スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

女流王将戦&主治医の話

2010-11-15 18:40:50 | 将棋
 今月6日に放映された第32期女流王将戦挑戦者決定戦。勝ち上がってきたのは里見香奈女流名人上田初美女流二段で,収録された9月30日の時点での対戦成績は2戦して里見名人の2勝。
 上田二段の先手。上田二段は基本的に振飛車党ですが相手が振る場合は居飛車。というわけで里見名人のごきげん中飛車③の▲4八銀△5五歩から先手が早めに右銀を繰り出していく,最近では最も多く指されている形に進みました。
                         
 ここで▲6七金と上がれば穏やかですが,▲5五歩で飛車を捕獲にいったので早くものっぴきならない戦いに。△同銀▲6七金△6六飛▲同金△同銀まではほぼ一本道で先手玉は詰めろ。▲6八金と受けたのに対し△5六歩(第2図)と垂らしました。
                         
 感想戦の様子だとここで▲5三飛と打てば先手有望だったよう。4三に成る手があるのですが,先手はその順が見えていなかったようです。実戦は▲6五飛とこちらに打ちました。
 これで先手が悪くなったというわけではないと思います。後手は5七に銀が成り,▲同銀に取ってしまうと飛車が6八に回る筋があるのでこれを避けるために先に角交換して△3九角(第3図)と打ちました。
                         
 ここで▲5八飛で辛抱する手はあったよう。しかし前の▲6五飛を生かすべく▲4五角と攻め合いに。しかしこれが暴発だったようで,これを境に将棋は後手に傾きました。丹念に受けた後,反撃に転じた後手が即詰みに討取って勝っています。
 里見女流名人が挑戦者に。三番勝負は第一局がすでに放映されていますので,その将棋についても近いうちに紹介します。

 それでは10月17日の主治医の話に戻します。妹は出席しても無意味ですから母の傍らに居残り,僕と叔父のふたりだけで話を聞きました。なお,の主治医はN先生です。
 まず,出血部分の写真を見せられました。患部の大きさは最初に見たときよりもいくらかですが小さくなっていました。これが示しているのは,ひとつは小脳出血は完全に止まっているということであり,もうひとつは,出血してしまった血液が,徐々にではあるけれども吸収されていっているということでした。N先生は薄皮を1枚1枚剥いていくようにという表現で,本当にゆっくりとゆっくりとではあるけれども,母は確実に回復に向かっているといいました。
 ところで,小脳出血というのは,大体は血管の老化によって生じるのですが,まれに先に脳腫瘍ができて,その腫瘍から出血するというケースもあるのだそうです。ただ,造影剤を用いた検査では,血液も腫瘍も同じ色で映ってしまうので,この時点では母がどちらのケースで出血したかは分からないということでした。ただ,脳の他の部分の血管の様子を撮影したものも見せてもらいましたが,そこには何の異常もありませんでした。
 N先生によれば,母の最大の問題は,吐き気がひどいので,あまりものを食べることができない状況にあるという点だとのこと。母は身体を起すということがこのときはまだできませんでしたので,食事も横になったままで摂取。食べやすいようにと,ご飯は小さなおにぎり,またおかずもすべて串に刺して出してもらうなど,相当な配慮をしてもらっていたのですが,それでもすべてを食べきるということはなかったようです。病院ですから当然エネルギーなども考慮して配膳されているわけで,この量というのが,本格的なリハビリを開始するためには必要とされていました。すなわち母は,HCUから一般病棟に移動になった後,リハビリを開始はしていたのですが,本格的に取り組むためには,少なくとも食事をすべて食べることができるようにならなければなりませんでした。よってこの時点では,まだリハビリがどうこうといえるような段階にも至っていなかったので,当然ながら退院の目途などは少しも立ちませんでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする