柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

7つのデス・ケア ⑤葬式に集まる人のケア

2009年08月03日 | 葬儀の世界
(5)葬式に集まる人のケア
 これまでであれば地域社会の人の仕事であったろう。
 葬式に集まる人の想いを死者に集中させ、共感を自然な形で遺族に寄せられる  ような配慮ができるといいだろう。
 会葬者が「いい葬儀でしたね」というのは、死者の尊厳が明らかになり
 宗教者、遺族、参列者が死者を弔うということで気持ちが一致した葬儀である。
 そういうことができるような時間、空間、サービスの提供にも心が向けられる
 べきであろう。(葬祭ジャーナリスト碑文谷創氏著)



ここからは私の意見です。

今の葬式は会葬に行って、遺族と話をする事は困難です。
少し前までは、自宅や寺院などで盛んに葬儀を行ないましたが
今思いだしても、そこでも会葬者と遺族が話す時間も場所もありませんでした。

遺族はいつも焼香台の向こう側に座っています。
通夜も、葬儀告別式も決められた時間内での行動は規制されています。

会葬者が「いい葬儀でしたね」というのは
会葬に来て焼香をして、棺に花入れをして、出棺を見送っただけでは
出ない言葉でしょうね。

司会者が故人や遺族の様子や言葉を伝えたり
故人からのメッセージがメモリアルコーナーなどで示されたりすれば
少し故人らしさを感じて「ああ、この人の葬式だ」と思うかもしれません。

出棺の時に喪主や親族代表者から
故人にまつわる話が聞けると更に「いい葬式だった」と言える条件が増えそうですす。
たとえ義理で葬儀に来る羽目になっても
遺族の悲しみを感じたり、故人の人柄や温かさを感じる事が出来れば
ただの義理の葬式の無感動さではなくなるはずです。
まして、少しでもご縁があって、多少の付合いがある人ならば
尚更、いい葬式だった・・・と感じるでしょう。

葬儀社側の演出次第、でいい葬式が生まれるしかないのでしょうか?

遺族と故人の話が出来る葬式はどうですか?
遺族から、歩み寄って「今までお世話になりました」と言われたら・・・
反対に遺族に「ご主人には、大変お世話になったんです」とお礼が言えたら・・・
「あなたのことをこう言ってました」とか
「最後はこんな様子だったんです」とか
「こんな事もありましたね」とか
柩の故人を前にして顔を見ながら、こんな話が出来きる葬式なら
会葬者はきっと「いい葬式だった」と思うでしょう。
「あの人といいお別れが出来た」と思いますよ。きっと・・・

もう何回か提案しています。
お通夜の読経時間を1時間、早めればこの葬式は実現します。

5時~6時・・・親族だけで通夜の宗教儀式を済ませます
6時~7時・・・一般の会葬者が見えたら、柩を中央に出し
        その前で焼香してもらい、遺族はそのそばに立って
        焼香後の会葬者とご挨拶やら思い出話をしましょうよ。
会食室に親族が入って皆さんと声を交わしたり、もいいですよね。

告別式は会葬も少なくなります。
通夜を有効にするのはどうでしょうか?


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