スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京2歳優駿牝馬&第五部定理四二備考の意味

2022-12-31 19:32:44 | 地方競馬
 北海道から2頭,岩手から1頭が遠征してきた第46回東京2歳優駿牝馬
 大外のボヌールバローズがかなり楽にハナに立ちました。外に切り返してきたエイシンレアと並んで逃げるようなレースに。2馬身差でジョリダムとマカゼ。2馬身差でメイドイットマムとサーフズアップ。2馬身差でアトカラツイテクルとラビュリントス。2馬身差でスギノプリンセス。直後にビーチアネラとフジラプンツェルとアレナル。2馬身差でフジコチャン。ウバリとコスモモカが最後尾を併走。前半の800mは50秒3のミドルペース。
 3コーナーを回ると外からマカゼが追い上げてきて,2番手のエイシンレアは騎手の手が激しく動き始めました。さらに外からスギノプリンセス。コーナーワークで少し外に出したボヌールバローズが外からの追い上げを一旦は振り切りましたが,内を回って直線だけボヌールバローズの外に出てきたメイドイットマムが2番手に上がってボヌールバローズを差すと,そのまま抜け出して快勝。マカゼは伸びを欠きその外に出てきたサーフズアップと大外を回らされたスギノプリンセスが並んでボヌールバローズを追撃。しかし2頭とも届かず,ボヌールバローズが4馬身差で2着。きわどく迫ったサーフズアップがハナ差の3着でスギノプリンセスは半馬身差で4着。
 優勝したメイドイットマムは北海道でデビュー。5着になったエーデルワイス賞まで北海道で走り,前走から船橋に転入。転入初戦は4馬身差で快勝していました。ここでも力量は遜色がない1頭。ただこのレースは逃げ馬の4コーナーでのコース取りの関係で,最終コーナーで内を回った馬が有利になりました。そこに乗じたという面がありますので,着差ほどの能力差が2着以下の馬たちとあるというようには考えない方がよいと思います。北海道時代は1200m以下のレースに出走していましたが,距離がこれくらいはあった方がよいでしょうし,さらに延びても大丈夫だと思います。母の父はゼンノロブロイ。4代母が1991年にローズステークスとエリザベス女王杯を勝ったリンデンリリー。10代母がシュリリー
 騎乗した船橋の本橋孝太騎手は平和賞以来の南関東重賞30勝目。第45回からの連覇で東京2歳優駿牝馬2勝目。管理している船橋の石井勝男調教師は開業から15年9ヶ月弱で南関東重賞初勝利。

 賢者は賢者としてみられる限りで心を乱されることがないという,第五部定理四二備考のいい方は,一読すると不自然に思えるのではないでしょうか。ある人間が賢者であるなら,その人間は賢者としてみられるでしょうから,このような持って回ったいい方はせずに,単に賢者はほとんど心を乱されることがないといえばよいように思えるからです。しかしこれはあえてそういっているのであって,逆にいえばこのようないい方をする必要があったということだと僕は考えます。
                                   
 その理由となっているのは.賢者と無知者あるいは自由の人homo liberと奴隷と分かたれるように人間は現実的に存在するのではなく,同じ人間が賢者にもなるし無知者にもなり,同様に自由の人にもなるし奴隷にもなるという点にあるのだと僕は考えます。そして同時に,無知者であることあるいは同じことですが奴隷であることを全面的に回避することができる人間は現実的には存在し得ないという点にあるのだと僕は考えるのです。よって現実的に存在する人間は,賢者としてみられるならば,いい換えれば賢者であるときには,ほとんど心を乱されることがないのであって,その人は無知者にもなり得るのであり,無知者であるときには心を乱されることもあるのです。いい換えれば現実的に存在する人間が心をほとんど乱されずにいられるのは,その人間が賢者であるときだけなのです。あるいはその人間が能動的であるときだけなのです。
 僕は備考Scholiumのこの部分は,上述のような意味に解されるべきであると思います。すなわち賢者はといわれるときの賢者とは,文字通りの賢者というよりは,単に現実的に存在する人間,少なくとも賢者であるときが多い人間のことを意味するのであり,賢者としてみられるという部分の方を,賢者であるときすなわち能動的であるときと解し,その限りにおいてその人間は心をほとんど乱されることがないと解するべきだと考えます。常に心を乱されることがない賢者が現実的に存在するということを暗黙の前提としているというようにこの部分は読解することもできますが,そうした読解は誤りerrorであると僕は考えるのです。
 それでは別の部分の探求に移ります。
コメント
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