スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

キングジョージ&第三部定義一

2006-07-30 22:23:08 | 海外競馬
 現地時間の29日に行われたキングジョージ。
 ハーツクライは2番手のHurricane Runをマークするように3番手を進み,道中で先に動いたElectorocutionistを先に行かせて4番手に控え,2頭の外へ持ち出すと直線ではこれらを交わして完全に先頭に立ったのですが,残り150メートルほどで脚色が鈍り,最内に入ったHurricane Runと,2頭の間に入ったElectorocutionistに差し返され,残念ながら3着となってしまいました。
 結果論ですが,仕掛けるのが少し早かったようです。直線入口辺りでの手応えはハーツクライが最もよかったのですが,これがあてにならないのがヨーロッパの競馬の特徴で,あちらの強い馬は,騎手のアクションに長く反応して最後まで諦めない馬が多いのです。ただ気になったのは,レース終了直後に,勝ったクリストフ・スミヨンと,2着のフランキー・デットーリが握手をしていたこと。レース後に健闘を称え合うのはよくあることですが,今回は負かしたのが日本の馬ということで,邪推したくもなります。ヨーロッパのこのぐらいのレースでは,日本人の騎手が乗った方が日本の馬は勝ちやすいかもしれません。
 なお,イギリスでは動物愛護の観点から馬に多くの鞭を入れることが禁じられていて(個人的にはばかげたルールと思っています),このふたりは処分を受けています。
 もう1点,ハーツクライの敗因として考えられるのは,ここがドバイ以来の休み明けであったという点。順調に使われていた馬とそうでなかった馬の差が,最後の頑張りに出たとも考えることができます。過去のデータというのはあまりあてになりませんが,このレースは休養明けの馬は苦戦する傾向にあったのも事実ではあります。

 十全な原因causa adaequataは第三部定義一で定義されています。
 「ある原因の結果がその原因だけで明瞭判然と知覚されうる場合,私はこの原因を妥当な[十全な]原因と称する。(Causam adaequatam appello eam, cujus effectus potest clare, et distincte per eandem percipi.)これに反して,ある原因の結果がその原因だけでは理解されえない場合,私はその原因を非妥当な[非十全な]原因あるいは部分的原因と呼ぶ」。
 ここで明瞭判然clare, et distincteとといわれているのは,十全にと解釈して構いません。そして僕は,妥当な原因ではなく十全な原因の方を用い,また,十全な原因の対義語としては,部分的原因causa partialisを用いることにします。ある結果の原因というのは必ずしも単独であるとは限らないので,部分的原因というのが生じます。たとえば,AからXが生じる場合,AはXの十全な原因ですが,AとBからXが生じる場合には,AとBはそれぞれXの部分的原因といわれるのです。
コメント
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