さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

全てを最大限に見積もり、かつ間違いあらば、という程度 井上vsネリー戦いちおう予想

2024-05-04 00:02:10 | 井上尚弥



さて、井上尚弥vsルイス・ネリー、いちおう予想してみようと思ったんですが、うーん、と唸ってしまいました。

過去の試合で、単に規律に欠けたり、お薬の力に頼ったり、果ては体重作らなかったりと、まともに考えるのも馬鹿らしいほどあれこれと不確定要素のあるルイス・ネリーに対して、今回は体重管理から薬物検査から、こちらも周辺も率先してお膳立てしてやって、いやでも良い状態に仕上がらないと嘘、という状況を作ってやっている。
その異様さが、どうしても飲み込めない部分があります。

おそらくですが、過去のどの試合よりも、ネリーの体調は良いだろうと思います。
そして、前に出ることで良さが出る...言えば攻撃を防御の代用にしているところは、山中戦の前に少し見てみたときと、基本的には同じ。
従って、井上尚弥相手でも打って出てくるのだろう、という想像をします。
そこで、今まで以上に速く鋭く、一打の威力がさらに増し、その上でそれを連打してくる展開を数多く作れたら、そこにネリーの勝機があるのだろう、と思います。


しかし、井上尚弥の側とて、普通のコンテンダーとはまた違う密度で、ネリーを見続けてきたわけで、ネリーの強さと同時に弱みも承知しているでしょう。
攻撃時に防御に隙がある。アゴも尖っていて、打たれ強いわけではなさそう。ドーピングで得た耐久力を上乗せして、保たせている。
また、ブランドン・フィゲロア戦では、打っても下がってくれない相手に苦しみ、ボディブローでKOされたことも。
これは例外的にコンディションが悪かったとか言い訳していますが、防御自体の隙はそこかしこに見え、アザト・ホバネシアン戦でも打ちつ打たれつ。
直近のフロイラン・サルダール戦でも、初回は右のヒットを喫していて、下の階級の選手でなかったら...と思わせました。

こんな防御の選手に、傍目にはどこに攻撃ルートがあるのかわからない、という相手でも、見事に強打を決めて倒してきた井上尚弥が対したら、きっかけひとつであっという間、と容易に想像がつきます。
基本、序盤は見て立ち、元気な内にお付き合いする必要もない、という選択をするでしょうが、井上尚弥にそんな常識が通用するのかどうか怪しくもあり。
そう思えば、序盤から「畳んでしまう」可能性もある、でしょうか。


もし、スーパーバンタムの井上にそれが出来ないのだとしても。
そしてネリーの攻撃力、気力体力が最大限に充実している、と仮定しても。
それ故に、井上が苦戦する流れになったとしても、結局のところ、防御と機動力、そして攻撃の精度で、井上が完全に上回っていると見ます。
あとは、初回早々、或いは序盤に間違っていいの一発もらう、ということがあれば、程度でしょうか。


ということで、井上尚弥の偉大さ故に実現した東京ドーム決戦ですが、相手のルイス・ネリーの価値は、要は悪名込みのものであって、力自体はやや不足、というものでしかない、というところです。
もちろんWBCの指名挑戦者で、嘘でも元王者なわけですが、KO負けした相手が上の階級に去ってくれたから、という事情も込みの話ですし。

あと心配なのは、試合前に、ここまでやってもなおごちゃつく、とか、リングの上でも、まだ我々の想像を超えた狼藉があり得るのか、ということですかね。
まあ、さすがにないと思いたいですが...。


何しろ期待するのは、井上尚弥の快勝です。
これは別に「成敗」ではなくて、余計なことが何も無いまま勝って終わって欲しい、という意味です。
本当の「成敗」は、こんな試合受けずに、WBC王座を返上する以外にない。しかし試合を「してあげる」以上、それはもう不可能なわけです。残念ながら。



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そんなことでいよいよ今日から3日連続で「えらいこと」が始まります。
とりあえず明日は13時からABEMAでエマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑戦。
以前取り上げたスケジュールどおりなら、第一試合は14時、メインは17時30分から。実際には、多少の変動はあるかもしれませんが。





とりあえず両者とも計量パス。
最近はここが不安なお方も居ますが、この二人なら大丈夫だろうという(笑)。



そして夕刻、17時30分より第一試合開始のU-NEXT、ダイナミックグローブ。
残念ながら時間が被りますが、おっかけ再生で見ようと...たぶん、出来ると思うんですが、どうでしたっけ(汗)。

日本タイトルマッチふたつ、こちらも全選手、計量パス。





ちょっとほのぼの系?の話題もあり。
確かに因縁の再戦、とかいう話にも出来そうなものを、こういうのは...まあ、これはこれでいいんでないすか、という感じですが。
いざ勝負となれば、両者共凄まじいですから、ね。


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2 コメント

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Unknown (NB)
2024-05-05 19:58:14
自分としては、いちおう予想でもありがたいです笑。やっぱりやる以上は…井上の気持ち考えたら。

また変な話になって申し訳ないですが、自分は井上尚弥が引退した後、強かったなー、凄かったなー、だけで終わるのは業界としても勿体ない事と思っています。
こんな正々堂々、強くて観るものを感動させ、対戦相手にまで愛着沸かせる、スポーツ選手の見本的な選手がスーパースターとしている、ボクシング界。
更にはファン目線での発言も出来、誰もが納得せざるえない存在感を持つ選手だと思います。

そんな井上が悪童ネリと戦う事は、
ネリがランカーにいる以上、尚弥が対戦する事は意義はあると思っていますし思いたいです。ビックファイトマネーなんてもう良いです、仕方ない。
今も尚、悪い状況ですから。

ネリへの批判が先立ちますが、執り行った、そんな状態でもリングにあげる事を一番批判し、変えないといけませんよね。
山中の件、他の件があろうと、昨今、荒れ狂う業界。ドーピング陽性なんて出ようと疑惑で終われる始末です。

もうここは大橋井上陣営で、突きつけてやるくらいに常習者ネリを使おうと、万全で健全な興行が出来るんだという、形、見本を示してほしいと思います。

これでも興行後、後悔したり今後は…と考えないならどうしようもなく、今からもフェアじゃない出来事は続いていくでしょう。

そんな期待は井上には悪いですが、彼の存在はそのくらい凄いものだと思っています。
批判ありつつも行われる対ネリ戦、ただの勝ち負けだけで終わってはほしくないです。
復讐なんて意味ないですが、健全な道が見える興行になってほしいです。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-05-05 21:00:46
>NBさん

確かに単に強い、数多く勝つ、というだけでない存在意義を持つボクサー、チャンピオンですね。得がたい、有り難い存在です。亀田跳梁跋扈の時代が終わり、それに対するボクシング業界の反省、カウンターである、と好意的に取ることも可能でしょう。
実際、全国津々浦々でボクシングジム練習生の数を激減させたと言われるあの一家の一連のあと、単に業界のみならず、我々ファンや、さらにいうなら「時代」が求めたスーパースターの理想ですね。大谷翔平にも通じるものあり、と思います。そして、その期待をも、わりと自然体で乗りこなしている感じがしますね。
ネリーのコンテンダーとしての価値、或いは実態についてはもう今更ですが、悪名は無名に勝る、とかいって許していい対象ではない、そこは譲りたくないんですけど、実際に譲って、試合してあげるんだから、もうしょうがないですね。仰る通り、世界的に荒廃した業界が産み落とした鬼子だ、ということでしょうしね。
試合自体がつつがなく、誰もが望む内容と結果で終われば、ある種の成功ではあるんでしょうね。モラルの欠落した業界に対する不満を、井上尚弥が背負わねばならないのだとしたら、それはそれで異様ですが、それを担える者がいるとしたら、やはり彼だけでしょう。そういう意味では、ちょっと気が重いところはありますね。
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