さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

心の隙などあり得ようもない 井上尚弥、決戦までひと月半

2023-11-13 00:00:23 | 井上尚弥



井上尚弥が短期集中合宿を打ち上げ、という記事が各メディアに出ていました。
メディアの取材を受け容れてはおらず、大橋ジムからの情報提供という形のようです。
ボクモバ公式「X」の投稿から。






フィジカルトレーニングとスパーリングを組み込んだメニューを集中して行った、とのこと。
負荷をかけた状態でのスパーで、実際の試合で上手く行かない場合にも備えている、ということなのでしょう。

4団体統一戦にもかかわらず予想有利がもっぱらで、相手のマーロン・タパレス陣営から「(井上が油断していれば)勝機はある」という、どこまで本気なんだかわからんコメントが実際に出ているくらいです。
こういう場合、いくらメディアに向けて「油断大敵」と語っていても、やはり油断して、練習段階から手を抜いたり、逆に怪我を抱えていても無理をしたり、何らかの形でベストの用意が出来ず、予想外の敗北を喫する、という事例はいくらでもあります。


しかし、井上尚弥については、これまでの闘いぶりをつぶさに見る限り、少なくとも心の構えに隙あり、ということは100%無い、と断言していいでしょう。
これほど強いのに、何故今もなお、心倦まずに前向きに、日々の鍛錬に取り組み、闘い続けられるのか。
答えはさまざまにありましょうが、傍目に言えることは、真の王者たる者の姿がこれなのだ、という納得のみ、ですね。


いざリングの上で、眼前の敵マーロン・タパレスと相まみえ闘う前に、井上尚弥は自らの心に潜む...のかどうかもわからない、僅かな隙、油断の存在を自ら求め、それを不倶戴天の敵と見做して、日々の鍛錬の中で、その敵と闘うのでしょう。
その闘いが我々の目に触れることは、基本的にはないわけですが、その痕跡は、目に触れる部分である実際の試合で、そこかしこに見えるはずです。
12月26日の試合でもまた、我々はその闘いの行く末を、リングの上で見ることになるのでしょうね。


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と、こんなことを書いておいて、次も勝つこと前提にその先の話というのもナニではありますが(笑)。
来年以降、井上がスーパーバンタムに留まって2試合ほど闘うとして、挑戦者に名乗りを上げようというボクサーの話題が、ちらほら目に付きます。


最有力候補として扱われ(てしまっ)ているルイス・ネリーは、WBCの挑戦者決定戦に勝っているという正当性はあるものの、ブランドン・フィゲロアに負けたあとの軌道修正をWBCにお膳立てしてもらった、というのが実際のところではないか、という気がします。
それ以外にも、元々、色々と納得感のない存在ですが、井上挑戦について、来年5月にも、という話があるようです。
場所はアメリカになるのでは、という観測もあるようですが、現状、JBCから追放されているネリーを、日本の大箱、Lemino配信という従来の形には収められない、ということなんでしょうかね。
この辺、JBCが処分解除、とあっさりやってしまうんではないか、と思っていましたが...アメリカで試合して、日本でやる場合と同様の収益が上がるものかどうか、その辺のスキームが出来ているというなら、それで良いのでしょうけども。はてさて、です。


前WBA、IBF王者で、WBA1位のムロジョン・アフマダリエフは、タパレスとのダイレクトリマッチが実現せず、同2位ケビン・ゴンサレスとの挑戦者決定戦が決まったとのこと。
これが日本時間で来月17日、フライ級二冠対決のジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズ戦と同じカードに入りました。
当然、DAZNでライブ配信があるでしょう。井上、タパレス戦の10日前に、WBA方面の最上位が決まるわけです。

個人的には、アフマダリエフが勝てば、ネリー以上にこちらとの試合を見てみたいと思います。
挑戦者としての納得感というのもそうですし、良い時の安定感、据わりの良さなどからして、スーパーバンタムでどの程度、「力勝負」をして通じるかどうか、という問いを、井上に突きつけられる者がいるとしたら、それはアフマダリエフなのではないか、と思うので。


IBF方面からは、先日、日本のリングで衝撃のKOを見せたTJドヘニーを破り、すでに最上位に位置する豪州のサム・グッドマンが、挑戦希望を語っています
こちらもまた、通ってきた筋道という意味では、ネリーに何ら劣ることの無い挑戦者ですね。
ちなみに、WBOでもこのグッドマンが1位です。
二団体で1位、という点で、これまたネリーより上に置いてもいい、という見方も出来ますね。


コメント (6)
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