昨日の第48期棋王戦挑戦者決定戦変則二番勝負第一局。対戦成績は藤井聡太竜王が3勝,佐藤天彦九段が1勝。
振駒で藤井竜王の先手となって佐藤九段の横歩取り。
第1図から☖6五歩☗4六銀☖6六歩☗3五銀と一直線の攻め合いになりました。後手の手順が最善であったかどうかは分かりませんが,むしろこの順に踏み込んでいった先手の判断が素晴らしかったように思います。というのも☖6七歩成☗同玉☖8八角成☗同銀と進んだ局面は,玉が露出して危険に思えるからです。
実際は第2図で後手に思わしい順がなく,先手が優位に立っています。危険にみえるけれども大丈夫と判断できれば踏み込んでいくという,藤井竜王のよさが発揮された一局だったと思います。
藤井竜王が勝利。藤井竜王は本戦の敗者組なので,第二局で挑戦者が決定することに。その第二局は27日に指される予定です。
野球選手にとってのキャッチボール,将棋のプロ棋士にとっての簡単な詰将棋のように,それを繰り返すことに意味がある基本的事項が,『エチカ』をあるいはスピノザの思想を学習していく場合にもあります。たとえば第一部定義一は,その定義Definitioの内容自体についてはそれを覚えてしまえば,復習する必要はないでしょう。スピノザが自己原因causa suiというとき,それが何を意味するのかということについては,覚えていさえすればそれだけで十分であり,それを繰り返す必要はないからです。ただ,スピノザがこの定義を『エチカ』の冒頭に設置したことには意味があるのであって,その意味について復習することは意義があります。これはただ覚えておけばよいというものではなくて,スピノザが自己原因というとき,その自己原因の意味というのを,単にそこで定義されている内容よりも深めて理解することができるからです。そしてその深まった理解が,習得の段階をアップさせていくことに有用になる場合があるのです。
ここまでが,基本的事項の復習は,どのような知識や技術を習得していこうとする場合にも重要であるということの理由です。基礎的事項の中には,復習することが不要であるような基本的事項もあるのであって,そうしたことについて復習するというのは,自分自身のレベルアップを目指すという場合には単に時間の無駄といわなければなりません。しかし一方には,復習することが重要である基本事項というのもあるのであって,そうした基本事項に関しての復習は,時間の無駄であるどころか,自身のレベルをアップさせていく際に有用であるといえるでしょう。とくに知識の学習に関しては,基本的事項を繰り返して復習していくことによって,第三種の認識cognitio tertii generisが働きやすくなるという効果もありますので,それはむしろレベルアップするための時間の短縮に役立つ筈です。
ここからは,個別の事情について説明していきます。前もっていっておいたように,これはスピノザの哲学を個別の事例として説明していきますが,入門書を読むことの重要性という点では,ほかの事例にも応用は利きます。もちろんそれは知的学習に限ったことではありません。
振駒で藤井竜王の先手となって佐藤九段の横歩取り。
第1図から☖6五歩☗4六銀☖6六歩☗3五銀と一直線の攻め合いになりました。後手の手順が最善であったかどうかは分かりませんが,むしろこの順に踏み込んでいった先手の判断が素晴らしかったように思います。というのも☖6七歩成☗同玉☖8八角成☗同銀と進んだ局面は,玉が露出して危険に思えるからです。
実際は第2図で後手に思わしい順がなく,先手が優位に立っています。危険にみえるけれども大丈夫と判断できれば踏み込んでいくという,藤井竜王のよさが発揮された一局だったと思います。
藤井竜王が勝利。藤井竜王は本戦の敗者組なので,第二局で挑戦者が決定することに。その第二局は27日に指される予定です。
野球選手にとってのキャッチボール,将棋のプロ棋士にとっての簡単な詰将棋のように,それを繰り返すことに意味がある基本的事項が,『エチカ』をあるいはスピノザの思想を学習していく場合にもあります。たとえば第一部定義一は,その定義Definitioの内容自体についてはそれを覚えてしまえば,復習する必要はないでしょう。スピノザが自己原因causa suiというとき,それが何を意味するのかということについては,覚えていさえすればそれだけで十分であり,それを繰り返す必要はないからです。ただ,スピノザがこの定義を『エチカ』の冒頭に設置したことには意味があるのであって,その意味について復習することは意義があります。これはただ覚えておけばよいというものではなくて,スピノザが自己原因というとき,その自己原因の意味というのを,単にそこで定義されている内容よりも深めて理解することができるからです。そしてその深まった理解が,習得の段階をアップさせていくことに有用になる場合があるのです。
ここまでが,基本的事項の復習は,どのような知識や技術を習得していこうとする場合にも重要であるということの理由です。基礎的事項の中には,復習することが不要であるような基本的事項もあるのであって,そうしたことについて復習するというのは,自分自身のレベルアップを目指すという場合には単に時間の無駄といわなければなりません。しかし一方には,復習することが重要である基本事項というのもあるのであって,そうした基本事項に関しての復習は,時間の無駄であるどころか,自身のレベルをアップさせていく際に有用であるといえるでしょう。とくに知識の学習に関しては,基本的事項を繰り返して復習していくことによって,第三種の認識cognitio tertii generisが働きやすくなるという効果もありますので,それはむしろレベルアップするための時間の短縮に役立つ筈です。
ここからは,個別の事情について説明していきます。前もっていっておいたように,これはスピノザの哲学を個別の事例として説明していきますが,入門書を読むことの重要性という点では,ほかの事例にも応用は利きます。もちろんそれは知的学習に限ったことではありません。