徳川家康四百年祭に合わせて、家康公のご幼少を描いたマンガ
「竹千代君がゆく!」
しばらく巻頭にはこちらを張っておきます。未読の方はどうぞ!
「乾山、見参!」はベタで、個人的には親しみのわくコピーですが、先週の水曜より東京六本木のサントリー美術館ではじまった、この展覧会・・・必見です。
同じ日に見た「ルーヴル美術館展」とは対照的、日本美術の真髄ここにありといった、堂々たる展覧会でした。
こういう個人の展覧会で興味深いのは、その人のイメージと違う作品や、周辺の人たちの残した作品が並列されていることでしょう。
尾形乾山の場合、周辺の人で一番大きな存在は、何と言っても兄の光琳です。
初期の乾山を見ると、筆の達者な光琳とは対照的にぼってりした筆致が何とも不器用な感じです。
琳派の襖絵などに見られる空間をたっぷりとった構図は見られず、狭い陶器の皿の中に暑苦しい筆跡は重ねられています。
兄・光琳との共作も数多くありますが、誰の目から見ても、光琳の筆致の鋭さに及びません。画家にならず、陶芸の道を歩んだのも、兄には及ばないと考えたからでしょうか。
乾山の作風に変化が見られるのが五十路前後になって、乾山窯という自分の窯を持つようになってからでした。
今、私たちが知っている乾山の作風による、硯箱や蓋物の作品はこの頃からの作品。
初期の作品を見る限りは、足し算の美術家だった乾山が、単純化した引き算の作風に変わっていったのはこの頃からでした。
即興的に見える紅葉や草花の模様ですが、乾山は下絵をしっかり残していて、どの柄も緻密な計算によって描かれているのが伺えます。
金箔で描いたように見える線も、よく見ると、まわりに顔料を塗って細い線を描く技法を使っていたり・・・後のマチスが計算づくで単純な線を、考えながら描いていたのは、このあたりの影響かと考えてしまいました。
「乾山、見参!」は7月20日まで。
お時間のある方は、ぜひ足をお運びくださいませ。
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