さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

9位のわりには手強い技巧派、万一不調なら陥落も? 「大トリ」内山高志、バレロに勝った男とV9戦

2014-12-16 14:55:41 | 関東ボクシング


さて、年末に向けてあれこれ話題も盛り上がっております。
取り上げたい試合が山盛りになっていて、年末二日間の前にも、あれこれ試合が立て込んでいて、
もうちょっと分散すりゃいいのに、という感じです。

拙ブログでも井上、八重樫の試合についてはちょいと書きましたが、それ以外の気になる試合について、
プレビューめいたものを書いておこうということで、そろそろやっていきます。
毎度の通りとりとめもないですが、ご容赦を。

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そんなことで何が気になるのかというと、内山高志の試合です。
拳の負傷、対戦相手の事情などが原因(ということになっています)で一年のブランクを経て、
やっと決まった防衛戦ですが、イスラエル・ペレス、という名前を聞いたとき「あれ?」と思いました。
確か何年も前に、エドウィン・バレロとやるはずやったあの選手か、と。

バレロ戦については、結局実現しなかったわけですが、日本で南米の王者と1位の試合が
見られるとしたら凄い話やなぁ、と楽しみにしていただけに、残念でした。
その後、世界タイトル戦に出たとも聞かないし、もう引退したのかなと思っていたら、
試合数は少ないもののまだ無敗で、世界ランクにも名前がある。驚きでした。

アマチュア時代にバレロに勝ったことがあり、プロでの対戦時はWBA1位だったわけで、
いったいどんな選手なんやろ、と思って、検索してみました。


まずは2012年11月、オルレン・パディーリャ(16勝3敗1分)とのWBC地域タイトル戦。
赤トランクスがペレス。





スタンスは広め、しっかり打ち込む。ガード高く、前に出てプレス、防御はそれを絞る型。
左を強めに突いて崩し、左ボディ、右クロス。左フックとアッパーのダブルも。
初回、二回と二度ずつダウン(うちスタンディングカウント二度)を奪い、三回にストップ。
この試合では攻めの力強さが出ています。


2013年7月、フランシスコ・ロレンソ(39勝11敗)と、ライト級ウェイトの10回戦。





ウェイトのせいかやや動き重い。その分、パンチは乗っているか。
3回に右フックでダウンさせ、その後も右を中心にダメージを与える。7回終了後ロレンソが棄権。
防御が若干ルーズに感じる。構えが少し開き気味。


直近の試合が今年8月、カルロス・ロドリゲス(29勝9敗)と、WBA地域タイトル戦。





この試合では、スタンスをやや狭めにして、足を使って動く型に変わっている。
ガードはやや低めに設定されているが、その分こまめに動き、距離を取って外す。
距離が近くなるとガードは上がり、締まる。体調が良さそうで、全体的に動きが良い。
攻撃もよりシャープ。右クロス、左ボディで痛めつけ、7回にボディでダウンさせる。
この回終了後ロドリゲス棄権。


試合ごとに期間が空いているせいか、闘い方がやや違っているようにも見えますが、
最新試合のロドリゲス戦が一番動きが良いので、この状態がベストと見るべきなのでしょう。

少なくとも、ランキング9位という数字以上のものは間違いなく持っている選手だと思います。
基本的には技巧派なんでしょうが、パンチ力も平均以上のものがありそうですし、
狙いもしっかりしてて、巧く散らしてくる印象。その上で好機にはコンビネーションをしっかり打ち、
前に伸びる右アッパーなども見せます。

もし、この感じで来たとして、内山がブランクの影響で不調であったりした場合、
充分内山を攻略しうる選手である、と感じます。
もちろん内山がそういう不安を一切見せず、ベストだったら内山が勝つんでしょうけど。

大晦日の大トリは内山がきっちり勝って、という例年通りの年越しになるかどうか、
ひょっとしたら...という不安を抱かせる挑戦者ですね。


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大晦日太田区トリプルのあと二試合について簡単に。

河野公平は6位ノルベルト・ヒメネスと。
キャリア序盤に負けが込んでいるが、そこから18連勝で上昇してきた選手ということで、
こういうのが実は手強かったりする場合もありますね。
どうせなら上位とやってほしかったところでもありますが、シャッチョさんとの試合よりはずっと良いでしょう。
写真を見るとリーチがかなりあるようですが、試合ぶりはファイター気味、とのこと。
脇を絞ってインサイドから当てて、打ち勝ってほしいですが、どうなりますか。


井上尚弥戦で敗れても評価を落とさなかった田口良一の世界戦は、あの(あの、って何だ...)
ルイス・イバネスもなし得なかったペルー初の世界王者、アルベルト・ロッセルと。
やれ暫定や正規昇格や、って話ばっかりで、実像は見えてこないわけですが、
以前はバンタムでも闘っていたというくらいですから、その辺の力強さとか、きっと何か持っているんでしょう。
井上の挑戦を逃げずに受けた田口が、その後こういうチャンスを掴んだことは、ファンとしては嬉しい話です。
今回の試合の内容と結果が、彼の闘う姿勢の正しさを証すようなものになってほしいものですね。


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3 コメント

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Unknown (R35ファン)
2014-12-17 07:34:08
内山さんの拳の負傷は慢性化しているのでしょうか。この方は相手をなめる類ではないのでご自身のコンディションが一番の敵でしょう。統一せんが見たいです。
河野さんとあのシャッチョさんの試合はそんなに魅力ありますかね。もう亀田退治して価値を上げる程のあの面々に価値はなさそうですし、河野さん本人がもうやりたくないと言うのにワタナベ会長は何でまだやりたがるのかよく分かりません。変に亀田とか言わずにまずはきちんと勝って頂きたい。

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Unknown (NB)
2014-12-18 11:53:16
内山の相手、結構右は危ないですね、でも全体的に見て内山が負ける相手ではないとは思いますが、内山がリングに上がってどれだけ普段通り、練習通り動けるか、それだけです。
しかし今回、一歩間違えたら全敗もありうる可能性もあるような。こうなると責任は会長に大きくかかる事は、当たり前ですね。

内山がソリスを衝撃的に倒してからのこの状況、こんな事予想も出来ない、残念でなりません。この一年間でかなり劣化が見えてもおかしくない年齢ですし。
本当、帝拳に所属しないと先は見えないような。
内山、今回はある意味ひとつの正念場、必ず乗り越えて頂きたく思います。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2014-12-18 20:47:15
>R35ファンさん

右拳は9割方回復、今までは思い切り打てなかったが今度は...という話になっているようですね。まあデリケートな問題であり、全部真に受けていいのかどうか不明ですが。今度勝てたら、来年は三浦とかリナレスあたりと組んでほしいですけど、そういう展望があるのかどうかです。シャッチョさんとご兄弟は世界へ雄飛されてはるそうですから、ワタナベジムとの話は消滅でしょう。是非頑張っていただきたいものです。

>NBさん

内山が隙を見せたらそこに食いつくだけのものは最低限持っていそうですね。この太田区の試合のみならず、他のも含めて負け越しとか、まあ全敗は無いにせよほとんど敗退とかになると、個々の試合や選手のみならず、ボクシング界そのものに対する世評が厳しくなりはしないかと危惧します。まあ真剣勝負の魅力が結果を超越する場合(八重樫vsゴンサレス戦のような)もありますが、果たしてどうなりますか。

内山のキャリア構築に対するマネジメントの貧困、というのが言い過ぎなら展望の無さに関しては、もう批判の言葉も尽きましたかね。帝拳がどうかについては控えますが(←珍しく自重しております)、従来型のクラブ・ジム制度下における権益の範囲内に置いておくには、内山の器は大きすぎる、という確かな事実に対し、何も考慮した形跡が見えないことに関して、いろいろ言いたくもなろうというものです。それはとりあえず置いといて、今回の試合を何とか乗り越えてほしいというのは、誰の思いも同じですね。

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