スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オランダ王国友好杯&工藤の着眼点

2023-12-12 19:21:20 | 競輪
 10日の別府記念の決勝。並びは守沢‐内藤の東日本,三谷‐浅井の近畿中部,松浦‐佐々木‐渡部の瀬戸内,松本‐大塚の九州。
 浅井がスタートを取って三谷の前受け。3番手に松浦,6番手に守沢,8番手に松本で周回。残り3周のバックの出口から松本が上昇していこうとすると,守沢がそれを牽制。先に守沢が動いてホームで三谷を叩きました。これはイン斬りの作戦なので,内藤の後ろを追っていた松本がバックの入口では守沢の前に。3番手に守沢,5番手に三谷,7番手に松浦の一列棒状となって打鐘。このまま松本の先行に。ホームから松浦が動こうとすると先に三谷が発進して松浦はそれに乗る形に。追い上げてきた三谷をバックで守沢が牽制すると,そのまま自力で発進。マークの内藤と前を捲り切りました。大塚がスイッチしようとした動きで接触が発生し,松浦と三谷が落車。内藤が外から守沢を差しにいきましたが届かず,守沢が優勝。マークの内藤が半車身差の2着で東日本ラインのワンツー。大塚が内目から3着に入線しましたが,落車の原因を作ったために失格。4着入線の佐々木が2車身差の3着に繰り上がって確定しました。
 優勝した秋田の守沢太志選手は昨年11月の四日市記念以来の優勝で記念競輪4勝目。別府記念は2021年の6月に優勝。昨年はありませんでしたので連覇になります。このレースは松浦が佐々木の前を回るということで,展開の予想が難しくなりました。結果的にチャレンジャーの立場だった松本の先行に。その3番手を取ったのが巧みでした。中団から動いてインを斬り,後方の捲りを止めてから自力で発進と,八面六臂の走りでの優勝は見事だったと思います。

 こうしたことから分かるように,スピノザの哲学とカトリックの教義が両立するとみた工藤の見解opinioが,正しいかそうでないかを判断するためには,工藤がスピノザの哲学の中に何をみて,カトリックの教義の中に何をみたかということを確定し,それを比較検討していかなければなりません。しかし工藤は,カトリックについて何かを積極的に発言しているわけではないので,こうした比較検討をすることはできないのです。そこでここでは逆に,工藤自身がカトリックの教義がスピノザの哲学と両立するとみていたことに着目して,カトリックの洗礼を受けるに至った工藤が,カトリックの教義のどのような部分に着目していたのかを推測していくことにします。というのは,工藤はスピノザの哲学については多くを語っているわけですから,スピノザの哲学のどのような部分に注目していたか,とくに注目していたのかということはおおよその理解ができます。そうであれば,たぶんカトリックの教義の中にもそれと類似するような部分があって,その部分が工藤に注目され,工藤の受洗に至ったとみるのが自然でしょう。類似するのがどういう部分であるのかまでを特定することは僕にはできませんが,工藤がスピノザの哲学をみるときに,ある特徴があるのは事実ですので,それを明らかにすることによって,特定するためのヒントにはなるでしょう。
                                        
 『はじめてのスピノザ』について考察したときに,初心者でない人が入門書を読むということの一般的な意義がどのようなものであるのかということを説明したことがあります。著者の志向というのは,専門的なものよりも入門書の方に表れやすいので,その志向はむしろ入門書の方が理解しやすいということは,そうした意義のひとつです。工藤によるスピノザの入門書は『人と思想 スピノザ』で,それを利用してもよいのですが,ここではもっと分かりやすくするために,工藤自身の発言の中からそれを示していきます。
 『スピノザーナ15号』には,『スピノザーナ11号』に掲載された工藤へのインタビューの記録を務めた吉田和弘による,そのまとめが掲載されています。その中からふたつの部分をみていきます。
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