小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

ダリ展~仏像/一木にこめられた祈り

2006-10-28 19:59:44 | Weblog
昨日は久々に展覧会を2本見にいく。上野の森美術館のダリ回顧展と、国立博物館で行われている「仏像/一木(いちぼく)にこめられた祈り」展である。
もともとはクライアントから仏像展を誘われたんだが、いやはや、時間をやりくりして行った甲斐があったというもの! 特に仏像展は二度と見られないものばかり。言葉にできないほど素晴らしいものばかりで、2mくらいある背の高い外国人が恍惚とした顔で、いつまでも仏さまを見つめていたのが印象的でした。
「仏像/一木にこめられた祈り」展は、クライアントの女性と彼女を紹介した商社の友達3人(まあ、みんな友達なんだけど)で行ったのだが、その格闘技マニアの商人(あきんど)曰く
「どう、小暮。この仏像に勝てる?」
おいおい、仏像相手に勝てるも何もないだろうが~! 
それは「美術品としてもっと良いものができるか?」という意味なんだろうが、言葉通りに返事をすれば、勝てるわけがない。この時代、一生を仏像造りと信心に捧げた仏師たちが、魂を込めて一木に刻んだ結晶である。勝負など口にするのもおこがましいわい。
と、返事したら、さらにそいつ曰く・・・
「それなら、ダリには勝てるの?」
ううう、これも勝てるも何もない。ダリは私が絵を志した、きっかけの画家。親に勝てるかというに等しい質問である。
「結局、小暮は負けてばかりで弱いな~。でも、ここにあるミュージアムショップの絵だったら勝ってるかな~」とのこと。実はミュージアムショップの画家たちも、現時点で名声を勝ち得てる画家ばかりなので、まあ市場価格では負け負けなんだがね。まあ、作品は勝ってると評価してくれたんだからいいでしょう。
帰りは東北の味ひがし北畔で一杯。ホヤの塩辛やハタハタの塩焼き、アゴのさつま揚げなどは絶品。仏像を見て、心を洗われたあとのお清めでした。
コメント (2)
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