スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋聖戦&第二部定理七系

2006-07-05 22:43:39 | 将棋
 棋聖戦の第三局は僕の予想に反して第一局に続いての早石田。▲5六角に今度は△7四角と取り,その後の▲5五角に△1二飛。いかにも変な手ですが,定跡ではあるようです。その後,後手が居玉のまま金銀を繰り出して中央を制圧しにいくような形となり,分かれは先手がよかったようなのですが,勝ちきるまでにはいかず,最後は佐藤棋聖が先手玉を即詰みに討ち取って3連勝。棋聖防衛を果たすとともに,これで5連覇とし,棋聖5期獲得者に与えられる永世棋聖の称号も獲得しました。永世棋聖は,大山,中原,米長,羽生に続く5人目。将棋界で名を成した人ばかりです。ところで,新A級の阿部八段が,佐藤棋聖について,こんなに強い人は見たことがないといっています(強気日記6月27日参照)。阿部八段は佐藤棋聖とは兄弟弟子にあたるのですが,その部分を差し引いても,最近の佐藤棋聖の常識に捕われない指し方は,プロの間でも瞠目のようです。鈴木八段も実力者ですが,今シリーズははっきりと実力の差を見せつけられたように感じます。

 スピノザの前提の根拠をエチカの中に求めるとすれば,その根源的なものは第二部定理七系になると思います。「この帰結として,神の思惟する能力は神の行動する現実的能力に等しいことになる。言いかえれば,神の無限な本性から形相的に起こるすべてのことは,神の観念から同一秩序・同一連結をもって神のうちに想念的に[すなわち観念として]起こるのである」。ただしここでは,この系にスピノザが託した意味から離れ,あらゆる形相的事物の十全な観念が神のうちにあり,この十全な観念と十全な観念の対象は,原因と結果の秩序と連結が同一であるという点に注目します。
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