昨日、日本橋のシネコンに「IT / イット THE END」を見に行きました。
いや〜、巨大なお化け屋敷みたいな映画でしたが、とにかく面白かったです。
前作に比べて「怖い」「怖くない」など、さまざまな声がありますが、前作より長尺で制作費もたっぷりかかっている分、楽しめる感じがします。
▼前作の記事はこちら。
映画「IT イット“それが見えたら終わり”」は
「スタンド・バイ・ミー」のホラー版でした!
▼ちなみに、こちらはスティーブン・キング原作シャイニングの続編物語だそうです。
いや、ピエロのペニーワイズが巨大化したり、蜘蛛のお化けに変身したりと、まさに一見やりたい放題のお化け屋敷みたいに見えますが、意外に内容深いところがあって、今回はそれに気づいたのが収穫だったのかな。
そもそもホラーというのは、人が自分を守るための「恐怖」という感情をとことんくすぐぐるのが本質です。
ホラー作家の多くが「ホラーはロジックだ」と言うそうで、「なぜ人が怖がるか?」を知らないと、怖い作品は作れません。
そんな点で、スティーブン・キングという作家は恐怖というものを知り尽くした作家と言えるでしょうが、 この映画はそんな意味でもキング作品の集大成と言えるかもしれません。
キング作品には様々な意味不明のモチーフが出て来ます。
そもそも、人を襲うのが「なぜピエロなのか?」ということもありますね。
そして「なぜピエロが”遊星からの物体X”みたいな、変幻自在の怪物に変身できるのか」など、現実にはありえない怪物が平気で映像化されて出てきます。
殺人ピエロ、ペニーワイズについては、実在した殺人鬼ジョン・ゲイシーというモデルがいたそうです。表の顔はチャリティーに熱心だった名士で投資家なのに、6年間で33人の少年をピエロの姿でおびき出して殺したという殺人鬼だったとか。
ただ、殺人ピエロのモデルがいた……というのは作り手の立場として、ビジュアル化しやすいので、選ばれたというだけだと思います。
本質的なことを言えば、キング作品に出てくる怪物というのは、個々の人間が作り出す「恐怖」ではないかと思います。
以下ネタバレ注意
襲われる方が怖がれば怖がるほど、ペニーワイズは巨大化し強大な力を発揮するのですが、反対に怖がらなくなると彼の力は失われていく。これは恐怖が持つ本質かもしれません。
以下ネタバレ解除
つまり恐怖や怪物とは自らが作り出すもの。
昔から「幽霊の姿を見たり枯れ尾花」などと言いますが、それにしてもこの映画……枯れ尾花にしては巨大過ぎるかもしれません。
それにしてもキング作品に出てくる怪物って、似たようなものが人間社会にはいっぱい居るよな。お化けより人間の方が余程怖いなんて言いますが、これは本当にそうですね。ペニーワイズみたいな人って、実際にいますしね〜(笑)。
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