さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

これもひとつの「到達」 井上尚弥、クロフォードと共にリング誌表紙飾る

2023-11-10 07:18:02 | 井上尚弥




リング誌、最新号はテレンス・クロフォードと井上尚弥の特集。当然、両者が表紙を飾った、という話題です。
井上尚弥がリング誌の表紙を飾ったことは何度かありますが(森川ジョージ氏のイラストもありました)、今回のは単独ではないとはいえ、ある意味過去最高の取り扱いではないか、と思えます。






パウンド・フォー・パウンド、昔は「体重同一時仮想対決」の意味合いが強かったですが、今は各々の業績、対戦相手の質と、実力の卓越度を比較するもの、と理解すればいいのでしょう。
そういう意味で、テレンス・クロフォードと井上尚弥、もし同じ体重だったと仮定してどちらが強いか、という話ではなく、そのキャリアの比較でもって、今はクロフォードが1位、2位が井上となっています。
しかしその差は僅差。ごく僅か。そう認識されているからこそ、このような表紙が作られ、特集が組まれるのでしょう。

複数階級を制覇し、そのうち2階級で4団体統一を成したクロフォード、そして次戦にもそれに並ぼうという井上。
しかしクロフォードがライトからウェルターという中量級であるのに対し、ライトフライ級スタートで、今スーパーバンタム級の井上が、欧米のボクシング批評において、ほぼ肩を並べているというのは、改めて驚きです。
おまけに米国と東洋の格差を考えれば、なおのこと。


70年代、バンタム級で初のリングマガジン、ファイター・オブ・ジ・イヤーに輝いたカルロス・サラテ。
そしてそのサラテを破ったKOマシーン、ウィルフレッド・ゴメス。
90年代、ライトフライ級で100万ドルファイターとなった「ヒスパニック版ロベルト・デュラン」マイケル・カルバハル。
強打とスイッチヒットで売ったトリックスター、ナジーム・ハメド。
00年代から長く、軽量級最高の強さとスペクタクルを提供し続けたグレート、ノニト・ドネア。


過去、米国のシーンで人気を博した、軽量級のメガスターは存在しました。
しかし花形階級、ウェルターで完全統一王者が存在するその時に、その王者と、リング誌の表紙を半々に分かち合った者がいたか。
過去のリング誌表紙を全部見てきたわけではないのですが、おそらくいなかっただろうなあ、と思います。


井上尚弥、改めて凄いところに立っているのだな、と。
もう、我々日本のファンの見方と同等か、或いはそれ以上に、あちらでの評価は高いのだな、と思わされます。
それこそホセ・ナポレスやレナードと並べられ、どちらが上かと比較されるようなもの、なのですからね。いやはや...。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする