スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

武士の不文律&2021年3月の通院

2021-08-18 19:12:16 | 歌・小説
 篠本はもう一点,漱石が徳川家の家臣であったこと,もっと広くいえば武士階級の出身であったことのアイデンティティーを紹介しています。これはを巡る一件の後,「腕白時代の夏目君」の最後のところに書かれています。
                                        
 漱石は幼い頃から嘘をついたことがなかったと篠本はいっています。もちろんこの幼い頃というのは,篠本が出会って以後の漱石を意味します。その当時の漱石は,嘘つきといわれることについては,神経質なほどに気に掛けていたといっています。つまり嘘つきといわれることが,漱石にとってはこの上ないほどの恥辱だったのです。
 エピソードとして篠本が紹介しているのは,ある年の初夏に,キイチゴの実がたくさん熟しているところを見つけた漱石が,篠本を誘って学校帰りにそれを抓みに行こうと誘ったときのことです。篠本は誘いに乗って,漱石とともに大きな籠をもってキイチゴ狩りに出掛けました。ところが漱石に案内された場所には,木だけがあって実はほとんどありませんでした。全部で12粒か13粒ほどしか採取できなかったそうです。篠本は,おそらくこの近隣の子どもたちが,先に採ってしまったのだろうと推測しています。
 篠本は後日,戯言としてこのときは漱石に騙されたという主旨のことを言いました。すると漱石は真面目な口調で,嘘をついたわけではないと弁明したそうです。つまり嘘つきといわれることをそれほどまでに漱石は嫌っていたのだと篠本は紹介しているのです。
 篠本はこのことを,この時期の武士の子孫は,嘘をつくなということを固く守っていたということと関連付けて説明しています。これは篠本がいっている武士の子孫の不文律のひとつで,篠本はほかにふたつ,他人のものを盗むなということと,喧嘩をしたら負けるなということをあげています。そして,この当時の子どもたちの心理状態は,篠本がこれを書いている昭和10年の子どもたちの心理状態とは,相違していたのだといっています。
 嘘をつかないということ,あるいは嘘つきといわれることを嫌うということは,必ずしも武士階級に出自をもつ子どもだけに特有のメンタリティーであるとはいえないと僕は考えますから,漱石がそうであったことを出自と結び付けるのが正しいかどうかは分かりません。しかし少なくとも,篠本にはそう見えていたということだけは確かです。

 HbA1cは7.6%で,2月よりも下がっていました。これは最も寒い時期が過ぎていたという影響が大きかったものと思います。血糖値のコントロールも概ね良好で,低血糖の発症は1度だけ。それも69㎎/㎗と,極端に低い値ではありませんでした。というか,血糖値の下限値は70㎎/㎗となっていますので,これはぎりぎりで低血糖という値です。これであれば注射量を変更する理由は見当たりませんから,この時点での措置が継続されることになりました。
 この日もこれ以外に異常は何もありませんでした。これも2月に続いての結果です。
 いつものように薬局に寄って帰りました。インスリンも注射針も在庫がありました。帰宅したのは午後5時15分でした。11月にバスの運行に変化がありましたが,これはそれ以降では最も遅い帰宅時刻です。おそらく原稿の運行が継続される限り,これよりも遅くなることがあるとは考えにくいです。
 3月31日,水曜日。午前10時25分に,グループホームで妹を担当しているSさんから電話がありました。年度末で給与の支払いがあるので,次の妹の迎えのときに印鑑を持参してきてほしいとのことでした。
 4月2日,金曜日。妹を通所施設に迎えに行きました。
 4月から,通所施設で人事の移動がありました。3月まではTさんが施設長を担当していましたが,Tさんは別の施設,同じ敷地内にあり,妹がグループホームに入所した当時に昼間の出勤場所となっていた施設の施設長になりました。代わってこの時点で妹が通っている施設の施設長には,神奈川区内にある別の施設で施設長をしていたNさんが異動してきました。Nさんは,妹が本牧の作業所に通っていた頃に,妹を担当していた方ですから,妹とは面識がありました。面識があるというより,職員の中で最も親しかった人のひとりといってもいいでしょう。母が小脳出血で入院したときには,そのときに通っていた作業所の所長になっていましたから,その当時の妹の支援態勢について,当時の施設長だったTさんも交えて僕と相談したことがありましたから,僕にとっても面識がある方でした。この異動はこの日にNさんに会って知りました。
コメント
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