スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

チャンピオンズカップ&アイデンティティ

2023-12-03 19:20:07 | 中央競馬
 第24回チャンピオンズカップ
 ウィルソンテソーロはタイミングが合わず1馬身の不利。大外から先手を奪いにいったレモンポップの逃げとなってリードは2馬身ほど。2番手にドゥラエレーデで3番手がテイオーケインズとケイアイシェルビー。5番手はジオグリフとグロリアムンディとクラウンプライド。2馬身差でハギノアレグリアスとメイショウハリオ。その後ろがノットゥルノとアイコンテーラーで,その後ろがウィルソンテソーロ。アーテルアストレアが続いて最後尾にセラフィックコール。最初の800mは48秒8のミドルペース。
 直線に入るところでドゥラエレーデがレモンポップとの差を詰めていき,外を回ったケイアイシェルビーが苦しくなったので内を回ったテーオーケインズが単独の3番手に。直線に入るとまたレモンポップがドゥラエレーデとの差を広げていき,鋭く逃げ切って優勝。レモンポップとドゥラエレーデの間に進路を変更したテイオーケインズとドゥラエレーデが激しく競り合うところ,後方から大外を伸びたウィルソンテソーロが差して1馬身4分の1差で2着。ドゥラエレーデがクビ差の3着でテイオーケインズがクビ差で4着。
 優勝したレモンポップ南部杯からの連勝で大レース3勝目。このメンバーの中で近況と実績は文句なしだったのですが,1800m以上のレースに出走することもコーナーが4回というレースも初めてだったので,その点が案じられました。終わってみれば持ち前のスピードを生かす形で快勝でしたから,現状の能力でほかを上回っていたということでしょう。発馬直後に逃げるという姿勢を見せたことがよかったように思います。
 騎乗した坂井瑠星騎手は南部杯以来の大レース6勝目。チャンピオンズカップは初勝利。管理している田中博康調教師は南部杯以来の大レース3勝目。チャンピオンズカップは初勝利。

 ユダヤ人が,これはユダヤ民族がという意味合いの方が大きいのですが,一致団結してひとつの国家Imperiumに暮らしていたとき,そのこと自体がユダヤ人のアイデンティティになり得ました。他面からいえば,このような状態ではユダヤ人としてのアイデンティティなどというものを個々のユダヤ人は意識する必要はなかったのであって,ユダヤ人国家に暮らしているということだけで,ユダヤ民族としての一体感を保つことができたのです。これはモーセの律法が,人間の法lexと考えられようと神Deusの法と考えられようと変わるところはありません。
                                   
 ところがユダヤ民族の国家が滅ぼされて,民族が各地に散り散りになった後は,このような一体感もまた喪失することになります。そしてこのとき,個々のユダヤ人は,自身がユダヤ人であるということのアイデンティティを真の意味で必要とするようになりました。このときに,ユダヤ民族がモーセの律法を人間の法ではなく神の法であると解したことは,そのアイデンティティを確立するためにはとても有効でした。それが神の法であるのならば,国家が崩壊した後にもそれは有効ですから,ユダヤ人はそれを遵守することになります。そしてそれを遵守することで,ユダヤ人は自らがユダヤ人であるということを自覚できるようになるからです。
 このことは,スピノザやメンデルスゾーンMoses Mendelssohnが,教会の権力を批判することと一定の関係をもつことになります。なぜなら,現実的にユダヤ人がユダヤ人としてのアイデンティティを確立するのに役立ったのは,単にモーセの律法だけであったというわけではなく,教会の指導者であるラビたちの律法の解釈なのであって,その解釈によって実際にモーセが求めていたと思われる律法よりもさらに事細かな戒律が要求されるようになったからです。ただそのこともおそらくはユダヤ人が国家を滅ぼされたということと関連しているのであって,戒律が細かく規定されればされるほど,ユダヤ人はその細かい規定の一つひとつをを遵守することによって,ユダヤ人としてのアイデンティティというものをより確立することができたし,また自覚することができるようになったであろうと僕は思います。
コメント
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