写真は密林で注文したら、到着まで2ヶ月以上かかったアルバンベルク四重奏団による、ベートーベンの弦楽四重奏全集です。
イギリスから発送したらしく、日本の郵便もコロナで遅れていたとのこと。
通販でこんな遅れたのは初めてですが、待った甲斐あってか(笑)、素晴らしい内容でした。
弦楽四重奏はベートーベンが最後まで思い入れがあった分野だそうで、今年は生誕250年ということもあって、10年以上前に買って積ん読になっていた ひのまどか著「ベートーヴェン」を読んでみました。
見ての通り、子供向けの音楽家の伝記全集の一部ですが、内容はよく調べ上げていて、なかかな読み応えがありました。
ベートーベンの伝記は、10代の頃に何冊か読んだ記憶がありますが、私の少年時代は弟子であったアントン・シントラーの資料をもとにしたものが多く、偉人ベートーベン一色でした。
わりと近年になって、多くベートーベン資料がシントラーの捏造によるものとわかり、本書はそれを踏まえた上で、丸裸のベートーベンを描いています。
いや〜、芸術家としては、これ以上偉大な存在はいないベートーベン先生ですが、こんな人が近くにいたらイヤだなあ。
たとえば、レストランに行ったら、注文したものと違うものが出て来たので(ベートーベンは耳が聞こえませんでしたから)、怒って給仕の頭に料理をぶちまけたとか…でも、ソースが垂れてくる給仕の顔を見て大笑いしたので、結局ベートーベンが折れたとか。
いつも激しい恋をして、それが貴族の美しい令嬢で、激しく言いより、いつもフラれていたとか。読みながらベートーベンの行動に疲れてくるので、休みながら読了したほどです。
パトロンになったウィーンの貴族たちは、よくガマンしてエラかったと思えるほどですが、それでも彼を支えたのは、さすが音楽の都の貴族だったと思います。
でも、あらためて後期弦楽四重奏を聞いてみると、音の行間そこかしこにベートーベンのメッセージが込められていて、この人は常人が到達できない世界に分け入ってしまったんだと、改めて思いました。
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