38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

二日続きの、花見弁当。

2007年04月08日 | 農と暮らしの日記
先月播いた葱(ねぎ)が芽を出し、いまのところ順調に成育中。
これから草が出てくるので、7月予定の移植まで目が離せない。去年も同じ思いでがんばっていたつもりなのだが、なぜかいつの間にか草に埋もれ、移植できたのは育苗したうちの1割くらいだった。あとは育苗床にとどまったまま、「小葱」として野菜セットなどに入れさせてもらった。



朝の出荷の帰りに県議選の投票に寄り、午前中は人参の除草。
植え場所の選択を誤ったか、スギナの勢いが強く、発芽したばかりの人参を圧倒している。しばらくはまめに抜き取り、なんとか人参が優位に立つ状況までもっていきたいが、さて。

昼、なんと二日続きの花見弁当。
きのうはブログに書いたとおり、昼は武丈(ぶじょう)公園に出かけたのだけれど、夜桜に行った近所の庵が気に入り、家族みんなで出直してみたいと思ったので。薫手作りの蓬餅をお重に詰めて、渚と真は縄跳びを持って。思い切って午後は野良着を脱いで、机しごとをしようと決める。

……が、なかなかそういうわけにもいかない。
花見の帰りみちにある畑で冬の白菜畑だけ片付けて帰ろうと思い、そのついでに明朝出荷ぶんの人参の収穫もしていたら、あっという間に3時になる。さらに、おととい播いた人参の畝が乾いているのが気になって水やりに出かけ、戻ったら4時。

とはいえ、この時間に家にいられるのは贅沢だ。
渚が数字のパズル(ナンプレっていうのか?)をやるのを横で見たり、ちょっとのぞいたパソコンでメールの返信をしたり、そしたら、机の片づけをしたくなり、そのうちもう晩ごはんのお呼びがかかる。今夜はみんな大好きお好み焼き。残り少なくなった貴重なキャベツがたっぷり入っている。



……というところに電話あり。
「野菜がほしいんですが、いまから行っても大丈夫ですか?」。外を見るとまだちょっと明るい。「大丈夫です!」。真と一緒に一輪車にコンテナと鎌を載せて畑に出かけ、キャベツ、レタス、ほうれん草などあれこれとっているうち、完全に真っ暗になるが、ほの明るいうちから手を動かしていると、不思議と暗闇にも目は利き、真も畝間を僕に先んじて歩き、収穫できそうなのを「これは?」「あれは?」と提案してくれ、約20分で収穫完了、戻って家族総出でこさえの作業。渚はそれぞれの野菜の分量をメモしたうえで、僕が指示した単価を電卓で掛け算して値付けし、真もなぜか、はけた野菜を拾い上げてこさえてきれいに並べている(遊んでいるだけだが)。

20時を前に、無事、引き渡し。
それにしても、わざわざ足を運んでうちの野菜を持って帰ってくださるお客さん、つくづくありがたい限り。ばたばたと薫と子どもたちは布団に向かう。絵本を読む声も、いまは聞こえなくなり、僕のかたわらでは統一地方選挙の開票特番がラジオから流れる。

明日から新年度の一週間が始まる。
野菜はますます少なくなり、セットには”野のもの”が増えている。育てているのは「野菜」じゃなくて「人菜」なんだなと、ふと思う。
コメント
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