さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

先手で強打を抑え込まれた 銀次朗初黒星、タドゥラン完勝で奪冠

2024-07-29 04:52:13 | 関西ボクシング



ということで長丁場のABEMA配信ですが、メインのみ感想。
想像以上に挑戦者が強く、予想しなかった結果になりました。


重岡銀次朗は特に不調とも見えず、いつもどおりにワンツー、左ボディから、という感じだったが、ペドロ・タドゥランは過去の試合ぶり以上に、力込めて打ち込んでくる印象。
左ストレート、右返し基調の連打攻撃に、先手で銀次朗の強打を抑え込もう、という意志が、早々から伝わってくる。
実際その狙いは序盤から奏功。左クロス気味から入って、銀次朗が返したら、さらに打ち返し、という具合で、相対的に大柄な体格も生かし、銀次朗の攻撃力を削ぐことに成功していました。


2回、ボディも織り込んだ打ち合い、互いにヒットするがタドゥランが引かない。銀次朗左ボディ繰り出すが、タドゥランのガードに阻まれる場面も。
タドゥラン左好打。銀次朗ロープ背負わされる。間を詰められ、強打の威力も半減か。
3回ボディ打ち合い、銀次朗ヒットもあるがタドゥラン止まらない。事前にわかっていれば耐えられる?
4回も銀次朗左ボディ決めるが、タドゥランの左ストレートでのけぞる。後退の足捌きに出るが、左クロスを側頭部にもらう。
この後右フック一発、カウンター気味に入るが、追撃はならず。最後逆にボディから右フックもらい、止まる。

5回、銀次朗の右目腫れか。パンチの照準に乱れが出て、きちんとパワーがかけられない。タドゥラン左アッパー連打などで攻める。
6回、打ち合いで銀次朗のパンチが入っても、タドゥランが結局打ち勝つ。ロープ背負った銀次朗、打たれてクリンチに逃れる。
レフェリー、ストップのタイミングを伺い始める。
7回、タドゥラン詰めに来た感。ここで銀次朗の左ボディ、脇腹に入ったのが効いた?タドゥラン少し止まる。逆襲の好機か。
しかし銀次朗、追撃したいが力が残っていない?タドゥラン、左右ボディの連打。流れを戻す。

8回、タドゥラン攻める。左一発ローブロー気味。銀次朗、大袈裟にアピールすればいいのに、と思うが潔しとしない?その余裕もない?
直後、タドゥランの左クロスヒット。銀次朗単発のボディのみ。タドゥラン詰めに出て、左右のヒット重ねる。滅多打ち。
しかしレフェリー止めない。陣営もタオル入れない。もう輪島さんの時代一歩手前、という光景。
銀次朗倒れず、タドゥランも攻め疲れ?しかしまた出て攻める。銀次朗ロープに腰が落ちかけている。

インターバル、ドクターがコーナーに入る。いや、それ以前に、もう陣営が棄権すべきだろう、と思うが、しない。

結局9回開始。銀次朗左ボディ打つが、打った後の防御動作がない。タドゥラン右フック返す。
タドゥラン攻め、銀次朗上体が折れて、両足が突っ張ってスリップ。レフェリー、正規のダウンのように、選手の意思確認。続行。
タドゥランなおも攻める。打つパンチほぼ全部当たる。でもストップにならない。右手で抑えて左連打。反則かもしれないが、やりたくなる気持ちもわかるような。
この回ラスト20秒切ってから、タドゥランが攻めてレフェリーストップ。
ダメージ甚大の銀次朗、担架に乗って退場となりました。



負ける時はこういうものだ、というしかないのですが、普段の試合で見られる銀次朗の良さ、優位性がほぼ完全に封じられていた。そんな試合でした。
いつもなら強打を警戒し、間を置く相手に対し、踏み込みとボディへの強打による攻撃、そして速いバックステップで外す防御で試合を作る銀次朗だが、相手が力でそれを抑え込みにかかってきた。
正直、タドゥランの攻撃力と体力で、銀次朗相手にそれが出来るかどうかは微妙な印象を持っていたのですが、この日のタドゥランは、その予想を超えた力を見せつけました。
闘い方を練り、力勝負で勝った。タドゥランを称えるしかありません。

逆に銀次朗は、世界戦の数を重ねる中で、いつもどおりの、見たことのあるボクシングしかしていなかった、と言えるでしょう。
少ない試合数で世界タイトルを戦う選手の陥穽というものを、久し振りにわかりやすく見せられた感あり、でした。


そして、上記した通り、試合のストップについては余りにも遅すぎる、と批判しておきます。
まあ、欧米のレフェリーが、東洋の軽量級の試合において、そのパンチ力を軽視しているせいか、こういうレフェリングをすることはありますが、それにしても度を越していたように思います。

また、それとは関係なく、陣営が棄権の決断をもっと早くするべきでしょう。展開自体、分のないものだった上に、目が塞がりかけ、ロープに腰が落ち、朦朧としている選手に対し、何故然るべき決断が出来ないのか。
その背景にあるものが何かは知りませんが、もし銀次朗が再起するならば、そういった諸々を含めた「刷新」も共に行われるべきだ、とだけ言っておきます。



コメント (4)
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