柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀社の仕事 1

2009年05月06日 | 葬儀の世界
お客様からの電話で、葬儀の仕事は始まります。
亡くなられた方をお迎えにいくのです。

出社している時間ならすぐに出動できますが
夜間の場合は、1時間位の猶予が必要です。

葬儀社の社員は通常、交代で夜勤をします。
24時間体制なので会社に泊り込むか、自宅待機で電話を受けます。
故人の搬送には2名が関わりますので、お客様から搬送以来があると
準待機の人にすぐ連絡を入れ、出社してもらいます。
夜勤の勤務者は当然ですが、搬送時に呼ばれる者も
帰宅後、電話がすぐ取れるような状況でいる必要があります。
当然、外出もお酒を飲む事もできません。

男性社員が夜勤をしますが、人数が少ない会社では週に2回、3回と
夜勤をしなくてはならない会社もあります。
最近では女性も夜勤に入る葬儀社もあるようですね。

病院から自宅か葬儀社に故人を安置します。
お布団に安置して、遺体の処置を行い
お参りが出来るように枕飾を準備します。
その後に、葬儀の打合せに入りますが
もし夜中の搬送なら
葬儀の形式やお寺様の有無、希望の葬儀日程などを聞いて
一度、引き上げてきます。
この間、2時間から3時間はかかります。

今は夜中の打合せは避けるようになりました。
お寺に連絡も取れませんし、火葬場の予約も取れないのです。

それにご家族は、これまでの看病で疲れていますし
家族の死で、動揺もしています。
状況によっては、ろくに寝ていない、食事をしていない
・・・そんなこともありえます。
少し休憩する時間を差し上げる気配りも大切なのです。

午前中に葬儀を担当する者が改めて伺い、本格的な打合せをします。

この打合せが、葬儀社にとっては一番重要な仕事になります。
いかに、ご家族の要望を聞き取り、ご家庭の問題点を見つけて
適切なアドバイスをするか。
「見積もりが高額なら、良い社員だ」なんて言っている葬儀社は
これからは生き残れません。
この時間に、ご家族から信頼を勝ち取る社員が優秀な社員なのです。
綿密な打合せは、後のトラブルを生みません。

打合せが終わると、葬儀社に飛んで帰ります。
大抵は翌日の通夜になるので、葬儀に必要な物を発注します。
まず、火葬場の予約確認。
霊柩車、マイクロバス、ハイヤーの手配。
お寺への挨拶と必要事項の連絡。
役所へ提出する書類作成。
遺影写真の手配。
棺、骨容器の手配。
祭壇、花の手配。
看板類の手配。
料理、返礼品の手配などなど。

その間に
供花、供物の注文が入りだします。
故人の会社や町内との連絡。
会葬者からの問い合わせも入ります。

供花や供物はとても神経を使います。
まず、電話で供花の依頼がきます。
葬儀社から注文書を依頼者に送ります。
依頼内容の書かれたファックスが送られてきたら、再度確認の電話を入れます。
その時に名前の字の確認、請求先の確認をします。
今度は、供花の発注を花屋さんに出します。
花屋さんから確認の電話が入ります。
供花、供物の字の間違いは、大きなトラブルを招きます。
最大の注意が必要です。

この繰り返しが通夜の直前まで続きます。
大きな葬儀になると200基以上の供花が短時間に入りますので
事務所内は大騒ぎになります。

打合せをした者がそのまま担当になるのであれば
ご家族の些細な胸のうちも良く解り
発注1つでも、その意思を反映することが出来ます。
お好きな花や色合いを加減したり
祭壇の花と供花、焼香用具を同系色にしたり
写真の背景を故人らしくしたり・・・

実は、葬儀社の社員の仕事を少しわかってもらいたくて
今回から、仕事内容を書いてみようと思っています。

葬儀社は「商品価格」が高いと、よく言われます。
確かに以前は価格設定が不適切でした。
しかし社員の労力を計上しないままきているのも
この世界なのです。

不適切な祭壇や訳の解らない価格は是正すべきですが
社員の労力には価格をつけて、きちんとした請求をすべきだと思います。

そのためには
どんな仕事を、どのようにしているのかを知ってもらうのが一番です。







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