さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

やるべき試合はこれではなかった クロフォード、マドリモフに辛勝

2024-08-09 20:50:48 | 海外ボクシング



まあ、今頃感想文ですので簡単に済ませますが、やっとDAZNに日曜のリヤドシーズン、LA興行のアーカイブが置かれましたんで、メインだけ見ました。


試合としては牽制、索敵、誘導の試みと察知が重なる、高度ながら地味な展開。
イスラエル・マドリモフの右リード、ダイレクトがテレンス・クロフォードを脅かして抑えた回と、クロフォードの左からコンビ、ないしはボディ攻撃が散発的に出て抑えた回がほぼ同じくらい、という印象で終盤へ。
11回は若干クロフォード?微妙な印象ながら。最終回はクロフォードが攻めたか。
判定はドローか若干クロフォードか、という印象でした。


マドリモフは健闘したと思いますし、頑健で、技術面でも破綻無く、全体のレベルが高いところを見せました。
しかし風貌のみならず、ボクシングの作り自体が似ているゲンナジー・ゴロフキンと比べると、やっぱり一発の怖さがない。
右ロングなど、当て際が甘いというか、当たる瞬間に力を込めていない感じ。見た目は派手なのですが。
総じて、良いボクサーではあるが、強いチャンピオン、と見るには少し不足あり、というところ。

そういう相手に接戦ですから、パウンド・フォー・パウンドの頂点を井上、ウシクらと争奪するテレンス・クロフォードに対して、高評価は与えられない、という試合でした。
試合序盤から、うっすらとブーイングが聞こえたり(「実券」のお客様?)、大会場のメインイベンターとしては、合格点とはとても言えず。

もっとも、これで4階級目のタイトルマッチで、体格差がある上に安定した技量を持つマドリモフ相手ですから、こうなったとて仕方ない、とも思います。
また、将来のカネロ戦を意識してか、だいぶ身体を大きくしてきたと見えました。リング上ではスーパーミドル級の範囲にある体重で闘っているのでは、と。
こういう、いわば足枷があったこともひとつの事実でしょう。


しかし、そういう要らんあれこれを全部ひっくるめて言えば、やっぱりエロール・スペンスを下した次にやるべき試合は「これじゃなかった」というに尽きます。
ベストのウェイトで、最強挑戦者と目される若き強敵、ジャロン・エニスと闘う「べき」だった。
プロとして好条件を追い求めること自体を批判も非難もしませんが、やはり当代きっての技巧派王者として、全てのボクサーの中でナンバーワンと目されるチャンピオンならばこそ、然るべき、そして相応しい試合というものがあるだろう、と。

それを、ベストのウェイトを外した試合で苦しんで、評価を下げ、いったい何しとるこっちゃわからんがな、というのが、実際見ての感想でした。
色々残念、というしかありません。

今後の展望にも、明るいものがあるのかどうか。
カネロ・アルバレス戦については、今後、カネロが主導する興行に出るなら可能性はまだ残るかもしれませんが、今回の試合で残った評価、そしてトルキ・アルシャイフとの関係が足を引っ張る可能性もありますね。


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