スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

勝島王冠&悔悛の拒否

2023-12-08 19:15:18 | 地方競馬
 昨晩の第15回勝島王冠。ジョエルが感冒で出走取消となり15頭。
 ミヤギザオウは発馬であおって3馬身の不利。カジノフォンテンが逃げ,半馬身の間隔でライトウォーリア,ランリョウオーが続きました。3馬身差でスワーヴアラミス。5番手にデュープロセスで6番手にリベイクフルシティ。3馬身差でデュードヴァン。8番手にギガキング。2馬身差でサヨノネイチヤ。2馬身差でコスモポポラリタとロードレガリス。2馬身差でカイルとエブリワンブラック。2馬身差でマンガンとミヤギザオウという隊列。最初の800mは49秒9のミドルペース。
 3コーナーからカジノフォンテンにライトウォーリアが並び掛けていき,ランリョウオーがその外。そして大外からロードレガリスが捲り上げてきました。捲ったロードレガリスが直線の入口では前に出たのですが,内からライトウォーリアが応戦。この2頭の競り合いに。ライトウォーリアが競り勝って再び単独の先頭に立つと,離れた外からサヨノネイチヤが追い込んできました。この2頭がほぼ並んでフィニッシュ。写真判定となり,差し切った外のサヨノネイチヤが優勝。ライトウォーリアがハナ差で2着。ロードレガリスは2馬身差の3着。
 優勝したサヨノネイチヤは南関東重賞初挑戦での優勝。前走でA2以下のレースを勝った格下の馬ですが,ここまでの戦績が11戦して9勝2着2回でしたから,通用する可能性はありました。このレースはロードレガリスが強気なレースをしたために前が一掃される筈だったのですが,ライトウォーリアはそれに対応。逆にいえば内容としてはライトウォーリアはかなり強かったと思います。サヨノネイチヤはその展開に乗じたところはありましたし,格下で斤量も軽かったですから内容的にはライトウォーリアほどの評価はできないのですが,この戦績でここまできて,さらに勝ったということは大きな価値があるといえ,今後の活躍もありそうです。父は2016年のJBCスプリントを勝ったダノンレジェンド。母の父はオレハマッテルゼ
 騎乗した大井の西啓太騎手は2018年の優駿スプリント以来の南関東重賞2勝目。管理している大井の坂井英光調教師は南関東重賞2勝目。勝島王冠は初勝利。

 律法や規則を遵守しなかったという行為があったのか,あるいは『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』で公表した考えをすでにもっていて,それを他者に漏らしてしまうことがあったのかは分かりませんが,いずれにせよ後藤が示したような事情が関係して,スピノザはユダヤ教会から破門を宣告されたものと思われます。
                                   
 これは以前にもいったことがあったかと思いますが,ユダヤ教会による破門の宣告というのは,文字通りに宣告で,宣告された当人が悔悛の意を示せば,儀式を経た上ではあっても撤回されるものでした。これはまさにここで問題としているように,ユダヤ人共同体があくまでも共同体であって,国家Imperiumではなかったことと関係しています。国家ではありませんでしたからユダヤ人共同体はその共同体の成員を法律lexによって裁いて処罰するということはできませんでした。だからどのような問題についても破門宣告のような,宗教的な仕方で処分するほかなかったのです。
 ユダヤ人共同体は,スピノザを破門した後,スピノザを懐柔しようとしたとしている伝記があります。もし悔悛の意を示してユダヤ人共同体に残留すれば,その後の生活について保証するという内容だったと伝えられています。当時の状況を鑑みれば実際にそうした提案がユダヤ教会のラビの側からあったとしてもおかしくなかったとは僕は思いますが,これは史実としていいのかどうかは不明です。具体的な外的資料としてそういうことがあったという記録が残されているわけではないからです。しかしたとえそういう提案があったのだとしても,スピノザがそれを受け入れることはなかったでしょう。スピノザにとっては律法も規則も人間の法であって,国家の法でない以上は成員が遵守しなければならない規定としては無効であったからです。なのでスピノザは破門の宣告を受けて,ユダヤ人共同体から追放される道を選んだのです。逆にいえばこのときスピノザが破門の宣告を受け入れたという事実が,スピノザが考え方なり行動なりを改めなかったということの,あるいは改める必要がないと考えていたことの何よりの証拠だといえるでしょう。律法はあくまでも人間の法であり,神の法ではなかったのです。
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