,そうでない限りにおいてはやはり異論はないものと思います。
 次に,この月の知覚perceptioは,月の大きさについての真の観念が,それを知覚する人間の精神mens humanaのうちにある場合でもない場合でも同じです。月の大きさについての真の観念がある人間の精神のうちにあるとしても,それはその人間の精神のうちに所与のものとしてあるのではありません。そうではなくてその人間が生きている過程において形成される観念です。したがって,月の大きさに関する真の観念が精神のうちに存在しないという状態を,すべての人間が経験します。これも異論のないところでしょう。
 その人間の精神のうちに,月の大きさの真の観念が形成されたからといって,月の知覚に変化が生じるわけではありません。むしろ真の観念がまだ存在していなかった時と同じように,その人間は月を知覚するのです。月の大きさに関する真の観念があろうとなかろうと,人間は同じように月の大きさを知覚するというのは,具体的にはこのようなことを意味していると理解してください。
 なぜこのようなことが起こってしまうかといえば,前者は月の本性essentiaあるいは月の本性に属する事柄を反映する観念であるのに対し,後者は月ないしは月光によって刺激されるaffici限りにおける僕たちの身体corpusの本性を反映する観念であるからです。他面からいえば後者は月の観念というより,このブログでいうところの身体の変状affectiones corporis,すなわち身体の刺激状態の観念であるからです。
 ここから理解できるように,月の大きさの真の観念は,月の大きさの誤った観念idea falsaを同じ精神のうちから排除することができません。
コメント
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