第75回朝日杯フューチュリティステークス。
1馬身ほど遅れたシュトラウスが外から上がっていって発走後の向正面の中途で先頭に立ちました。それまで逃げていたのがセットアップで差がなく続いていたのがクリーンエア。この後ろはタガノエルピーダとダノンマッキンリーとバンドシェル。2馬身ほどあってジャンタルマンタルとオーサムストロークとナムラフラッカー。10番手にタイキヴァンクールでその後ろにミルテンベルクとエンヤラヴフェイス。サトミノキラリとタガノデュードがいて,2馬身ほど離れた最後尾がエコロヴァルツとジューンテイクとアスクワンタイムの集団。前半の800mは46秒1のハイペース。
シュトラウスは先頭で4コーナーを回ってきましたが,その内に進路を取ったジャンタルマンタルがすぐに前に出ました。外の方から追ってきたのがタガノエルピーダとジューンテイク。さらに大外からエコロヴァルツの追い込み。エコロヴァルツが最も迫りましたが届かず,早め先頭のジャンタルマンタルが優勝。エコロヴァルツが1馬身4分の1差で2着。タガノエルピーダがクビ差の3着でジュンーテイクがアタマ差で4着。ジューンテイクとエコロヴァルツの間を伸びたタガノデュードが半馬身差で5着。
優勝したジャンタルマンタルはデイリー杯2歳ステークスから重賞連勝。デビューから3連勝での大レース制覇。このレースは前走で1番人気か2番人気に推されて勝った馬がそのまま勝つという傾向。今年はその傾向に合致する馬が8頭いたのですが,この馬は1600mの重賞ということで,このレースと同じ条件でしたから,ほかの7頭よりは優位ではないかとみていました。ペースが速かったのはシュトラウスが暴走気味に走ったためで,早めに先頭に立って粘りきったことは,そのペースほどに評価できるものではありません。ただ2着馬との着差は大きかったので,来年以降の活躍も期待できるのではないかと思います。Jantar Mantarはインドの天体観測施設。
騎乗した川田将雅騎手は秋華賞以来の大レース41勝目。第69回,72回に続いて3年ぶりの朝日杯フューチュリティステークス3勝目。管理している高野友和調教師はマイルチャンピオンシップ以来の大レース6勝目。朝日杯フューチュリティステークスは初勝利。
バーバラ・スィーリングBarbara Thieringという,その当時はシドニー大学で死海文書についての講義をしていた学者が書いた『イエスのミステリーJesus The Man -A New Interpretation From The Dead Sea Scrolls-』という本があります。学者が書いた本ですから学術書の扱いになっていますが,新約聖書の解釈に関する学術書としては問題を抱えている,極端にいえば問題しか抱えていないようなものなので,その点ではまったく推奨できるものではありません。ただ,新約聖書の福音書を,究極まで自然現象として生じたことと解することができるのかという実験としてとらえれば,なかなか面白い著作であるとはいえます。ここで僕が奇蹟miraculumと自然現象との間につけている区別distinguereがどのようなものであるかということがいまひとつ分からないということであれば,この本でスィーリングがなしている解釈は,その分節の理解の上で役立つでしょう。何しろこの本のような解釈をすれば,マリアが処女のまま懐妊してイエスを産んだというプロットについても,自然現象として解釈できるようになっています。ただ念のためにもう一度だけいっておきますが,これは解釈の上でのことなのであって,ここでスィーリングがいっていることを歴史上の事実と解釈しないでください。
スピノザはその処女懐胎や,イエスの復活などは自然現象として生じ得ないので,比喩的にしか解することができないといいます。後者については書簡七十八で現にいっていますし,前者についてもそういうのは疑い得ません。そこでもしもこの種の奇蹟を認めることができなければキリスト教徒とはいえないというのであれば,スピノザはキリスト教徒ではあり得ないことになります。実際にこの書簡を受け取ったオルデンブルクHeinrich Ordenburgは書簡七十九でスピノザに宛てて,キリスト教の真理veritasはイエスの復活の信条によって支えられているといっていて,少なくともスピノザが生きていた時代において,スピノザをキリスト教徒であったというのは無理があるといえるでしょう。
ただし工藤は現代人ですから,オルデンブルクと異なった考えをもつことはあり得ます。
1馬身ほど遅れたシュトラウスが外から上がっていって発走後の向正面の中途で先頭に立ちました。それまで逃げていたのがセットアップで差がなく続いていたのがクリーンエア。この後ろはタガノエルピーダとダノンマッキンリーとバンドシェル。2馬身ほどあってジャンタルマンタルとオーサムストロークとナムラフラッカー。10番手にタイキヴァンクールでその後ろにミルテンベルクとエンヤラヴフェイス。サトミノキラリとタガノデュードがいて,2馬身ほど離れた最後尾がエコロヴァルツとジューンテイクとアスクワンタイムの集団。前半の800mは46秒1のハイペース。
シュトラウスは先頭で4コーナーを回ってきましたが,その内に進路を取ったジャンタルマンタルがすぐに前に出ました。外の方から追ってきたのがタガノエルピーダとジューンテイク。さらに大外からエコロヴァルツの追い込み。エコロヴァルツが最も迫りましたが届かず,早め先頭のジャンタルマンタルが優勝。エコロヴァルツが1馬身4分の1差で2着。タガノエルピーダがクビ差の3着でジュンーテイクがアタマ差で4着。ジューンテイクとエコロヴァルツの間を伸びたタガノデュードが半馬身差で5着。
優勝したジャンタルマンタルはデイリー杯2歳ステークスから重賞連勝。デビューから3連勝での大レース制覇。このレースは前走で1番人気か2番人気に推されて勝った馬がそのまま勝つという傾向。今年はその傾向に合致する馬が8頭いたのですが,この馬は1600mの重賞ということで,このレースと同じ条件でしたから,ほかの7頭よりは優位ではないかとみていました。ペースが速かったのはシュトラウスが暴走気味に走ったためで,早めに先頭に立って粘りきったことは,そのペースほどに評価できるものではありません。ただ2着馬との着差は大きかったので,来年以降の活躍も期待できるのではないかと思います。Jantar Mantarはインドの天体観測施設。
騎乗した川田将雅騎手は秋華賞以来の大レース41勝目。第69回,72回に続いて3年ぶりの朝日杯フューチュリティステークス3勝目。管理している高野友和調教師はマイルチャンピオンシップ以来の大レース6勝目。朝日杯フューチュリティステークスは初勝利。
バーバラ・スィーリングBarbara Thieringという,その当時はシドニー大学で死海文書についての講義をしていた学者が書いた『イエスのミステリーJesus The Man -A New Interpretation From The Dead Sea Scrolls-』という本があります。学者が書いた本ですから学術書の扱いになっていますが,新約聖書の解釈に関する学術書としては問題を抱えている,極端にいえば問題しか抱えていないようなものなので,その点ではまったく推奨できるものではありません。ただ,新約聖書の福音書を,究極まで自然現象として生じたことと解することができるのかという実験としてとらえれば,なかなか面白い著作であるとはいえます。ここで僕が奇蹟miraculumと自然現象との間につけている区別distinguereがどのようなものであるかということがいまひとつ分からないということであれば,この本でスィーリングがなしている解釈は,その分節の理解の上で役立つでしょう。何しろこの本のような解釈をすれば,マリアが処女のまま懐妊してイエスを産んだというプロットについても,自然現象として解釈できるようになっています。ただ念のためにもう一度だけいっておきますが,これは解釈の上でのことなのであって,ここでスィーリングがいっていることを歴史上の事実と解釈しないでください。
スピノザはその処女懐胎や,イエスの復活などは自然現象として生じ得ないので,比喩的にしか解することができないといいます。後者については書簡七十八で現にいっていますし,前者についてもそういうのは疑い得ません。そこでもしもこの種の奇蹟を認めることができなければキリスト教徒とはいえないというのであれば,スピノザはキリスト教徒ではあり得ないことになります。実際にこの書簡を受け取ったオルデンブルクHeinrich Ordenburgは書簡七十九でスピノザに宛てて,キリスト教の真理veritasはイエスの復活の信条によって支えられているといっていて,少なくともスピノザが生きていた時代において,スピノザをキリスト教徒であったというのは無理があるといえるでしょう。
ただし工藤は現代人ですから,オルデンブルクと異なった考えをもつことはあり得ます。