昨日は海外で注目の好カードがふたつありまして、当然DAZNの方はライブ配信あり。
リアルタイムでは見られませんでしたが、結果知らずに夕刻から楽しく見ることが出来ました。
WBCスーパーウェルター級暫定戦のセルヒ・ボハチュクvsヴァージル・オルティス戦は、この二人を組めばこうなる、という想像(プロモーターにとっては「目論見」)どおりの激闘となり、二度のダウンを喫したオルティスが、それを乗り越えて僅差勝利。
両者の闘志が火花を散らした一戦でしたが、オルティスが喫した二度のダウンのうち、初回の方は一度、ノーダウンと裁定されたもの。
5回開始前でしたか、試合が中断されて時間がかかっていて、日本語実況がないので何が起こっているのだろうと思ったら、ビデオリプレイで検証して、ダウン裁定に訂正あり。
その上で8回に二度目のダウンがあり、結局12ラウンズで14ポイントを食い合う計算になる。
ダウンがあった回を除く10ラウンズのうち、オルティスが7回を抑えてドロー、8回取ってやっと勝ちになるはずですが、果たしてそういう内容だったかどうか...意見の分かれるところかと思います。
敗者ボハチュクは不満そうでしたが、それもわかりますね。
しかしパンチの精度は総じてオルティスが良く、ダウンを喫したらすぐに激しく反撃したり、そうかと思えば終盤、ジャブ突いてリズムを変え、ボハチュクの攻勢を断ち切ったりと、難病を乗り越え、ブランクを重ね、クラスを上げた後でもオルティスはその技量を示した、とも思います。
全体としては、両者に拍手、良い試合をありがとう、と言いたくなる試合でありました。
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もひとつのトップランク興行、後日WOWOWで放送されるでしょうが、IBFフェザー級タイトルマッチは、ルイス・アルベルト・ロペスが元WBOスーパーバンタム級王者アンジェロ・レオに10回KO負けで陥落。
KOシーンがSNSで目に入ってきたときは、驚きではなく、ああ、こうなったかという感じもしました。
マイケル・コンランや阿部麗也を圧倒した試合で、強いイメージが残り、井上尚弥戦希望も口にしていた「ベナド」ですが、個人的には買っていませんでした。
単純に、相手に打たれてもそれを堪える耐久力があり、その上で被弾に倍する数の強打を打ち返して勝つ。
それは圧倒的な強さだと言えばそうでしょうが、打たれることについて「是非もなし」という構えでないと成立しないボクシング。
耐久力に限界が来たら最後、というボクサー。
これを井上尚弥の対戦候補として語ること自体、違和感がありました。
率直に言って、井上尚弥戦に辿り着けるかどうか怪しい。もちろん突出して強い部分があるので、誰に勝っても驚かないが、誰に負けても驚かない。そういう見方をしていました。
なので、アンジェロ・レオという強打者...打っていっても簡単に引かず、打ち返して来るであろう相手が、一階級上げて良いコンディションだったらロペスも危ないだろう、このカードは五分五分かな、と思っていたところ、こういう結果になりました。
新王者レオは、那須川天心のドキュメンタリーなどで、スパーリングを「受ける」選手のひとりとして姿を見ていましたが、今もPBCの所属なのか、それともフリーなのでしょうか。
トップランク首脳にしたら、ロペス以上に計算が立つ選手でしょうし、契約したいところでしょうね。もうしているのかも。
しかし世界中のフェザー級ボクサーにとり、井上尚弥戦は完全に大目標となっていて、皆が皆、判で押したように言いますね。井上、改めて凄いところに立っているのだなあ、と。
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さて、トップランク関連ではこのような情報が。
The Emanuel Navarrete vs Oscar Valdez rematch for the WBO super-featherweight world title and the Rafael Espinoza vs Robeisy Ramirez rematch for the WBO featherweight world title reportedly could both take place on the same card on Dec 7th in Arizona.. [According to @ChavaESPN]
— Michael Benson (@MichaelBensonn) August 11, 2024
エマヌエル・ナバレッテvsオスカー・バルデスの再戦と、ラファエル・エスピノサvsロベイシー・ラミレスの再戦がダブルヘッダー開催。12月7日アリゾナで、だそうです。
正直、前者についてはもうええかな、と思うんですが、後者については興味津々。
それこそ将来の井上尚弥戦の権利を争奪するに相応しい一戦かなと。五輪連覇ラミレスの陥落は意外で衝撃的でしたが、勝ったエスピノサの初防衛戦がこれまた衝撃的。
相手も強そうな選手でしたが、文字通りの「一蹴」。変な表現ですが「強いレイ・バルガス」という感じ。
井上にとり、フェザー級で一番の脅威はこのエスピノサではないのか、と思います。まだちょっと早いかもしれませんが...その辺について、決定的な答えが出る試合になるかもですね。
あと、何ならロブソン・コンセイソンとオシャキー・フォスターの再戦もここで一緒に「片付け」といてもらえるといいなあ、と思ったりもします。
力石政法の対戦相手が誰になるかわかりませんが、たぶん不人気な方をあてがわれると思うので...あ、いやいや。