先の連休の初日に、上野の西洋美術館で開催中の「ハプスブルグ展」を見に行きました。
一千年に渡ってヨーロッパに君臨したというハプスブルグ家ですが、何度か展覧会にも足を運び、本も何冊か読みましたが、大きすぎてどんな一族なのかさっぱりわからんわい(笑)。
Wikiによれば「ユリウス一門(カエサル家)の末裔を自称し、中世の血縁制度を利用した政略結婚により広大な領土を獲得、南ドイツを代表する大貴族に成長した」とあります。
最終的には現在のスペインやイタリア、チェコ、ハンガリー、オーストリアに渡る領土を治めた一族なようです。
ただ領土が広くなれば、同族同士でも権力争いが起こるのが人の常。
争い、分裂や併合を繰り返しながら大きくなっていった一族ですから、わかりにくいのは仕方ないですね。
家系図を見ても何だかよくわからず。
実際にはモビールのような立体図にしないと、こうした家系図はわからないでしょうね。
この展覧会での目玉は何と言ってもベラスケスでしょう。
ベラスケスが20歳くらいに描いた絵や、フェリペ4世の肖像、マルガリータ王女の肖像など、約4点ほどの作品が来ていましたが、なんといっても白眉はポスターにもなっているマルガリータ王女ですね。
ウィーン美術史美術館に収蔵されているこの名作は、当時お見合い写真の代わりとしてスペインからオーストリアに送られたものだそうです。
オーストリアに嫁いだマルガリータ王女は6人もの子供を出産したり、宮中での意地悪などに遭うなど、21歳で病死してしまうそうですが、そんな薄幸な雰囲気が画面からも伝わってくるのは、さすがベラスケスです。
ベラスケスは数多くのマルガリータ王女の肖像を描いていますが、スペインのプラド美術館の絵を見たラベルが、あの「亡き王女のためのパバーヌ」を作曲したとか。
あの優美ではかない音楽がマルガリータ王女の姿に重なります。
この絵を見るだけで、この展覧会に足を運ぶ価値がありますので、どうぞみなさまご覧いただければ幸いです。
さて、私たちが知っているハプスブルグ家で有名なのは、18世紀オーストリア系ハプスブルグ……マリア・テレジアとその娘、マリー・アントワネットに違いありません。
↑ 上の画像、一番左の女性をご覧ください。こちらが、かの名高き女帝マリア・テレジアです。 婚姻によって勢力を拡大するのは、ハプスブルグ家のお家芸ですが、その中でもマリアは男子5人、女子11人、16人もの世継ぎを生みました。
この肖像は何と、御年30歳というのですから驚きです。
「さささささ、さんじゅっさい!」
思わず声を上げてしまった私を見て、上品なお着物を召した女性がお笑いになっていましたが、いや〜、この人に勝てる男なんておりませんなあ。
また、上の画像の一番右の女性。
ハプスブルグ家でも一番人気のシシーことエリザベートの肖像も、本人の気性を彷彿させる興味深い一枚でした。
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