↑ こちらヴェネチア総督の邸宅兼政庁だったドゥカーレ宮殿、閣議の間に描かれた世界最大級の油彩画ティントレットの「天国」です。
早描きのティントレットは、この宮殿のコンペの際に事前に門番にワイロを与え、早々壁に絵を描いてしまったなんてエピソードの持ち主ですが、実際は8年かけて完成させたとか、よくわかりません。
イタリア美術の中で、ヴェネチア絵画は特殊な位置にあります。
海の上にあるため、漆喰に直接描いて行くフレスコ画は塩によって劣化するため、油彩画が発達しました。
海洋王国だったこともあって、船の帆をキャンバスにすることを思いつき、巨大な油彩画を可能にしました。
こうして一連のヴェネチア絵画、イタリアンアートを見ながら、絵画好きの妻が意外なことを口にしました。
「悪趣味・・センスわる」
えええ???
若い頃からイタリア美術に傾倒していた私からすると意外な言葉でしたが、よくよく目を凝らして見ると、芸術性の善し悪しとは別にして、ゴテゴテと装飾的で、たしかに洗練されているとか、センスが良いとは程遠い美術がいっぱいあることに気づきました。
間をとり空間をとる日本の美術とは対照的に、空間を埋め尽くすような絵画が、これまたグググと迫ってまいります。
私自身は趣味わるいもの、けっこう嫌いじゃないこともあって、特に若い頃は共感し、圧倒されたのでしょうね。
イタリア美術が素晴らしいことには変わりありませんが、違った視線で見ることができました。
今回のお気に入りは何と言っても、日本では鬼瓦に当たる魔除けや噴水の彫刻です。
上の彫刻など、町歩くと腕にタトゥーをしたおじさんがハーレーなんかに乗ってたりします。
こんな顔した人なら、さぞワルかろうと思いますが、リストランテでマンマと一緒に食事をしながら、言いなりになっているのがイタリアのおじさんの可愛いところ♡
こんな顔して、マンマと一緒にジェラートを美味しそうに食べたりしています。
↓ 魔除けの圧巻はパンテオン前にある噴水の顔でした。続きはまた後ほど。
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